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"いい投資"探検日誌 from 新所沢の過去ログ#1(2003年7月〜2012年3月までの記事)

モーニングスター決算説明会&パネルディスカッション

昨日茅場町で行われたモーニングスター社の決算説明会&パネルディスカッションに行ってきました。 決算説明およびパネルディスカッションの模様はUstreamでも中継され、アーカイブでも見ることができるようになっています。 朝倉さんによる決算発表も良かったのですが、内藤忍さん、竹川美奈子さんと3人でのパネルディスカッションは事前にTwitterで募集した質問に次から次へと回答していくお二人が頼もしかったです。 こちらもTwitter中継しましたのでそちらのログを。(細かい発言内容に違う点がありましたら僕のミスです。是非時間のある時に上記のライブ映像を見る事をおすすめします。) 決算発表の模様はこちらで見ることができます。こちらの朝倉さんのお話も投資家のためになる良い話なのでオススメ。 朝倉:このお二人ならレベルの高い人、初心者両方の方向けにうまく話せると思う。 朝倉:まず質問。20-30代サラリーマンにとって本当に投資は必要なんですか?よく聞かれるがほとんどは損した人だが、この人は毎月5万積立をしているので長期で元本でも3,000万円になる 竹川:必ずしも投資が必要ない人もいるが、今後給与が上がるとは限らないし、今よりもインフレ傾向になることも見込まれるので少しは投資をしておいた方が良いのではないか? 内藤:投資は社会に対してのサポーターとしての役割もあるのでした方がいいのではないか? 内藤:リスクをとらないリスク。人生は全てがある意味リスク。仕事をしているだけでもリスクがある。投資だけリスクを取らないのはバランスが悪いのではないか?日常生活のリスクを考えれば投資にもリスクをとってバランスをとっては? 朝倉:ホームカントリーバイアスは日本において寂しいながらない。これについてどう思うか?アセットアロケーションについて。 竹川:ベースになる部分は国内外の株と債券。これまでは外国株は先進国だけで良かったが今後は外国株にも新興国を含めた方が良いのではないか? 竹川:コアとしてインデックス投資100%でもいいが、応援したい企業とかもあるだろうからサテライトとして上限30%程度を含めても良いのではないか? 質問:これからは円資産を持つのもリスクではないか? 内藤:確かに円資産だけではリスク。リスクを考えてアセットアロケーションを組み立てるのが大事。 朝倉:ベン・グラハムは株:債券を50:50、バンガードの創設者ジョン・ボーグルは100-年齢と言っているがどうか? 内藤:リターンから考えるのではなくリスクから。投資を途中でやめる人は損して止めている。続けるためにはどのくらいマイナスになっても耐えられるリスク許容度を知って、それに触れないような資産配分に。 朝倉:リスク許容度はどうやって求める? 竹川:本にもかいたが家計のバランスシートを作って、お金の流れを調べる。給与所得などで補完できる程度の損失に留まるような配分がいいのではないか? 朝倉:長期・分散・低コストというがバフェットは集中投資。それについて。 内藤:バフェットは自分はいいが、普通の人にはインデックス投資をすすめている。アクティブ投資を否定しないが普通の人は負けないインデックス投資がいいのでは? 朝倉:アメリカではアクティブが人気あるが、日本のネットの世界ではインデックスに人気がある。竹川さんはインデックス派? 竹川:必ずしもインデックス派というわけではないが日本のインデックス投資環境が揃ってきたのでそういう意味であればインデックスファンドを選ぶのがいいのでは?と考えるようになった。 朝倉:モーニングスターでインデックスに勝っているアクティブファンドを選ぶのはどうか? 内藤:受けなければ60点くれる試験で投資家は80点とれると思ってアクティブに振舞うが、結果60点以下の人が多い。行動心理学としても検証されている。過去と未来の連続性もあるので選ぶのは難しい 竹川:毎月安定的に資金が流入するようなファンドがいいと思うが、なかなか無い。運用理念や投資哲学が大事。 竹川:目論見書が簡素化されるがファンドマネージャーの情報は是非入れて欲しい。 朝倉:日本は販売会社の力が強い。販売会社の売れそうな商品ばかりできている。この流れを変えていかないといけないのでは?どうしたらいいか? 内藤:その流れも悪いが店頭ではテーマ型が売れたりしている。それが売れなくなってくれば変わるのでは?ネット証券ではスマートインベスターの人が買っていて店頭とはちょっと違う。 竹川:投資家が変わると変わるのでは?投資家から成功事例が必要。日本にも独立系運用会社が出てきたりしているので運用、販売、投資家の3者にとって良い流れを。 朝倉:さわかみファンドが1999年にゼロからスタートした。2000年に野村日本戦略株ファンドは1兆円でスタートしたが、現在は野村が1200億円、さわかみが2400億円。 内藤:郵便局、銀行、証券会社どこから買うのが安心か一般の人に聞くと、郵便局ー銀行ー証券会社の順。ただ金融知識は証券会社ー銀行ー郵便局の順。証券会社は誤解されている 竹川:どこで買うか?というのが問題で、どの商品を買うのかが大事。若い人はネットで買うのがいいのではないか?FPに商品を選んでもらったとしても買うのはネット。現状では販売手数料を払うだけのコンサルティングがあればいいと思う。 内藤:FPに相談すると1時間1万円としても店頭で販売手数料を払うくらいならFPに相談してノーロードのファンドを買えば相談料はペイするのでは? 朝倉:現時点でのオススメファンド 内藤:インデックスファンドのメリットは少額から積立できること。海外ETFはコスト面で優位性がある。長期で運用するならETF.とりあえず始めるならインデックスファンド。 内藤:インデックスファンドのコストが高いという声もあるが、現時点で既に安くなってカツカツの状態。 竹川:少額でこつこつの人はインデックスファンド。金額がまとまって長期で投資できる人は海外ETF。 朝倉:金についてどう思うか? 内藤:個人では金は持っていない。コモディティは持っているだけでは価値が変わらない。収益の源泉が違う。貨幣に対する不信の際に金にお金が逃げる。またそういう事態になれば上がるが長期で投資する対象としては考えにくい。資産全体の1割以下。 竹川:金は個人的に好きだったのでETFがないときから積立していた。一部数%程度であれば持ってもいいのでは?これから買うのであればコモディティ全般へのETFの方がヘッジとして良いのでは? 内藤:インデックス投資+実物不動産投資の組み合わせで研究中。 竹川:サテライトの考え方。1.プラスアルファを狙う 2.分散効果 3.応援したい このうちどれかを意識するのが重要。 朝倉:新興国への投資についての考え方について 内藤:新興国への投資はしたほうがいいが、短期で設けようと考えない方がいい。時間分散して。配分比率は難しいがGDPで考える。マネックスの松本さんは10年後のGDP比率を考えろと言っている。 竹川:新興国株式はコアに入れてもいいと考えている。MSCIエマージングマーケットインデックスを1本持つ。サテライトはそこからの超過リターンとして個別の国を選ぶのはあり 竹川:年金基金が新興国投資の比率を増やしたいという思いを持っているようだ。しかもアクティブ。日本の比率が下がるのは悲しい。 竹川:新興国全体に投資するなら過去リターンからもインデックスがいいのではないか? 朝倉:投信会社のCSRってなんですか? 内藤:投資したい対象にアクセスする機会を提供するのが運用会社 内藤:運用会社は残高が積み上げるモデルなのでインベストバンクのような狩猟型に対して農耕型の会社。 内藤:相場が急落したときに臨時レポートを出して投資家にメッセージを出すなどコミュニケーションも大事。 竹川:運用報告書の読み方口座をやっているが、その表紙のメッセージを読むと社長の思いを書いていたり投資家向けメッセージのないファンドもあったりする。運用報告書を見るだけでも違う。 会場からの質問:竹川さんが某グローバルバランスファンドをすすめているが、退職者にとっても長期分散積立は王道なのか? 竹川:まとまった金額がある人は一気買いしても良いが2008年の時のような場合に下がって止めてしまう人もいるので、であれば時間分散はした方が安心できるのでは? 会場からの質問:どうしようもないファンドを買ってしまって運用会社に電話してもFMが出てこないし、販売会社を通じて説明会もしないし酷い。そういうのをモーニングスターが中立の立場を持って改善できないか? 朝倉:投資家の方に少しでも役立つ情報を提供したいと考えている。悪い時でも運用会社、販売会社が情報開示をしっかり行う必要がある。そういう時はモーニングスターが悪いコメントを出す。 まとめ:アセットアロケーションを組んで長期分散投資を低コストで。コアとサテライトを考える。