岡本和久さんの『賢い芸人が焼き肉屋を始める理由』を読み終えました。
日本人に根強くある「投資」への不信感をもともとは金利を受け取ることを禁じていたイスラム教が独特の金融観を持つことでイスラム金融を生み出し、世界中へ投資をしているのにヒントを得て日本人向きの金融観を提唱しています。
・種を撒く重要性を知っている
・「おかげさま」を大事にする
・「和」を尊ぶことができる
・「知足」を知っている
・「永代」の時間感覚がある
・「もったいない精神」がある
これが、和風投資の特徴です。
今まで投資を避けてきた人にとっては「投資ってこんな事だったっけ?」という様なキーワードが並んでいます。
でも、それぞれの理由を読んでいくと、なるほど確かに日本人にはそういう感覚があるねという事に気づきます。
じゃあ、普通のサラリーマンがする和風投資ってのはどんなものか?という事で、毎月定額をコツコツと積み立てていくコツコツ投資を推奨しています。
株式:債券比率は100−年齢を株式に、残りを債券にしてできれば純資産額の大きいインデックスファンドでというシンプルなもの。
投資未経験者に最初の一歩を踏み出すためのアドバイスという事で、簡単に実現できるシンプルな考え方です。
モデルポートフォリオも紹介されていますが、難しいと感じたらバランスファンドを選ぶことも選択肢に含めています。
また、コストが安いファンドをただ選ぶというよりも、最初に投資を始めやすいだろう銀行でも取り扱いがありそうな投信を例としてあげています。
やっぱり投資に抵抗があった人が、和風投資に納得したからといっていきなり証券会社に口座を開くというのは心理的な抵抗が高いはず。
そのあたりもしっかり考えられています。
終章では人生の目的は「しあわせ持ち」になることとして、6つの富を紹介しています。
・金融資産
・健康
・家族
・友人
・趣味
・社会貢献
この6つのバランスがとれた人生はきっと幸せな人生だと思います。
金融資産だけ増やそうとしても、幸せにはなれません。
もっと他のことも大事にしながら資産形成を図っていきましょうというメッセージを受け取りました。
知足の考え方はインデックス投資をする上で自分も意識しています。
和風ではなくなりますが、老荘思想なんかもインデックス投資と相性いいですよね。
欧米型の投資観とは違った姿を見られて面白かったです。