今月号の日経マネーのもう1つのみどころ、内藤忍さんとウォール街のランダムウォーカーの著者、バートン・マルキールさんのインタビュー記事です。
内藤さんは最新作で初心者にインデックス投資を薦める本を書いていますが、分散投資の伝道師からインデックス投資の伝道師に若干軌道修正したようなところが伺えます。(もちろん長期分散投資は今でも柱ですけど)
マルキールさんの場合は国際分散投資にあたってホームカントリーバイアスに否定的な考えを持っているんですね。
(同じインデックス投資派のバンガードのボーグルさんは逆に国際分散投資に否定的)
株式時価総額の比率というよりもGDP比率に主眼を持っているようです。
(日本のGDPは世界の10%程)
また、リバランスについて定期的に行う必要があるがベストな頻度は年に一度。
同じ日に行う事が重要と説いています。
よく、マネー雑誌で相場が下がったからリバランスのチャンスとか言ってますが、あれはミスリードです。
ちゃんと考えて作ったアセットアロケーションなら、来年のリバランスの日まで手をつけない方が無難です。
もちろん追加投資資金を使った微調整はやっても構わないのですが、売却をしてまでリバランスを頻繁に行うのは逆効果です。
マルキールさんのアセットアロケーションは
60%が国際分散投資(インデックス)
20%が不動産投資
20%が新興国投資と個別株投資
だそうです。
コモディティは分散投資として組み込むべきだがコストが高いのでコモディティ投信はお薦めしないという立場というのも勉強になりました。新興国の資源国株を持つ事でコモディティに間接的に投資している事にできるという考えだそうです。
おすすめのポートフォリオが公開されていましたが、現金比率が少なめなのは彼がお金持ちだからじゃないでしょうか?
もしくは預金比率の低いアメリカ人だから?
インフレリスクを考えたら現金で保有するのは賢い選択ではないのは確かですが、一般的なサラリーマン世帯で資産形成を考えたとき、いざという時のためにも現金は必要です。
生活防衛資金と投資資金は別物と割り切れる人であればこういうポートフォリオで良いと思いますが、60代後半以降もインフレに備えて株式を25〜35%は持っておきたいと言っているという事は生活防衛資金無しでの推奨ポートフォリオと考えられます。
生活防衛資金についてどう考えているかも知りたいところです。
あと、これは個人的なリスク許容度を全く考慮していないのでそのまま鵜呑みにするには危険です。
実際にはどのくらいの損失に精神的に耐えられるかよく考える必要があります。
じゃないといくらインデックス投資家といえども下落相場の中で失意のうちに退場することになってしまうでしょう。