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"いい投資"探検日誌 from 新所沢の過去ログ#1(2003年7月〜2012年3月までの記事)

効率的市場仮説について考える

ゲイツとバフェット新しい資本主義を語る」という本を読んでいる最中なのですが、その中で効率的市場仮説について論じられている部分があり、面白いなと思ったので記事にしてみました。

作者のマイケルキンズレーが効率的市場仮説に対しての疑問のメールに対してクリントン政権での財務長官だったサマーズ氏が回答したものです。

キンズレー:

市場が完璧に効率的でどの時点においても企業に関するあらゆる入手可能な情報と知識を株価が反映していたとして、入手できても完全ではない情報だったり盲信やたれこみで取引をする人が大勢いる状況です。

効率的市場仮説は不完全な情報に基づいて取引する人は損をするだろうと言うのであれば、市場と同程度のパフォーマンスを上げられない人がいるのと同様に市場を上回るパフォーマンスを上げている人がどこかにいるのではないでしょうか?

私は直感的に自分が市場を打ち負かす程自分が利口だとは思いませんが、仮に100万ドルを株式投機すれば簡単に市場に負ける事ができると思います。でももし効率的市場仮説が正しいなら100万ドル失うのも100万ドル儲けるくらい難しいことなのではないでしょうか?

サマーズ:

株式の運用で市場以下のパフォーマンスしか意図的にあげられないようにできるのであれば、市場で平均以上のパフォーマンスを上げる方法もわかるはずです。

へまをしがちな人が競争市場で必ず損をするかもはっきりしません。ここが市場の素晴らしいところです。

この2人のやりとりを読むと自分にはやっぱり効率的市場仮説は信じられません。

バフェットもインデックスファンドへの投資は推奨していますが効率的市場仮説には否定的ですし(大学の経済学講座へ寄付しようと皮肉ってます)、マンガーもあれは馬鹿げた考えだと一蹴しています。

インデックスファンド派の人なら銘柄選択ではなくコストこそがインデックスに勝てない理由に他ならないと言うんでしょうけどね。