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"いい投資"探検日誌 from 新所沢の過去ログ#1(2003年7月〜2012年3月までの記事)

マイクロファイナンスファンド「カンボジア3」説明会(3)

10月19日にミュージックセキュリティーズが設定・募集しているマイクロファイナンスファンドカンボジア3」の説明会のまとめです。今回は実際に現地に行って調査してきたLIPメンバーの長島さんのお話。

日時

 10月19日(火)19時〜21時

場所

 新丸の内ビルディング10階・21cクラブ

講演者

 NPO Living in Peace(LIP)の代表 愼 泰俊さん

 LIPメンバー 長島 毅さん

 ミュージックセキュリティーズ 杉山 章子さん

Ustアーカイブ

 前半 http://www.ustream.tv/recorded/10294775

 後半 http://www.ustream.tv/recorded/10295283

参考リンク

 マイクロファイナンスファンド カンボジア3

 Living in Peace

 セキュリテ

 マイクロファイナンスとは(Living in Peace)

 マイクロファイナンスファンドとは(Living in Peace)

長島さん

セイラニティの財務状況

詳細はこちら

顧客数は10,000人 一人当たり6万円程の貸付

増収増益が続いている

最終利益が10% 販管費率50%(貸出30%調達10-15%)

貸出が減ったり、貸し倒れがひどくならない限り

自己資本比率20%と安全域

PAR30という指標がある。マイクロファイナンスでよく参照される数字で貸出残高に占める延滞率。5%未満なら安全と言われている。

セイラニティ現在5%くらい

ここ一年間収益が落ち着いた 創業的な伸びから世界的な不況

観光業があるので一部経済が停滞した

去年の冬の終わりくらいまで

セイラニティ チャンカールー支店について

・支店に4泊6日でスタッフの方と一緒に過ごした

・支店の中にみんな泊まっている雑魚寝 ふとんはいらない

監査法人勤務の目から見て、オペレーションは相応に整備・運用されている

・田舎なのでざっくばらんにやっているのかと思ったら一生懸命やっていた

・チャンカールーについて 道の周りにちょっと商店がある農村

・水牛の上に子供がいたり、畑があったり、街には活気を感じた 6時くらいから人がいる イキイキしている

・ほとんどが木で作られた家

・主産業は農業でインフラは脆弱

チャンカールーについて

 人口 61,380人

 世帯数 12,276戸

 年間世帯収入の平均 400-500USD

 面積 5,000平方km

 水の供給のある世帯数 100戸(8%)

 電気の供給のある世帯数 3,683戸(30%)

 電気を使える世帯数 8,593戸(70%)

 農地比率 85%(米作25%)

支店について

 ・お客さんが入りやすいように建物の間口を広くしている

 ・4人のフロント

オペレーションチェック

日本での内部統制チェックと同様のオペレーションチェックを行ったが、押さえるところを押さえてるといった印象。

チェック項目

 トップの認識:CEOと話したが、しっかりしている

 規定文章化:田舎の企業でしっかりやっているのはスゴいこと

 外部コンサル:外部のコンサルも入れている

 システム導入:決して安くないシステムを導入している

従業員の認識

 四半期毎の内部監査や、毎月の業務管理がしっかり行われているのでちゃんとやらない事への恐れがある。

 早朝から深夜まで、昼間は外に出ているが、ベトナムの田舎で内部統制を順守しようとしている

 文章管理もしっかり

チェック方法

 ヒアリングと規定閲覧 理解しているか?

 運用テスト 4日分本当にやっているかチェック

チェック対象

 貸出サイクル

 現金管理サイクル

顧客へのアクセス

 地域調査

 地方自治機関とのコーディネーション

 潜在顧客との面会

 ローン申し込み受付

 COI審査

 支店長審査

 各種契約の締結

 ローン実行

借り手の返済能力を見積もってその範囲内で貸出。

金管理もチェックした。

スタッフの生活

5:30に起きるとみんな起きていた。

朝は3軒となりの食堂でしっかり食べて

7:30〜17:30までが営業時間だが、基本的に外を廻っている

新規顧客開拓もあるが、基本は既存顧客のモニタリング

例えばカシューナッツを育てようとしている人がいると聞くと、カシューナッツはどうなのかセイラニティの人は答えることができる。それはいつも借り手と交流しているから。

ランチは支店に戻ってきてもしっかり食べる。

行く前はガイドの人から生野菜やフルーツは危ないと言われていたので遠慮しようと思ったが、現地に行くと断れないという事がわかって開き直ってモリモリ食べて太って帰ったくらい。

4:30くらいに帰ってきてご飯を食べた後も仕事をしている。

オペレーションの資料を作ったり。

夜は丸くなって話している。

あの家のカシューナッツは何故おいしいか?など。ナレッジ。

12時くらいまでワイワイしてる。

まとめ

すごく頑張っている。

朝は5:30から深夜まで。しかも泊まりこみ。

支店長にインタビューをとった。

自分が成功することはセイラニティの成功

セイラニティの成功はカンボジアの貧しい人の成功

カンボジアの為

自分の家族のため

クライアントの家の井戸

出る水は茶色いのでなんとかしたい

25-35までの6人が住んでいる

家族や自分の学費に使っているので荷物が少ない

純粋なモチベーション×徹底した努力が強み

日本に帰ってカンボジアの話をすると行ったら、それは仕事でか?と聞かれた。仕事の後や休みにだよと答えると、「こんなカンボジアの貧乏なところの話をわざわざ休みの日に聞きに来てくれるなんて日本人はよっぽどやさしいんだな。ありがとうと言ってくれ。」と言われた。

マイクロファイナンスフォーラムを11/28日に開催。その時に支店長が来日することになっている。

是非その日には多くの人に来て欲しい。

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