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"いい投資"探検日誌 from 新所沢の過去ログ#1(2003年7月〜2012年3月までの記事)

池内タオルの『風で織るタオルファンド』に出資しました

愛媛県今治市にある池内タオル。 ここではタオル製造に必要な電力をすべて風力発電で賄った『風で織るタオル』を製造しています。

また、タオルの原料はオーガニックコットンを利用しています。 自分は鎌倉投信の受益者総会でのパネルディスカッション(→詳細はこちら)で池内タオルを知ったのですが、そこで初めてオーガニックコットンってそういう事だったんだと興味を持ちました。

今回、コットンヌーボーという新しい試みも応援したいと思い、1口5万円出資しました。

『風で織るタオルファンド』 綿製品は世界中で使われていますが、綿花の生産現場では過酷な条件での労働のもと、生産がされています。 インドでは農地の5%しか占めない綿花が全農薬の50%を使用、文字が読めない農家の人が取扱説明書を読めず、適切な防護体制をとらずに農薬散布をしたりしています。

また、綿花の刈り取りの際、機械で刈り取るために白い綿に葉や茎の緑が移らないよう枯葉剤を散布、枯らしてから収穫を行っています。

今回、新たなオーガニックコットンの産地としてタンザニアで3年間有機栽培を続け、晴れてオーガニックコットンと認定された畑から採れたコットンを使って、その年の綿花の風合いを生かしたタオルを作り、ワインのように毎年のコットンの違いを楽しむ『コットンヌーボー』を作り上げることなりました。

池内タオルでは2003年に民事再生法の申請を行い、2007年に民事再生手続きを終えたとはいえ、銀行との取引が難しく、資金的な余裕のない中で、高価なオーガニックコットンを仕入れてタオルにするのは簡単な事ではありません。

そんな中、コットンヌーボーに共感する個人から少しずつ資金を集め、コットンヌーボーの考え方を広めようという試みです。

■事業内容  原材料であるタンザニア産のオーガニックコットンを購入し、コットンヌーボータオルの生産・販売を行います。

■出資募集金額  550万円(110口)

■最低出資金額  一口5万円 最大10口(50万円)まで

池内タオルの池内社長の2007年の環境gooでのインタビュー記事はこちら

12月1日に行われたセキュリテ☆ナイトでの池内タオル 池内社長のお話です。

(0:29:30〜1:03:00) ====

池内タオルについて

池内タオルは今治のタオル会社。 日本製タオルの65%くらいは今治産で、残りの35%が大阪やその他地域。 東京にも1社ありますが、基本的には今治と大阪で作られている。 ただ、日本はタオルの輸入比率が80%になろうとしている状況で、タオルが100枚あると15枚が今治、5枚が大阪、残りの80枚は中国産という現状。

デパートで売られているタオルの手で触れる部分は日本製がそこそこある。 同じデザインでよく売られているタオルは中国製。 知らず知らず中国製のタオルを使っているのでは。 我々も以前はそうだったが、日本で作っているタオルはほとんどデザイナーズライセンスのもの。

池内タオルもフェンディ、ラルフローレンなどかつては30ブランドくらいのOEM生産をしていた。デパートのタオルハンカチ売り場の50%〜30%は我々が作ったタオルだった。

1999年にしまなみ街道ができて、そこそこ観光客が今治に来るのでは?という事で物産館向けに今治のおみやげとしてタオルを売ろうとした。 池内タオルを買い戻そうとしたが、ライセンス販売したものは買い戻すことができないものが多かった FENDIのシルクのシリーズがいいものだったが、愛媛では松山三越のみ取り扱いだったので物産館では売れなかった。

また、作り手からするとブランドは有名だが、池内らしくはないという事で作ったのがIKTという自社ブランド。今治で売るためだけのブランド。 売れるといっても大したことはないので作り手の夢と理想でつくったのがIKT。

お客様には最大限の安全と我々には最小限の環境負荷というのがコンセプト。 安全に対する考え方は年々上がったので今日現在でできることのベストをやっている。 2002年1月1日から池内タオル株式会社の電力をすべて風力発電に変えた。

グリーンパワーに対する考えはあったが、地球温暖化はそんなにうるさい時代ではなかった。それでも環境負荷を考えてやった。 世界で最もピュアなタオルをつくろうという夢だけでやった。 最初から売るつもりがなかったのでハードルはすごく高い。

1999年12月からビッグサイトでの展示会へ出展、その後はロサンゼルスでも展示会を開催。年3回ずつ行っている。 資金的に余裕があった時代なのでできた。

エコプロダクト賞は現在では関東一円の小学校、中学校の遠足場所になっているが、当時はエコマニアが来ていた。 そこでエコマニアにいろいろ言われた事で、よりハードルが高くなった。

最初は池内タオルがどんなに綺麗事を言っても、日本で一番汚い電気を使っていると言われた。 そこで、2000年からグリーンファームへ変えた。 IKTは全く有名でなく、今治の物産館、自社、インターネットでの販売のみだった。

しかし、アメリカでは結構評価されて、西海岸を中心に売られていた。 展示会でロサンゼルスに拠点をおくよりも、サンフランシスコやニューヨークにおかないと本当の顧客はつかないと言われてNYへ展示会を移した。 NYのホームテキスタイルショー2002春でニューベストアワードを取った。 アメリカの展示会はトレードショーなので、初日に賞をとったのは入口に飾られる。 それで無名の小さなメーカーでもバイヤーが池内タオルを知ってくれた。

そこで、アメリカNO1インテリアブランドが取り扱いをしてくれ、2002年のクリスマスシーズンから売ることに。 それを聞きつけた伊勢丹新宿店やロフトも展開しましょうという事になり、2003年春に東京へ進出。

小泉元首相の2003年1月31日の施政方針演説で、がんばるというのがテーマで話されたが、その中でこんな小さな会社でも頑張っていると紹介された。そこでは会社名は出なかったが、すぐに池内タオルだと知られるようになった。

その後、ニュースステーションで「風で織るタオル」として紹介された。 いつの間にか「風で織るタオル」と愛称がついてそのブランド名にした。

グリーン電力について

池内タオルでは40万Kwを買っていた。 グリーン電力を買いますというと、電力会社が買取る必要があるが、その価格は1Kw8円だった。 ただ、実際には発電すると最低コストは11円かかっている。 そこを誰かが補填する必要がある。 風力発電は町おこしなどで作っていることが多かったが、これは完璧にビジネスでやっていること。

グリーン電力証明を手数料を含めて1Kw4円のプレミアムを付けて買っている。 バスタオル1枚で473g分のCO2発生を抑える事が出来る計算。

オーガニックコットン

池内タオルでは、オーガニックコットンだから環境にやさしいとはうたっていない。 最初に買ったタオルがより長く使える事が環境にやさしいすべてのスタート。 そのタオルがオーガニックコットンだったら、原材料をひっくるめてもやさしい。

自分たちが受け持っているところの環境負荷を抑えることに全力を尽くしている。 オーガニックコットンだから環境にやさしいというタオル会社はたくさんあるが間違っていると言っている。 作りにくいのに、作っているお百姓さんと、高いのに買うお客さんが環境にやさしい。

中に入っているタオル製造業者は環境を商売にしているだけで地球にやさしいわけではない。 今日現在我々がつくっているものの90%がオーガニックコットン。 私たちは最初からEU基準のオーガニックコットンを使っている。 日本の基準とEU基準では少し違いがある。

日本の基準では、オーガニックの綿花を使えばいいが、EU基準になると綿花だけでなく、指定の紡績工場が指定の畑の綿花を使うと認定される。 そして、認定は紡績工場が取得することになる。 EU基準じゃない紡績工場の場合、オーガニックではないコットンも混ぜてる紡績工場がある。

1999年に池内タオルは非常に激しいメッセージを出した。 『嘘をつかないオーガニック』 『大地の恵みコットンに枯葉剤を使うべきでない』 枯葉剤って何?と皆さん思うかもしれないが、コットンは白い綿ができるが、通常は機械で刈取る。

その際、葉っぱや茎から緑の汁で汚れるので、枯葉剤を撒いて枯らしてから機械で刈取る。そうすると白いままのコットンが刈り取れる。 オーガニックでないコットンの場合、間違いなく枯葉剤を使っている。 オーガニックコットンの定義

・3年以上の有機栽培

・遺伝子操作をしていない種子(90%以上が遺伝子操作されている)

・フェアトレードである

コットンは唯一の食べない野菜なので、野菜でやってはいけないことは全部やってる。また、毎年種子を買わないといけない過酷なもの。 オーガニックだと種子を作れるので種子を毎年買わずにすむ。 全世界の0.7%がオーガニックコットン

製造工程について

原糸加工製造工程をオゾンで漂白するので、常温でできる。 通常は過酸化水素を炊いてやるので重油が必要。 染色工場は石槌山系のバージンウォーター(地下水)を使っている。

排水処理施設は世界トップクラスのもので、排水を瀬戸内海に返している。 瀬戸内海は世界一厳しい排水基準で排水工場は作らせないつもりの基準。その中で排水工場を作るとなると必然的に世界トップクラスの施設になる。

四国の短くてきれいな川(30〜40ppm)よりも排水処理場から流れ出る水(12ppm)の方がきれい。

エコテックス

お客さんにとってはどこまで安全かは非常に重要なこと。 池内タオルでは全てエコテックスの安全基準を通している 乳幼児が口に含んでも大丈夫なレベル

エコテックスはスイスの安全基準 +4 絨毯など 部屋に入れても大丈夫 +3 着ても大丈夫 オンワードの一部商品 +2 肌につけても大丈夫 ワコールの下着の一部 +1 

乳幼児の口に含んでも大丈夫 池内タオルのタオル エコテックスではタオルだけではなくネームタグや刺繍、ミシン糸まですべてのものを評価する。

コットンヌーボー

テーマはつながり 糸はタンザニアから持ってくる 池内タオルではオーガニックコットンを1999年ペルーで始めた。 その後アメリカ、インドと展開し、現在では70%がインド。 スイスの会社が新しいプロジェクトでタンザニアを始め、それをなんとか日本に持ってきたいと思っていたが、みんなが拒絶していた。

池内タオルには「池内が使うはずはないと思っていた」ため、最後まで持ってこなかった。 他所がやらないことをやるのが大好きなので、さえよければやろうという事に。

最初につくった原型のタオル。 ボリューム感のある糸。それはしなやかでないという事。 でも、それはしなやかな感じにしてあげればいい。 仕様を変えてつむいでもらっている。

タンザニアのキリマンジャロの麓で作られた綿花。 キリマンジャロといえば、コーヒーが日本では有名だが、その麓で作られている。 フェアトレードをやっているので、井戸も掘って水を確保した。 その地域の女性は一日中水を汲みに行っていたが、井戸を掘って水を汲みに行かなくても良くなり、紡績工場で働くこともできるようになった。

その糸を生かしたタオルを作ることでいいものになる。 2011年4月発売予定。 昨日夜遅くに写真が送られてきた。 来週くらいには港に運ばれて日本向けの船に乗るのでは?

【ファンド概要】風で織るタオルファンド

■募集期間
 第1次募集 2010年11月30日〜2010年12月31日
 第2次募集 2011年1月1日〜2011年3月24日

■出資者特典
 (1) 出資者皆さまに、出資者限定オリジナルスポーツタオル(1枚/口)をプレゼント
 (2) 出資口数に応じて、IKT SHOPPINGご利用時の割引サービスをプレゼント    -
  2〜5口:5%オフ    - 6〜9口:10%オフ    - 10口以上:15%オフ
  さらに、2010年12月31日までにお申込いただいた皆さまに、5%オフ!
 (3) 一般販売に先駆けて、コットンヌーボータオルの優先販売を実施
 (4) 工場見学ツアーやセミナーに優先ご招待

■会計期間  2011年2月1日以降で、営業者の会計帳簿上に初めて本件タオルの売上計上がなされた日より1年間

■取り扱い手数料  取扱手数料:出資金額の5.25%(税込)  運営手数料:出資金額の2.1%/年(税込)  監査手数料:105,000円(税込み)

■分配シミュレーション  売上金額 源泉徴収後想定利回り  200万円 -67.27%  400万円 -34.55%  600万円 -1.82%  611万円 0%  800万円 0.69%  1,000万円 1.42%  1,800万円 4.32%  

分配シミュレーションを見てわかるとおり、利回りを求めるファンドではありません。 ファンドの主旨に共感した個人からの応援の気持ちを集めるファンドです。