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"いい投資"探検日誌 from 新所沢の過去ログ#1(2003年7月〜2012年3月までの記事)

お金と妖怪のいい関係 妖怪ファンドセミナー(2)

月曜日に行われた妖怪ファンドのセミナーレポートの第二弾はパネルディスカッションと質疑応答、僕の感想です。

パネルディスカッション

藤野:あなたにとっての妖怪とは?

小松:初めて水木しげる先生のオフィスに行った時に妖怪の数の多さに驚いた。日本には

   土着の妖怪がたくさんいて、ヒップホップと同じように土着性がある。

藤野:妖怪にはすべて出身地とそれぞれの物語がある。異なった地域で見た目が似ている

   が名前の違う妖怪もいる。

橋本:妖怪と聞くと「どろろ」を思い出して童心に帰る。妖怪は人の心の奥底を表したも

   のではないか?

田村:政界には妖怪がたくさんいて今日もたくさん会ってきた。

   ミュージックセキュリティーズのファンドはいわばファンクラブ。

   ファンクラブ会費を出資におきかえたようなもの。

   政治の世界にもファンドを作ったらいいのではないか?

   政治家という仕事は何もしない事が一番リターンが高い。自分のように活発に活動

   するとお金がかかってリターンは下がる。

   これからは政治家にも何をやったのか結果が求められる時代。

   藤野さんの運用の話があったが、税金をいかに運用するかが政治家の仕事。

藤野:これまでの政治家はいかに東京から地方にお金を引っ張ってくるかに力を入れてい

   た。

   田村さんは違って、地方が必要なお金を出して事業をするのがいいと考えていた。

田村:リスクの無いお金というものは無い。

   意思のあるお金の使い方をするのが良い。

   国から持ってきたお金には責任を感じないので鳥取にも無駄な箱物や立派な農道が

   ある。

   地域の人の意識、アイデア、お金も出すが口も出すというのが新しい公共事業にな

   りえる。

   老老相続が実態。相続が発生する際の受け取る側の平均年齢は68歳。

   金持ちが長生きして必要ない人へ相続されている。

   生前相続を加速化する必要があるのでは。

橋本:社会をよくすることと事業は同じ。

   社会貢献こそ起業家の役割。

   お金だけが走りすぎていて企業は人のために存在するという本質を見失っている。

   人をサポートするという気持ちを忘れている企業が多い。

   ビジネスで支援を行うことで寄付のような一時的なものと違い循環が発生する。

   支援に対してビジネスの視点を持ち込むことで良い結果が生まれる。

   イデアインターナショナルではライフスタイルマーケットに特化している。

   エモーショナルゾーンへの訴え。

   発展途上国では価格と機能が求められるが、成熟した日本のような国では感情に

   訴えることが必要。

   例としてアップルやサムスン 日本企業は機能にこだわり、新しいライフスタイル

   を提案できていない。

   エモーショナルゾーンには人をサポートするのが入っている。心の眼を高める。

小松:ミュージシャンがやりたいことをするにはお金が必要

   ファンがお金を出す仕組みを作れないか?と思ったのがきっかけ。

   売れるためではなくやりたい音楽を追求する

   同じ頃に酒蔵の人にであって同じような境遇に感じた

質疑応答:

Q.投信はFMを見るが、ミュージックセキュリティーズのファンドはどこを見ればよい

  のか?妖怪ダルマが売れそうかを見れば良いのか?それとも誰か責任をとって運用

  する人がいるのか?

A.MSのファンド投資信託と違って誰かが中心となって運営されるものではない。

  それぞれが役割分担しており、それぞれで責任を持って行っている。

  妖怪だるまがたくさん売れると配当が支払われるが、売れなかった場合はダルマが

  現物支給される。

  ただし、nendoがデザインした物という事で売れなければ、今回だけの物になり、

  後から価値が出る可能性もある。

Q.境港にとってこのファンドを使った中長期的な話を聞かせて欲しい

A.一回成功すれば色んなことに応用できるスキーム。

  他の商店街にもぜひ真似して欲しい。鳥取全体、そして日本全国へ。

  妖怪だるまはぜひ境港で観光土産として売って欲しいと考えている。

 

  東京からお金を持ってくるという世界観からの脱却

  地域のコンテンツを使って公共事業をプロジェクトファイナンスにした

  2013年に国際会計基準が変わると銀行が国債を買っても評価されなくなる

  そうなった時に国はいかにして国債を銀行に買ってもらうのか、まさにプロジェ

  クトを評価してもらい国債を買ってもらうようになるのではないか?

  民間でも同じ。そのモデルケースとなりたい。

感想:

自分が北海道出身ということもあって、今回の妖怪ふぁんどプロジェクトは地域振興

の新しい形という事で興味が有りました。

どうしても国会議員は東京からお金を持ってきて使うかどうかはわからないけど目先

の仕事欲しさに道路とかハコモノとか作っちゃうし(維持費の観点が抜け落ちてるん

だよな)、地方の閉塞感というのは感じているので、民間でできる地域活性化という

のがあるのであれば、それは応援してみたいと感じて妖怪ふぁんど壱に出資しました。

妖怪だるまが果たしておみやげとして境港で売れるのかは正直よくわからないけど、

これが最初のテストケースという事でまずこのプロジェクトが成功するのが大事だろ

うというのが正直な感想です。

境港に来ている観光客がどういう人達で、その人達が妖怪だるまを買いそうな客層な

のか?とかそういう話を質問すれば良かったなと家に帰ってから思いました。

会場からの質問でも出ていましたが、これが境港市にとってどういうメリットがある

のかというのは僕も気になっていた点。妖怪ホテルなら直接境港にメリットがあるけ

ど「妖怪だるま」って境港が主導して生まれたアイディアでも無さそうだし、地元の

議員と東京の会社が勝手にやってる事なんて冷めた事になってたらヤダなぁ。

とはいえ、そこは何度も境港に足を運んで地元とも一緒に盛りあげようという事にな

っているんでしょう。このプロジェクトに境港の商店街も関わっていて地元の顔がも

っと見えると安心して出資できるんですけどね。(自分はもう出資しましたけど)

そこがミュージックセキュリティーズの他のファンドと唯一違うところかな?

境港でも是非おみやげとして売って欲しいって話だったので現時点ではまだ水木しげ

るロードの店舗で販売するかどうかは調整中ってところはひっかかりましたけど。

境港でしか買えない商品なら境港にメリットがありそうですが、Web販売までされち

ゃうとどうなんでしょうね?

販売は5月〜6月頃になりそうという事なので、まずはどんな風な出足なのか見てみた

いと思います。

ちょっと疑問点も残るけど、新しい地域振興の形として成功して第二弾、第三弾と続

いて、いずれは妖怪ホテルを作れるくらいまで成長して、他の地域でも地域ファンド

構想が出てきてくれると嬉しいなというのが僕の想いです。

他にはイデアインターナショナルの橋本さんが話されていた日本の製品は機能を追い

求めていて感情に訴えかける部分に欠けるというのは、アップルファンとして日頃か

ら感じている部分で共感します。

物欲が暴発するくらい魅力的な製品を日本のメーカーにも作って欲しいなぁ。