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"いい投資"探検日誌 from 新所沢の過去ログ#1(2003年7月〜2012年3月までの記事)

ひふみアカデミーに参加してきました

もともと会議が入っていたので参加は来月かなあと思っていたのですが、会議が延期されたため、急遽ひふみアカデミーに参加してきました。

運用責任者が立田さんから藤野さんに変わって初回という事なのですが、正直まだ変わったばかりでポートフォリオにも動きはないし、藤野さんの運用へのスタンスなどを聞ければいいなというのが参加の動機です。

これまでは最初に参加者が質問をして、立田さんが質問に回答しながらひふみ投信の運用や今後の相場見通しについて語るという形式でしたが、今回から最初に藤野さんが話してその後に質疑応答という形になりました。

最初に藤野さんのこれまでの経歴について、元々は検事になりたかったが司法試験に落ちたのでゼミの先生に薦められて運用業界に入ったというところから野村投資顧問からジャーディフレミング、ゴールドマンサックスを得てレオスを起ち上げるところまで話がありました。

続いて相場観やひふみ投信の運用について

・立田氏は生命保険会社の運用から始まり米国勤務経験もあったが、日本の中小型株に関しては藤野氏も一環して担当していたアセットであり、引けを取らない運用ができると考えている

・立田氏が組み入れていた会社については企業調査は共同で行っていたし、年金向け運用で組み入れている会社でもあるので経営者とも顔見知りなのは変わらず。

・鯨幕相場が終わったが、過去の例ではトレンドが変わる局面のシグナルだった。今回は一回目の上昇局面が終わったと見ている。ただし、急落するようなイメージは持っていない。(立田氏は急落するイメージを持っていた)

・現金比率50%というのは国際株式ファンドで持ち得る最大限のキャッシュ。現状目先の相場に対しては弱気な証拠。守備力最大でがっちり守りに入っている。

日経平均が9,000円辺りから株式比率をじっくり上げたいと考えている。ただし、急落するような局面ではドラスティックに株式比率を変更する場合もある。

・現在の組み入れ銘柄は円高のメリットを受け、景気悪化の影響を受けにくいディフェンシブ銘柄。基本的に今後もディフェンシブな銘柄への投資を続けるが、組み入れ銘柄は変更する可能性がある。例えば資生堂花王など。

・立田氏と共通の見方として中国企業に直接投資というよりも中国の成長で恩恵を受ける会社に投資したいという考え。中国人の日本旅行のみやげはかつては秋葉原で家電製品だったが、現在は家電製品が3位、2位がポッキーやコアラのマーチなどの食品、1位は化粧品やトイレタリー製品。中国人の生活レベルが向上したが口にしたり肌に付けるものは中国製品を信用していなくて日本製品が信用されている。バフェットが投資している企業も日用品が主。景気変動の影響を受けにくい。

・レオスはひふみ投信だけの会社ではなく、年金基金などの投資顧問で300億円の資産運用を行っている。投資顧問部門を成長させて経営を安定させつつ、個人向けにひふみ投信もじっくり取り組んで行きたい。ひふみの規模拡大を急ぐあまり営業営業した会社にはならない。

・年金基金などは数年かけて取引に至るようなペースである反面、数ヶ月のパフォーマンスで解約されるような事もないので安定している。内訳は日本が50%、海外が50%。海外だとオーストラリアの生命保険会社AMPやノルウェー政府のソブリンウェルスファンドの一部も担っている。

・年金など機関投資家向け運用を行っていたが個人向け投信をやりたいとはずっと思っていた。ただ、それを始めるには投資顧問である一定以上の規模になるまで待つ必要があった。そして始めたのがひふみ投信。

・最近行った減資は金融庁や年金基金に対してバランスシートの健全性をアピールする意味合いがある。

・運用資産規模について 100億までは問題ない。100〜300億円で若干制約が出てくる。1,000億円を超えると市場規模から運用しづらくなるが、過去に4〜5,000億円のファンドの運用経験があるので心配はいらない。(立田氏についても同様の経験があった)

個人的に藤野氏には90年代末の中小型株でイケイケだった印象があるので守りながら増やすひふみ投信に合うんだろうか?というのが心配な点だったのですが、継続してディフェンシブな銘柄に投資するという点と、現金比率は通常の状態では急には変化させないというのを聞いて銘柄は変わるだろうけど(運用者が変わるのでそれは避けられないところ)、本質は変わらないなと感じました。

来月のひふみのあゆみでも運用状況は引き続きウォッチを続けますが、今日の話を聞いた感じではひふみ投信はこのまま買い続けて大丈夫そうです。

ひふみ投信