10月19日にミュージックセキュリティーズが設定・募集しているマイクロファイナンスファンド「カンボジア3」の説明会のまとめです。今回はLIPの理事でもあり、ミュージックセキュリティーズで実際にマイクロファイナンスファンドの組成にも関わっている杉山さんのお話。
日時
10月19日(火)19時〜21時
場所
新丸の内ビルディング10階・21cクラブ
講演者
NPO Living in Peace(LIP)の代表 愼 泰俊さん
LIPメンバー 長島 毅さん
ミュージックセキュリティーズ 杉山 章子さん
Ustアーカイブ
前半 http://www.ustream.tv/recorded/10294775
後半 http://www.ustream.tv/recorded/10295283
参考リンク
杉山さん
・マイクロファイナンスは大学在学中に知って、日本でもそういった事ができないかと考えていた。
・卒業後は国際開発銀行に勤めていたが、ミュージックセキュリティーズへ転職した。
・今は寝ても覚めてもマイクロファイナンスファンドの事を考えている。
・ミュージックセキュリティーズは2001年にミュージシャンをファンが支える仕組みとして誕生した
・その後、金融で応援する対象を広げて現在では11業種33ファンド
・自分がLIPとミュージックセキュリティーズ両方の立場を兼ねているのでわかりにくい点があるので改めて説明
・LIPの役割はマイクロファイナンスファンドの企画と調査
・ミュージックセキュリティーズは第二種金融機関としてファンドの組成、出資、契約締結、IRなどを行う
・マイクロファイナンスを行っているわけではない。海外のマイクロファイナンス機関へ出資を行う。
・カンボジアや途上国のマイクロファイナンス機関の資金調達のお手伝いを行っている。
・寄付ではなく、投資で行うことでビジネスとして関わることになり、持続的に関わりを持つことが出来る。
・よく聞くマイクロファイナンスへの批判として最貧困層を救うことができるのか?というのがあるが、最貧困層を救うためにはたくさんの資金が必要。ただ、税金や援助のお金には限りがあるのも事実。
・マイクロファイナンスのように現地でビジネスとしてまわるお金に税金などのお金を使わず個人の出資でまかなう事で、乳幼児支援などのような福祉性の高いところへ税金などをまわすことができるようになるのでは。また、事業が育てば雇用も生まれる。
・これが寄付ではなく投資の意義
国の支援や寄付との違い
官・返ってこない :無償資金協力
官・返ってくる :円借款
民・返ってこない :寄付
民・返ってくる :マイクロファイナンスファンド
・民間の資金で返ってくるのがマイクロファイナンスファンド。
・昨年組成したファンドは500人から4,000万円が集まった。
・投資家アンケートで投資した理由を聞くと圧倒的に多いのが「マイクロファイナンスに共感」、続いて「自立を支援」。
・このアンケート結果から、寄付ではなく投資を行うところに共感を得ている。
・逆に利益が出そうだからという人も少ない。金銭的なリターンを求めていない人が多い。
・投資者属性では圧倒的に男性が多い。今日のセミナーでは女性が多いが。
・年齢層では30代が多い。ミュージックセキュリティーズのファンド全体としては20代が多い。
カンボジア3について
・カンボジアのセイラニティというマイクロファイナンス機関(MFI)
・カンボジアにあるマイクロファイナンス機関は 登録したものが22、登録NGOのものが26、登録していないNGOのものが60ある。
・セイラニティはライセンスを保有するMFIの中では中位に位置する。
・LIPではできるだけ小さなMFIへ出資したい。
・ファンドの組成ができるギリギリのところがサミックやセイラニティ
・一人当たりローン金額は 5〜6万円程度
セイラニティについて
・国際NGOのケア・インターナショナルのプログラムとして結成された
・現地化がうまくすすみ、NGOから事業を継承して今のセイラニティがある
・フィリピンの大手MFIであるCARD MRIが支援を行っている。
・支店数は23
・支店のローン残高やローンサイズの小ささ、延滞率などを見てチャンカールー支店を選んだ
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