レオス×ミュージックセキュリティーズ交流サロンレポート(1)
ちょっと遅くなりましたが9月15日(火)にレオス・キャピタルワークスで行われたレオス・キャピタルワークス「ひふみ投信」×ミュージックセキュリティーズ「セキュリテ」交流サロンに行ってきたレポートです。
第一回目の今回は「エコノミー・フォー・オーガニックお金と国際協力のいい関係」と題してお金と国際協力についてがテーマでした。
まず最初に今回ミュージックセキュリティから『カンボジアONE』という事でマイクロファイナンス(MFI)へ投資するファンドを作るきっかけとなったLiving in Peaceの慎さんからお話がありました。
1.今回のファンドで投資先にカンボジアを選択した理由
・カンボジアの経済規模(GDP)は同じメコン河流域のラオスやベトナムと比較しても小さい。ポルポト政権下で国の基盤が破壊されてしまった
・周辺国との経済ギャップは成長可能性とも言える。現在は政治も安定しており、草の根レベルでの教育意欲の高さと世界的にも評価されてる金融に対する規制の無さが魅力
2.マイクロファイナンスについて
・マイクロファイナンスという仕組みは国の規模がある程度になると生まれてくる仕組み
・日本や東アジアの国々にもかつて同じような仕組みがあった
・貧しい国においては投資することのリターンは大きい
・Living in Peaceの志として、貧困から抜け出すには本人の意思が必要との想いがある
・貧しくても本人がバイタリティ溢れて生活しているのに、そこへ上から目線で援助することが本当に良い事なのか?
・マイクロファイナンスを通じて貧困を抜け出す「機会」を提供する
・海外では既に6,000億ドル規模でマイクロファイナンスへ投資するファンドが組成されている
・先進国では唯一日本だけ存在していない
3.CHCについて
・HIVの蔓延を防ぐ目的のNGOが母体近々名前をサミックに変更予定
・カンボジアでは中位に位置する規模のマイクロファイナンス
・海外大手MFIからの人的支援や知的支援が行われている(フィリピン最大のMFIからの人的支援)
・現地視察にいった感想ではしっかりとしたオペレーションが行われている
・マイクロファイナンスで貸し出されるお金の用途は様々。廃車修理による中古車販売やタイから仕入れた雑貨の販売、有機肥料の購入など。一見賭けのようにも見える事もしているが、貧困から抜け出すのは戦い。ただし、戦いの舞台に立つ事すらできない人にとってマイクロファイナンスが支援する。
・営利だけ考えるとお金持ちにだけ貸せば良いが元々の理念から貧困層への貸し付けを行っている。農村部への最初の貸し付けは25〜100ドル程
続いてミュージックセキュリティーズの小松さんのお話
1.カンボジアONEについて
・契約先が直接CHCとなる匿名組合契約出資
・寄付の場合は何らかの機関を通じて資金が流れるが、この仕組みは直接カンボジアのMFIへ投資される
・お金を貸して利息が付くのではなく、3年間CHCへ投資した収益を分配する仕組み
・この仕組みは今回で終わりではなくずっと続けて行きたい
・リターンには「フィナンシャルリターン」と「コミュニティリターン」の二つがある。コミュニティリターンとしてはマイクロ企業アワードやスタディツアーなど
・寄付が投資になることで一方通行になりがちだった国際協力の分野で資金の循環が生まれて継続的な協力が可能になる
・Living in Peaceが情報提供や企画で参加する
藤野さんが司会となって慎さんと小松さんとの対談は次回。