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"いい投資"探検日誌 from 新所沢の過去ログ#1(2003年7月〜2012年3月までの記事)

三谷幸喜さん漬けの一日

今日は三谷幸喜さん脚本の大河ドラマ新撰組!」が始まりましたが、所沢の市民文化センターミューズに三谷さんが脚本を書いた、 [東京ヴォードビルショー]:http://www.vaudeville-show.com/ 劇団創設30周年記念公園の「 [その場しのぎの男たち]:http://fake.rocket3.net/mitani/html/sonoba/index.html 」を観に行きました。

この作品は92年初演、94年再演、そして今回が再々演となりますが、三谷さんが再演の度に微妙に脚本を書き直しているそうです。物語は世に言う大津事件(ロシアのニコライ皇太子が訪日中に、警官が斬りつけた)の翌日に発足して5日目の内閣が、伊藤博文の傀儡内閣という殻から抜け出すため、なんとか事態を収集させようとあの手この手を打つのですが、全て裏目に出てしまうドタバタ喜劇です。

席は発売開始日のお昼頃に取ったのですが、それでも1階席の一番後ろの列でした。去年オケピの再演もチケット取ろうとして駄目でしたけど、やっぱり人気ありますね。

この劇では総理大臣の松方正義はただの気のいいおじさんだし、脳みそ筋肉?な感じで足の臭い内務大臣の西郷従道、コサックダンスを踊って悪化したロシアとの関係を取り戻そうとする外務大臣の青木周蔵、前総理大臣でこの内閣の黒幕である伊藤博文にべったりのお調子者の通信大臣 後藤象二郎、内閣の策士にして、次々とその場しのぎの案を提案する農商務大臣の睦奥宗光と見事に使えない、そして頼りない政治家が登場します。そして、意外にひょうきんな伊藤博文がいい味を出しています。伊藤博文の役は伊東四郎さんと山本龍二さんのダブルキャストで、既に伊東四朗さんの出る舞台は終わってますけど、このセリフは伊東さん向けの台詞だなあというのが率直な感想でした。山本さんが演じる伊藤博文も飄々としていて十分面白かったんですけどね。

日本を救う為に斬りつけたという津田三蔵が伊藤博文に自分の事ばかり考えてと批判したのに対する「誰だって自分の事が可愛いんだ。自分の事しか考えていないからってなんでその事を政治家だけが批判されなくちゃいけないんだ」という台詞が政治風刺の面影を残してますけど、基本的にまじめな風刺じゃなくて笑い飛ばそうという風刺です。

現実の日本の前首相といい、今の首相といいあまり考えた深みのあるコメントが出てこない所を見ると意外と内側ではこんな感じにドタバタやってるのかもしれません。(本当だったら嫌だけど)

特に、前の首相なんかはとにかく相手にその場でいい顔ができればいいという事であさはかな発言を繰り返すという意味でそっくりですね。

・・・なんて真面目な感想を持っちゃいけません。単純に笑って楽しめばいいんです。 [DVD]:http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00018GYFG/qid=1073838383/sr=1-6/ref=sr_1_2_6/249-9347486-6293929 も発売されるようですが、これは三谷さんの喜劇が好きならお勧めですね。自分もちょっと欲しくなりました。

それにしても、本当に「その場しのぎ」の手を打っては裏目に出るその様を見ると、単なる風刺ではなく笑える劇にしてしまった三谷さんは凄いなあと思いますね。HRもそうでしたけど、三谷さんには笑いを我慢した脚本よりこういうコメディを伸び伸びと書いてもらった方がいいですね。「新撰組!」は大河ドラマという事で抑えているのがありありとわかって、なんか大河ドラマの重厚さと三谷さんの持つ軽い感じのどっちつかずな感じがしました。

あれじゃあ、三谷さんの事を知らない大河ドラマファンは「なんだこれは?」

って思っちゃいますよね。自分はこれからも毎週「新撰組!」見ますけど。

写真は全然関係ないですけど、鏡開きのお汁粉です。

本当はお餅を切るのはいけないそうなんですけど、プラスチックの

ケースに入ってるので、おもいっきり切ってます。

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