10月1日に開催された鎌倉投信 結い2101受益者総会でのアミタホールディングス 熊野会長の講演レポートです。
持続可能な循環型社会を目指し、無価値とされているものの「再生」にこだわる熊野会長のお話は鎌倉投信の考える「共生」と見事に一致していて、モノが溢れる社会においては「関係性」が求められている。
「衣食住足りて、礼節を忘れ人間は不幸になってしまった。」など鋭い言葉が印象的でした。
また、自社を持続させるために常に変化を考え、実行している姿もお話から伝わって来ました。
質疑応答の中で語られた昔、産業廃棄物にニッケルが2%程度含まれているのをかき集めて、鉱山で掘るよりも純度が高いという事でメーカーに持ち込んだらゴミから製品は作れないと断られたものの、不景気がもう一段進むとたくさん持ってこいと言われたというような創業当時の苦労話も面白かったです。
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環境市場ではビジネスモデルが古い。どうブレイクスルーするか。
例えばよろず屋とコンビニは売っている物は似ているが、コンビニは便利という無形の価値が付加されている。
3.11を経て自然資本と人間関係資本の増加に関する事業を行うと定款を変更した。
環境産業で新しいビジネスモデルを生み出そうとしている。部分最適ではなく、ハードとソフト両面からの総合最適へ。
コンビニの競争相手はどこか?答えは携帯電話。空き時間を携帯に使ってしまうとコンビニでお金を使わなくなる。
事業というのは競争優位性を保つ必要がある。あてにならない市場を対象にどう環境に適応して行くか?
現場に出て行って動的な中で均衡点を探している。
家や車が欲しいなど、昔は多くのニーズが予測できたが今は違う。泡沫の利他的欲求を満たすビジネスが求められているのでは?
人間には泡沫の利他性がある。常にではないのがキーポイント。
泡沫をどう常にに変化させるか?
衣食住足りて、礼節を忘れ人間は不幸になってしまった。
毎年30万人が自殺し、10万人が自殺未遂をする東京的近代をいつまで継続させるか?
今の世の中は関係性が不足している。
ドラッカーの言葉に「利益と社会貢献は矛盾するという間違いを犯している」というのがある。
利益と社会貢献は矛盾しない。
先進国では消費欲が縮小する反面、新興国では所有欲が拡大している。
収縮する消費行動の中で価値観を変えて行かないと持続できない。
現在0歳の赤ちゃんが20歳になった時におめでとうと言える社会を。
江戸時代に再び農本主義に回帰し、幕末に再度変革が起こった。
現在は戦後の全体主義からの変革期。モノはすでに行き渡っており、貢献欲求への対応が求められている。
無駄と無関心の消滅と共感の増幅が持続可能な社会を生み出す。
個人資産の1割を流動化させるだけで国家予算を超える市場が生まれる。
お金をただ貯めるのではなく、未来への投資を。
グリーンニューディールが日本にもやってくると考えて自然産業に賭けたが日本ではグリーンニューディールは起こらなかった。
会社は赤字を出してしまったが、二年連続赤字は出さない様自然産業への比率をぐっと抑えた結果黒字に転換した。
自然産業への比率は減ったが、ノウハウを持った社員は残っている。
日本と比較して海外はゴミ焼却炉の数が圧倒的に少ない。日本を焼却炉ゼロの社会へ。
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別会場では結い2101が投資していたり、鎌倉投信が応援している企業の商品が展示されていたり、社員の方が説明をしてくれる場が用意されていました。
こちらはアミタHDから10月から独立しましたが、間伐材から割り箸をつくり、使用済み割り箸はオガコ→堆肥にして土に戻すというサイクルを目指すワリバシカンパニーの展示。