2012年1月末の資産配分です。
前月に比べて大きな動きはありません。
続きを読む2月1日に社会的責任投資フォーラム(SIF-Japan)の定例勉強会に参加してきました。
今回は『投資家、運用者、企業の信頼を基盤にする『全員参加型』投信 〜顧客と共に社会を善くする企業を応援し、安定運用を目指す鎌倉投信の運用理念について〜』 と題して鎌倉投信の鎌田恭幸社長が講演されました。
鎌倉投信の理念や受益者総会の模様、鎌倉投信の考える投資の概念、具体的な投資行動についてなど話されましたが印象に残った点についてまとめてみます。
今回の勉強会では結い2101を顧客と一緒になって社会を善くする会社を応援するという全員参加型の投資信託と位置づけて説明されていました。 共感によって結ばれた関係であればこそ、相場が下がった時でも投信を売るのではなく、逆に資金を入れてくれるようになります。 そんな投資家に支えられると、暴落時でもポートフォリオが痛むこともなく、どんどん強くなっていきます。
投資の成績はファンドマネージャーの運用力だけではなく、顧客の質によっても違いは出るのです。 鎌倉投信はなぜそこまでの共感を生み出せるのか? それは投資家に対してかなり多くの情報を公開しているからではないでしょうか?
日本にもSRIファンドはそれなりの数ありますが、残念ながら月次レポートや運用報告書はこの銘柄が上昇した、この銘柄が下がった、相場はこうだったという「投資行動」に対しての報告で、投資先の会社のどこを良いと評価したのか?そんな話は登場してきません。
SRIファンドは投資パフォーマンスだけじゃなく、投資先会社のどこがいいのか説明する義務があると思うのですが・・・ また、組入企業を選ぶ際に外部評価機関による選別を受けているものが多く、そこでスクリーニングされた会社に対して売買することで利益をあげるという二段階構造になっているように感じます。
その点、鎌倉投信は自分たちの価値観でいい会社を探し出し、この会社はこんなところがいい会社なんだという話が説明会などでもメインに据えられています。 窓販の投資信託において、販売会社の人がSRIファンドの説明でこのファンドは組み入れ会社のこんなところがいいんです!って説明できるはずもなく、であれば専門のSRI評価機関お墨付きの会社の中から投資していますというのが現実解なのかもしれません。 でも、ポジティブスクリーニングの場合、お金のある会社は結局CSR活動の規模が大きく、評価機関からも高い評価を受けてしまう傾向があるため、結局大型株ファンドと変わらないポートフォリオになる傾向があるのを自分はなんだかなぁという思いで見ていました。
中には大和マイクロファイナンス・ファンドのように組入たマイクロファイナンス機関を積極的に紹介するようなファンドもありますが、それはまだごく一部です。(いきなり動画が流れるのは毎回音がうるさいのでどうにかして欲しいのですが・・・) 鎌倉投信はSRIファンドというわけではありませんが、SRIファンドの進化系(オーガニックなファンド?)とも言える新しい形を提示していると思います。
でも、長い目線でいい会社に投資するというのはSRIでもなんでもなく、ふた昔くらい前の投資の定義ってそういうのだったと思うんですけどね。 なかなか利益を上げられない中で、短期間でどれだけ高いリターンを生み出すか? 無理をしがちな金融の世界に原点回帰とも言える草食系の投資が再び注目を集めるようになってきたのではないでしょうか?
鎌倉投信の受益者総会も一年目は家族連れが少なかったものの、二年目は家族連れがだいぶ増えました。 投資をしているというと普通の人には印象が悪いものですが、家族で投信会社のイベントに参加するなんて普通は考えられないものです。 でも、それを成し遂げてしまうのが鎌倉投信が行なっている「投資」で、一般の人でも嫌悪感を感じない投資の姿だと思います。
ミュージックセキュリティーズのファンドもそうですが投資先の会社の魅力を伝えて、共感した人から集めたお金の場合、いかに儲けるか?というのとは異なる性質のお金が集まります。 そういう行動こそが社会的責任投資なんじゃないかな?というのが自分の考えです。
自分が他者を出しぬいて儲けるのではなく、投資によって社会的価値を生み出して、結果として金銭的なリターンが返ってくる「おかげさまの気持ち」で投資ができるとドキドキせず投資と付き合うことができるんじゃないかと思います。 そのためには投資哲学とそれによって生まれる社会的投資が同じ方向を向いているのが望ましい形で、普通の利益を目指すファンドだけども震災復興ファンドという名前で信託報酬の一部を寄付するだけのファンドではまだまだです。
目論見書・運用報告書を読むシリーズ第六回目はJPモルガンアセットマネジメントが運用する『JF ザ・ジャパン』です。
参考資料はこちらです。
目論見書、運用報告書を読むにあたり、竹川美奈子さんが提唱するP-CCAP(ピーキャップ)の法則を利用します。
・Policy(運用ポリシー)
・Cost(手数料)
・going-Concern(継続性)
・Asset(純資産総額)
・Performance(運用実績)
1.運用ポリシー(Policy)
日本の産業構造が変化していく中で、利益成長性が高く、株主を重視した経営を行っており、かつこれらの状況を市場が株価に織り込んでいない、トップクラスの株価上昇が期待できる企業(=金メダル企業*)に投資を行います。
アナリストを設けず、運用者自ら徹底した企業取材(年間2,500件)を行ない、ボトムアップアプローチによる運用を行います。
ベンチマークとして東証株価指数(TOPIX)を設定していますが、東証一部へは2011年12月末現在で69.9%の投資率と低く、小型株を多く組み入れています。また、現金比率が12.09%とキャッシュポジションについてもアクティブファンドとしては多めに保有することがあります。(かつて中小型株の運用に定評のあったジャーディン・フレミングの運用チームが引き継がれています)
カバーしている銘柄群は大型株250銘柄、小型株100銘柄で構成され、四半期ごとに見直されます。
銘柄群は今後の成長が期待されるテーマに沿って組み入れられます。
運用哲学やポートフォリオ構築の流れなどは請求目論見書に詳細に記載されていますので、一読をお勧めします。
組入上位銘柄(2011年11月末現在)
1位:アンリツ
2位:UBIC
3位:KLab
4位:グリー
5位:ネットワンシステムズ
6位:サンリオ
7位:チタン工業
8位:レオパレス21
10位:タクマ
上位10銘柄 35.9%
全66銘柄
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