Site.M from 新所沢

"いい投資"探検日誌 from 新所沢の過去ログ#1(2003年7月〜2012年3月までの記事)

ユニオン投信交流会に参加しました(2)

ユニオン投信交流会(1)の続きです。 続いてはファンドマネージャー坂爪さんからのユニオンファンドの特徴と長期投資の考え方の説明でした。 30年以上運用に携わってきたベテランファンドマネージャーからお話が聞けるという事で楽しみにしていました。 ユニオンファンドが目指す運用 ユニオンファンドの目論見書の最初にはこの3項目が書かれています。
  • 世界中の株式に特化します
  • 世界中の株式時価総額比率を基準に投資します
  • 現金比率を増減させます
この中でも現金比率を増減させるというのが、ユニオンファンドが他の多くの投資信託と比較して異なる点です。 多くの投資信託では現金はできるだけ残さず投資対象にほぼ全額投資しますが、ユニオンファンドの場合は相場に過熱感がある場合は現金比率を上げて暴落から守る運用を行います。 また、年率6%の運用を目指していて、その根拠となるのが  毎月2万円を30年間積み立てると元本は約700万円  それを年利6%で複利運用すると約2,000万円になる  2,000万を年率6%で運用し続けると毎月10万円ずつ20年間取り崩せる 毎月年金の他に10万円あればきっと生活に役立つだろうと、そんな想いが詰まったファンドなんです。 年率リターン6%に挑戦するには債券では無理で、日本株だけでも無理があるため、成長の余地が高い新興国をできるだけ高く、海外株式比率を高めにした運用をしています。 ユニオンファンドの地域配分 投資対象の地域配分に関してはIMFの名目GDPシェア予測(2015年)をベースにアクセントをつけて決定しています。 これに先立って、地域別名目GDPと株価のグラフを見せて頂き、両者が概ね連動していることがわかりました。 もちろん株価は短期的には揺れ動くのですが、長期的に見ると世界の名目GDPの成長に連動して成長を続けるという考え方が根本にあると思います。 そのため、ユニオンファンドの過去の投資行動を見ると相場が割安になった下げに対しては毅然と買い向かう姿勢が見られます。 逆に過熱感が感じられる際は現金比率を上昇させて株価下落のショックを和らげようとします。 目標投資比率  日 本:16%   身近で精通した市場という事でIMFの2015年名目GDPシェア予測(7%)に+9%  欧 米:38%   成熟した低成長市場という事でIMFの2015年名目GDPシェア予測(47%)に-9%  新興国:46%   高成長が期待できるという事でIMFの2015年名目GDPシェア予測(46%)と同じ また、ユニオンファンドの投資対象国にはMSCIエマージングに分類されている企業だけではなく、更に市場規模の小さなMSCIフロンティアマーケットに分類されている国の企業や、そもそもMSCIの分類に含まれていない国の企業まで含まれます。 月次報告書の11ページ目を読むと、国別構成比の14位にフロンティアマーケット所属のウクライナ、16位にはMSCIでは分類されていないマリが登場していることを確認できます。 ユニオンファンドの運用対象国はMSCIフロンティアマーケットまでをも含むため、MSCI AC WORLD INDEXですら取りこぼしが発生するという事で、ユニオン投信独自にフロンティアマーケットを含む擬似インデックスを作成し、ユニオンファンドの運用と比較しているという資料も見せて頂きました。 ユニオンファンド設定来(2008年10月22日)ではMSCIフロンティアマーケットがいまだ-40%と、TOPIX(-約8%)どころではない低迷をしている事にも驚きましたが、それぞれのファンドの運用状況のみならず、ファンド全体の値動きについても独自ベンチマークを作って比較するなど、とても丁寧に調査を行っている印象を持ちました。 組入ファンドの報告書を元に組入銘柄の値動きを確認したり、ファンド担当者と面談をしたりすることで運用哲学と実際の運用にブレが生じていないかを確認したりする他、相場の過熱感(PERを参考に)による現金比率の調整や各ファンド組入比率の調整を行っています。 ユニオンファンドの投資先 ユニオンファンドで選んでいるファンドの共通点としては以下の三点を挙げられていました。 さわかみファンドについては輸出企業の比率が高く、金融や不動産といった内需型企業の組入が低い運用をしているファンドを求めており、それに合致したのがさわかみファンドだったという事でした。 また、エマージング・マーケットのインデックスに関して資源と金融という経営の力ではどうすることもできない業種の比率が高すぎるという問題点についてのお話などもありました。 月次レポートでも各ファンド毎にインデックスと比較しての成績や、基準価額における各ファンド毎の寄与度なんかもしっかり公表していて、とにかく丁寧に伝えようという心が感じられます。 そんな坂爪さんの説明も当然のことながら、とてもクレバーでありながら丁寧なものでした。 その他 質疑応答の中で日本企業が低収益な理由として、企業の失業率が低い点を挙げられていました。 欧米は失業率が高いために生産性が高く収益性も高いが、日本は失業率が低いために企業内失業者を抱えている状況でそれが生産性を低下させ、収益性を下げている理由という事でした。 また、高福祉国家と呼ばれる北欧の場合は失業率は高いものの企業の収益性も高く、税収が多いために結果として福祉にお金を回せるという話が出て、日本は低失業率で企業からの税収も少ないまま北欧モデルを参考にしようとしているけど大丈夫かな?という気持ちになりました。 介護については他にも、お年寄りがお金を使わずに持っていると言われているが、老人ホームはものすごくお金がかかる。 昔のように大家族ではない現代においては最後に老人ホームに入る時用にと思うと数千万円のお金を手元に置いておきたくなるのは仕方がないというような話が出て、毎月30万円とか40万円なんて話を聞いて驚きました。 働いて収入がある時はお金が貯まってなくてもなんとかなると考えるが、収入がなくなった後は不安でお金を持っておきたくなるという心理的な側面についての話も。それについては必要な額を計算してみて明確になれば、ここまではお金を使ってもいいんだという事になるのでは?という参加者からの意見も出ていました。 他にもユニオンファンドで資産形成する前に住宅ローンを繰上返済して負担を減らした方が良いのでは?という参加者からの質問に、住宅ローンを抱えている人はまずは繰上返済が先だけれども、ゼロにするまで投資を始められない訳ではなく、金利の影響が十分小さくなった辺りからは始めても良いのではないか?という別の参加者からの意見が出たり、資産形成だけにとどまらない家計全般の話に広がったのはライフサポートという側面を持っているユニオン投信の交流会ならではだなあと感じました。 自分もそろそろ繰り上げ返済か借り換えを考えてましたが、色々タメになる話が聞けて思わぬところで勉強になりました。 質疑応答も活発な意見交換が飛び交い、いつの間にか予定時間をオーバーして18時30分に交流会は一旦終了。 その後は駅前の居酒屋さんでの懇親会へとなだれ込みました。 懇親会 懇親会ではお酒も入って一層ヒートアップ。 ユニオン投信の今後やライフサポートについてなど、色々なお話をしました。 途中、交流会を開催するきっかけにもなったユニオン投信のI氏からこれまでの経歴とユニオン投信で目指す仕事の話を聞いて危うく泣きそうになりました。いい人が集まってますよ、ユニオン投信さんは。 そして、美味しい食事の数々 馬刺し 若かりし頃は競馬好きとして桜肉は敬遠してましたが、食べられるくらいには丸くなりました。 三種盛りでしたが、どれも美味しかった! 山賊焼き この地方独特の料理という事で、初めて聞いた名前の料理でした。 何が出てくるんだろう?と思ったら大きな鶏の唐揚げでした。ジューシーで美味しかったです。 ちなみに北海道には鳥の唐揚げの別バージョンとしてザンギというのがあります。 ゲテモノ三種盛 信州に来たら食べないわけにはいかないという事で出されたゲテモノ三種盛り。 出てくる前は内心嫌だな〜と思ってましたが、出てきたのを見たら意外に美味しく食べられました。 左からハチノコ、ゾゾムシ、イナゴです。ちなみにゾゾムシが一番好みでした。 お酒の席となると田子さんも豪快に次から次へをお酒を注文し、語り合い、あやうく23時までのホテルへのチェックインをし過ごすところでした。 一旦中座してホテルへのチェックインを済ませた後に再び合流。結局12時に解散となりました。 (坂爪さんとかえるさん、Nさんは更に二次会に行ったらしい・・・元気だ) 13時開始で11時間に渡る超ロングランの交流会の初日はこうして終わりました。 【関連URL】  ユニオン投信