マネックス資産設計ファンドが4月1日に基本資産配分を変更していました。
設定が1月だったからいつになったら2008年版の見直しするんだろ?って思ってたらすっかり忘れた頃にいきなりやってきました。
基本資産配分の変化
日本株 21%→17% (-4%)
外国株 15%→14% (-1%)
日本債券 22%→23% (+1%)
外国債券 20%→25% (+5%)
日本リート 15%→13% (-2%)
外国リート 7%→8% (+1%)
全体として株が5%減少、債券が6%増加、リートが1%減少とより保守的な資産配分に変更になっています。
そしてこの基本資産配分比率の変更プロセスについてイボットソンの小松原さんが説明してくれるという動画コンテンツが用意されていましたので見てみました。
マネックス資産設計ファンドの基本配分比率の変更について(マネックス証券)
まず、冒頭でこのファンドはリスク(標準偏差)が8%に設定されているという説明がありました。
そして、経済環境に大きな変更があった場合は今回のような年1回の変更に留まらず途中で変更することもありえるそうです。という事は基本的に毎年4月1日に見直すという事のようですね。
また、今回の見直しにあたっては2008年2月末のデータを利用しているそうです。
そして、一番気になるイボットソンが期待収益率をどのように求めているかについての説明ですが、
基本4資産(内外の株式と債券)についてはリスクフリーマネー+リスクプレミアムによって求めるビルディングブロック法で求めているために、金利が下がると期待収益率が下がるという仕組みになっているという説明でした。
対してリートに関しては配当利回りを元に期待収益率を求めているので昨今の価格の下落で期待収益率は高まっているという事でした。
・基本四資産においてはリスク、期待リターン微減
・国内リートはリスク増、期待リターン増
・外国リートはリスクそのまま、期待リターン増
この動きを受けて、結果として効率的フロンティアが下方向に下がり、債券が増えて株の配分が下がる保守的な配分になるといった結果が今回の配分比率変更の理由です。
また、リートについては期待収益率が上がったので配分比率を増やしています。
イボットソンとしては今回の配分比率変更はそんなに大きな変更ではないとの認識をしているそうです。
あくまでもスタラクティックアセットアロケーションであり、市場状況に応じて大幅に資産配分を変更するタクティカルアセットアロケーションではありません。
最後にバックテストと新基本配分比率での将来シミュレーションを紹介していました。
今回の新基本配分比率で1989年6月から2008年3月末までのバックテストを行った結果、過去の相場下落時には
過去高値までの回復に5年2ヶ月かかったり4年10ヶ月かかったりと約5年くらい要しているようです。
リスクが8%のマイルドなファンドなので戻りもじわーっといくんですね。
というか、
リターンが平坦な低迷期が5年くらいあって、その後3〜4年くらいの上昇期があるというようなグラフでした。
今は低迷期(仕込み時?)に入ったと個人的に感じました。
ちなみに、今回の下落は95.45%の確率で収まると言われている-2σを超えた下落だったことも明らかになりました。という事は逆バリ派としては追加資金投入のチャンスとも言えそうです。リスクを抑えたバランスファンドなのでそこまで目くじらたてて臨まなくてもいいでしょうけど。
そして将来シミュレーションの結果では、期待収益率の通りに推移すると、あと3年程度で基準価額10,000まで回復するというような結果となってました。
バックテストで大幅な下落からの回復に5年程度要したというのを裏付ける結果です。
市場は期待収益率通りの動きはしないだろうから、前後に若干ずれることを考えると基準価額10,000円まで戻すには2〜3年は覚悟しておいた方がいいって事でしょうね。(今年のうちに戻すというのも+2σの中には入っていたので考える事はできるでしょうけれども)
そのまま放置しておけば基準価額10,000円までの回復にあと3年はかかりそうっていう事ですが、追加資金を投入することでプラスに転じる点を下げる事もできますので、うちの家計口座での投資分についてはこのまま積立投資を続けるつもりです。
バランスファンドってそういうものだと思いますし。
ただ、株価下落時ってどうしても金利が下がるだろうからそこで株の配分を下げるってのはバリュー投資家としてはなぜそこで!今こそチャンスなのに!って気分になるのですが、リスクを8%に抑えるっていう前提があるので債券が増えるのは仕方ないのかもしれません。
そこは、ファンドの設計思想を理解して、気に入らなければ配分比率固定のバランスファンドに買い替えた方がいいんでしょうね。
イボットソン小松原さんの説明動画はファンド受益者は見ておくとためになりますよ。