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"いい投資"探検日誌 from 新所沢の過去ログ#1(2003年7月〜2012年3月までの記事)

第三回草快塾に参加しました

9月8日(木)に開催された草食投資隊セミナー『草快塾』に参加しました。

三回目のお題は”草食系投資と肉食系投資の違い”。

塾と名のつくこのセミナーは参加者のグループディスカッションが含まれていて、投資について学び、考える場です。

初めにレオス・キャピタルワークスの藤野さんから草食投資隊結成に至る話がありました。

日経マネーの企画で三人で鼎談するというのがあり、盛り上がり、三人で顔をくっつけて撮影する”明星撮り”までした。

シブガキ隊をイメージして”中年シブガキ投資隊”という名前にしようとしたが編集者にウケが悪く、当時流行していた「草食系」を含めた草食投資隊に。

本を出してから最初の1年は全国各地で草食系投資について話すセミナー活動を行っていたが、今年は少し違った活動をしようということで

もう少しプライベートな勉強会を開催することにした。

草快塾と書くと麻薬っぽいが・・・

続いて投資は草食、私生活は肉食という紹介でセゾン投信の中野さんから草食系投資のイメージについて説明がありました。

草食系投資といっても弱っちい投資ではない

投資というとこそこそっと儲かる話を聞いてこそこそっと買ってこそこそっと儲けるイメージがある

投資をしている事についてあまりいいイメージが持たれない

それは、自分が儲けるためには誰かが損をするゼロサムの世界をイメージしているから

例えば肉食獣のトラやライオンは獲物をとると自分だけで飛びつき、他は寄せ付けない。誰かが負けて自分が勝つ世界。

草食系動物の世界では羊やウサギは同じ草原にいても共存共栄できる。自分が生き残る為に誰かが犠牲にならない世界。

そういう世界ではお金を投資という形で投じることでみんなが豊かになろうという方向に使うことができる。

続いてコモンズ投信の渋澤さんから肉食系の投資から草食系の投資に至るまでの話が。

三人の中で一番肉食系の投資を行って来た。

80年代はインベストメントバンカーとして。当時の日本は先物や債券、オプションなど様々な投資商品に活気があった。

90年代に入るとバブルが崩壊してそれまでの機関投資家が元気がなくなる代わりに、ヘッジファンドが登場してきた。

そこでヘッジファンドに興味を持ち、転職した。ヘッジファンドは地が滴るような肉食というイメージだが、貪欲なのは情報に対して。

2001年に澤上さんと対談する機会があった。当時はヘッジファンドの世界にいたので話が合わないと思っていたが、話してみると気のいいおじさんで意気投合した。投資信託にこんな形があるんだという事をそこで知った。

その頃、ネット証券も登場していて個人的な取引も行っていた。損はしなかったが本業をしながら利益を出すのは大変だと感じた。

そして、自分に子供が生まれて「自分を高める」という価値観から「他の人を育てる」気持ちが生まれた。

子供名義で積立投資をしてみた。大きくなった時に子供にコツコツ貯めていたお金だと渡すといいメッセージになると期待して。

やってみたら目先の上げ下げを気にせずにできた。本業と両立できるという発見。

このあと、3〜4名でグループディスカッションに入りました。

テーマは「あなたは草食系?肉食系?」

出てきた意見としては下記のようなものがありました

・肉食系投資といえばFX

・パフォーマンスが良い

・本業をしながらできるのが草食系

・長く続けることができる(草食系)

・下がった時にしばらく下がっていて欲しいという不思議な気持ちになる(草食系)

下がった時にしばらく下がっていて欲しいという不思議な気持ちになるという意見を受けて渋澤さんから積立て投資の効果について補足説明があり、藤野さんからパフォーマンスが良い事への説明がありました。

一般的にファンドマネージャーが優秀だとファンドのパフォーマンスがいいと考えられているが、他にも2つ要素があると考えている。

一つは運用会社の投資哲学で、残りの一つはいいお客様。

今回のように株価が下がった時に、わーってなって解約が入ると株を安く叩き売らないといけない。

そんな時にむしろ買い時とお金が入ってくると、他の人が叩き売った株を安く買うことができる。

株価が戻った時に、安い時に買うことができたという投資行動がパフォーマンスの差となって現れる。

運用者と運用会社、お客様が三位一体となっていいパフォーマンスというのは作られる。

最後に中野さんから日本とアメリカの投信事情の違いについていつもより熱い語りがありました。

アメリカでは残高トップ10の全てがバンガードやフィデリティ、キャピタルなどの独立系運用会社。

日本では大手金融機関の子会社の運用会社ばかり。

そして、アメリカでは一番若いファンドでも15年以上の歴史があり、長いと70年以上。

日本は昨年設定したファンドですら入る。10年以上はグロソブのみ。

日本で独立系は小さな存在だが、アメリカでは時間をかけて主流になった。

日本でも長期投資の独立系運用会社を根付かせたい。

ダイヤモンド誌で「為替投資」という文言が出たが、為替は「取引」。

ゼロサムの取引であり、株式投資のように全体のパイが大きくなることはない。

このあと質疑応答があっておしまい。

次回は11月15日(火)にチョクハンRevolutionと題して開催されます。

グループディスカッションで周りの参加者とも仲良くなれるので楽しいですよ。

懇親会も楽しかったです。