【目論見書・運用報告書を読む】ハイブリッド・セレクション
目論見書・運用報告書を読むシリーズ第三回目はDIAMアセットマネジメントのハイブリッド・セレクションです。
旗艦ファンドではないので地味な存在ですが、運用成績はこちらの方がいい上に低コストなファンドです。
ネット証券を中心にノーロードで買い付けできるのも特徴。
参考資料はこちらです。
交付目論見書
第13期運用報告書
月次運用レポート
目論見書、運用報告書を読むにあたり、竹川美奈子さんが提唱するP-CCAP(ピーキャップ)の法則を利用します。
・Policy(運用ポリシー)
・Cost(手数料)
・going-Concern(継続性)
・Asset(純資産総額)
・Performance(運用実績)
1.運用ポリシー(Policy)
相場局面に応じてバリューとグロースの比率を変更し、どんな局面でもキャピタルゲインを狙う運用をします。
運用プロセスはこのようになります。銘柄選択の他に景気動向などを分析してバリュー/グロース比率を決定するプロセスが入ります。
ファンドはハイブリッド・セレクションマザーファンドに投資し、マザーファンドの株式の組入れ比率は概ね60%以上で弾力的に調整します。
また、同一銘柄の株式への投資は最大で純資産総額の10%までとしています。
上位の組入れ銘柄を見ると、よく見る大型株がずらっと並んでいる他に新興株も見受けられます。
運用報告書によると第13期終了時点で80銘柄に投資していました。
新規組入は日本ケミコン、ヤマトHD、オリエンタルランド、ヤマダ電機などです。
ちなみに東京電力にも1.1億円程投資していました。
2.手数料(Cost)
購入時手数料:
最大3.15%(税抜3.0%)
取扱販売会社によって手数料は0%〜3.15%まで異なります。(販売会社一覧)
信託報酬:
信託報酬はアクティブファンドとしては安い部類に入ります。
信託財産留保額:
0.3%
実質コスト:
1万口当たりコスト【131円】÷平均基準価額【9794.5】=約1.337%
回転率が1.19という事で、売買手数料がそれなりにかかっているのがわかります。
3.継続性(going-Concern)
信託期限:
無期限
信託期間の終了条件:
当ファンドは受益権の口数が当初設定にかかる受益権総口数の10分の1を下回る場合、または受益者のため有利と認められる場合、その他やむ得ない事情がある場合等、当初定められていた信託期間の途中でも 信託を終了(繰上償還)させる場合があります。
目論見書にはこのように書かれていますが、設定にかかる受益権総口数が何口だったかは記載されていませんでした。
設定日:
1998年2月18日
運用開始から13年の歴史があります。
なお、マザーファンドにはハイブリッド・セレクションの他にみずほ日本株アクティブ・オープン、日本株ロングショートストラテジー私募ファンド(適格機関投資家向け)も投資しています。
4.純資産総額(Asset)
5.運用実績(Performance)
純資産額:
78億91百万円 (2011年2月17日現在)
運用成績:
TOPIXと比較して値動きの幅が広い(リスクが大きい)のがわかります。
また、設定来ではTOPIXを大きくアウトパフォームしています。
残念ながら運用成績は良いものの、第13期は解約が超過しました。
その他
運用報告書の表紙の言葉:
残念ながらお決まりの文句だけが書かれています。
もう少し受益者へメッセージを発するような運用報告書を希望します。
【関連HP】
DIAMアセットマネジメント
ハイブリッド・セレクション