昨日、鎌倉投信本社で行われた結い2101運用状況説明会に行って来ました。
冒頭に発表された特別ニュースについては既にブログ記事としてエントリーしましたので、その後の事について。
10月末時点での上位組み入れ銘柄の説明
※一部誤りがありましたので修正しました(11/19)
KOA:
長野県伊那市にある抵抗器製作の会社
世界トップクラスのシェア
ステークホルダーは「地球」という会社
マニー:
手術用器具製作
海外での売上は約70%だが円建て取引が多いので、円高の影響を受けにくい
欧州とも円建で取引できるのはそれだけ商品力があるという事
小林製薬:
アイデア商品を次々と生み出している
エフピコ:
障碍者雇用に力をいれている
世界中の気象予報を行っている会社
過労による自殺者が出たと遺族から訴えを起こされている
「人」を大事にする会社という事で投資したので状況を確認中
ユーシン精機:
プラスチック加工の際のロボット製作
海外での売上比率約60%
円高の中、決算数字は予想を上回った
ツムラ:
漢方薬の材料の生薬を中国からの輸入に頼っているので北海道の夕張に農場を作る計画
障碍者雇用に力を入れている
夕張の農場でも雇用する予定
投資先企業から二社の取り組みを紹介
トビムシ(アミタホールディングスの子会社)
結い2101が投資しているアミタホールディングスの子会社トビムシが手がけている。
アミタホールディングスは循環型社会創造事業を行っている。
森の権利を取りまとめて効率的に森に手を入れられるようにした。
日本の森は戦後に植林された木が多くを占めている。
本来間伐して太い木に育てる必要があるが、間伐にもコストがかかるので多くは放って置かれているため、密集した暗い森に。
共有の森ファンドを通じて一般投資家から資金を調達し、森林事業用機械を購入し、価値ある木材を育てる事業を行っている。
先日西粟倉村へスタディツアーで行ってきた。
以前と比べてだんだん取り組みが形になってきたのを感じた。
間伐用機械もとても高性能で一本の木を数分で枝を払い、5mの長さに切ってしまう。
樹齢50年直径30cm、5mの木材が一体いくらで売られるか?
答えは400円。
それでも海外から安い木材が入ってきて厳しいので、トビムシでは需要の掘り起こしと生産、販売まで製販一体で取り組んでいる。
また、新しい取り組みとしてワリバシカンパニー。
間伐材を割り箸にすることで森に捨てられている間伐材がお金に変わる。
また、割り箸を回収してオガコにすることで畜産農家に良質のオガコを提供。
オガコからは堆肥をつくり、それを使った畑で野菜を作るという循環を産み出そうとしている。
坂本龍一が立ち上げたmoreTreesという植林NPOからも認証を取った。
植林だけしてもダメで、環境のためには適切に木を使う事が必要。
大手飲食チェーンなどへ国産間伐材割り箸を使うように働きかけている。
プラスチック箸は煮沸が必要だったりで環境への負荷が高い。
一膳2.5円を考えているが、中国産の割り箸の価格1.5円との1円の差を埋めるべく広告を入れたり方法を検討中。
食品トレイの会社でROEは12%ととても高い。
その秘密は障碍者の積極的な雇用。
エフピコの食品トレイは日本で34%のシェア。
そしてエフピコの食品トレイのリサイクル率は50%。
日本の食品トレイリサイクル率は14%。
すると・・・ほぼ日本の食品トレイリサイクル=エフピコの食品トレイリサイクルという事になる。
そうすると健常者よりも安い賃金で、障碍者にとっては施設で働くよりも全然いい給与水準で働くことができる。
特定子会社が担当しているが、そこの社長はもともと障碍者の学校の先生。
就職の斡旋をお願いしているときにエフピコの会長から、それなら自分でやるといいと言われて会社を。
現在の障碍者雇用率は8.49%。
いずれユニクロのファーストリテイリングを抜いて日本一になるのでは?
結い2101の運用状況について
直近では株式組み入れ比率は60%くらい。
基準価額は下がっているが、組み入れ先会社の配当+内部留保から求めた企業価値は7%増加している。
現在は企業の価値が株価に反映されていない状況。
いずれ株価も価値に収斂すると考えている。
小型株の多いポートフォリオだが現金を20〜30%もったり、ボラティリティの高い会社は持分を調整したりしてリスクは10%程度に抑えつつもリターンは年率4〜5%を目指す。株と債券の間のイメージ。
投資先会社の株価については毎日リスク管理のプロがチェックしている。
来年にはホームページをリニューアルして投資先会社の取り組みをわかりやすく紹介できるようにしたい。
結い2101単独のページにするかどうかは検討中。
日本の会社でも海外での売上比率が高い会社もあって、日本の会社、海外の会社という括りはあまり意味が無くなっている。
日本の会社に投資していても世界での事業に投資することができる。
そういうのをわかりやすく紹介したい。
感想:
投資先の会社にそれぞれ特色があって本当にいい会社を選び抜いているなと感じました。
ウェザーニュースのように問題があるかもしれない企業についても動向をしっかり確認して保有し続けるかどうか検討するという事でした。
基本的に全ての会社に均等に投資する事を目指しているので組み入れ順位は月末の株価の状況によって変わります。
あまり上がりすぎた株はポジション調整のために売ることはあっても、全て売って利食いするような事はありません。
売り切るときはいい会社ではないと判断するような事態が起きた時です。
小林製薬は個人的に投資していることもあり、結い2101に組み入れられたのは嬉しいです。
他にも西粟倉村での取り組みについてはミュージックセキュリティーズが募集している共有の森ファンド、ワリバシファンドのいずれも出資している事から、鎌倉投信でも応援しているというのを知ったときは本当に嬉しかったです。
ワリバシカンパニーについては受益者総会で存在を知って設立説明会にも行ってきましたし。
本当は西粟倉村へのスタディツアーにも行きたかったんですけど。
当然投信なのでリターンについても言及があるんですが、あくまでも主役は投資先の会社の紹介。
こんなほのぼのとした投信は初めてです。
そうは言っても、ちゃんとファンドのリスクやリターンの目標は設定していていい会社に投資しているから損してもいいなんて考えてません。
いい会社に長期に渡ってしっかり資金を入れることで本業に専念してもらって結果として業績も上がって株価も上がるそういう良いサイクルを生み出そうとしています。
受益者総会の打ち上げの席で証券会社の人にそんなキレイごとができるの?って言われたと話されてましたが、しっかり業績もいい、それでいて事業内容もいい会社に投資しているのでキレイごとが見事に花咲く事を願ってます。
結い2101の運用状況説明会はまだまだ予定されています。
地方でも開催が予定されていますので、お近くの方はぜひ参加を。
鎌倉
11月23日(祝・火)
12月23日(祝・木)
札幌
11月23日(祝・火)
福岡
12月11日(土)
広島
12月12日(日)