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"いい投資"探検日誌 from 新所沢の過去ログ#1(2003年7月〜2012年3月までの記事)

つばさよつばさ@浅田次郎

JALの機内誌で連載されている浅田次郎さんのエッセーの文庫版です。

僕はJALの機内誌のこのエッセーが好きで、飛行機に乗ると欠かさず読んでます。

特に「ステキなステーキ」というエッセーは肉嫌いだった浅田さんが子供を持つようになって一気に肉好きになった話とステーキは北米産の肉をウェルダンでという話で秀逸で、僕も一時期そんなステーキを食べたいと盛り上がっていた時期がありました。(結果としてそんなおいしいステーキにはありつけなかったんだけど)

韓国にいって辛い料理を食べ続けていたら日本に帰ってきたら味が薄すぎてまずいと思ったとか、北京の第一夜の晩餐は前門の全聚徳と決めているって話など旅先での食にまつわる話も多くて、行ってみたい気にさせてくれます。

JALの機内誌という事でそういう目的のエッセーなんだろうけど。

この本の最後のエッセーになる「星を狩る少年」はチュニジアからモロッコへのガイドだったナジャの話は〆にふさわしく頭にガツンと入ってきました。

ホテルにもう一人のガイドが国際線のチケットを忘れた時でもホテルにチケットの存在を確認する電話をしたり無理を押してなんとかチケット無しで飛行機に浅田さん一行を乗せることに成功します。

「ダメと思えば何でもダメ」は言いかえれば「ダメじゃないと思えばなんでもダメじゃない」

たくましいです。

将来の夢はチュニジアチュニスにうどん屋を開くことというナジャに浅田さんが別れの際に「蒼穹の昴」のフランス語版に「無邪君へ」とサインをして渡すシーンはこのブログを書くために見直しているだけでまた泣けてくるくらい感動的。

JALが法的整理になるって日にこんなエントリーもなんですが、機内誌の浅田さんのエッセーはぜひ続けて欲しいです。