昨日のガイアの夜明けで鎌倉投信とミュージックセキュリティーズが取り上げられました。
両社とも投資家が利殖第一ではなく、投資先を応援したいという想いの籠もったお金を投じているのが特徴で、寄付と投資の中間のような今までなかった存在です。
元々投資って大航海時代に交易に出る船のリスクを一人で抱えるのではなく、何人かで共同で資金を出すことで利益も分け合うという、まさにリスクをとってお金を投じた見返りにリターンがあったものです。
いつの間にか自分はリスク取りたくないけどリターンは欲しいという虫の良い考えを実現するために、短期で売買を繰り返して利鞘を稼いだり、複雑な仕組みを導入したりするのが投資というイメージがついてしまいました。
鎌倉投信やミュージックセキュリティーズの投資には、投資先にしっかりと地に足の着いたお金を投じ、共に歩むという投資の原点回帰の姿を感じます。
投資先と共に歩むという事はちょっとお金出して、うまく行ったら直ぐに逃げるという事ではありません。
被災地応援ファンドの場合は元々半分返って来ませんし、残りの半分についてもあそこまでメタメタに津波にやられた企業が利益を出すように戻るというのは簡単な事ではありません。
それでも投資するという根っこには「共感」が必要です。
鎌倉投信やミュージックセキュリティーズの投資家は、自分がどんな事に投資しているのかしっかり理解しているというのも特徴なのではないでしょうか?
その上でそれでもお金を投じても良いと判断して投資しているように感じます。
投資で良いことをするのは余計な事で、あくまでも利益を追求すればよく、そこで稼いだお金で改めて自分で良い事をすれば良いという考えもありますし、それはそれで良いのですが、こういう投資の姿も選択肢の一つとしてあるんだよという事は知って欲しいと思います。
全額こういう投資にしないといけないという事でもない訳ですし、ほんの一部をこちらに回す事でもいいんです。
ミュージックセキュリティーズのファンドは利益をガッツリあげるファンドではありませんし、鎌倉投信のファンドも株式と債券の中間くらいの利益を目標に運用されています。
大きなリターンが見込めないのは確かですが、それでも良いと考える人には是非投資を検討して欲しいです。
先日、ミュージックセキュリティーズの共有の森ファンドの投資家ツアーに行ってきましたが、参加された方は皆さん利益目的では投資されてませんでした。
面白いことをやっていて、それを支援する面白い人が集まるコミュニティーへの参加料という表現をされた方がいて、ぴったりだなぁと思いました。
投資と一言で言っても様々な側面があります。
利益追求だけではない投資についても、まずは存在を知って欲しいと思います。
きっと、ぼんやりとそういう事をしたいと考えていても、実現する手段を知らないだけという人が意外にいるんじゃないか?と感じているからです。