池内タオルの池内計司社長が書かれた『「つらぬく」経営 世界で評価される小さな会社・池内タオルの神髄』を読みました。
第1章 池内タオルのいま
第2章 民事再生、そして復活へ
第3章 風で織るタオル誕生
第4章 会社を継ぐまで−続けることの重み
第5章 エコとビジネスの両立−なぜ生き残れたか
第6章 がんばる地方と中小企業のために
愛媛県今治市の小さなタオルメーカーが果敢に海外に飛び出して行って高い評価を集めたものの、取引先の倒産による焦げ付きで民事再生に。まさに天国から地獄に落ちたところからファンに支えられて見事復活を果たした会社の話です。
自社で作ったオーガニックなタオルに徹底的にこだわり、「愛するに足るタオル」を作っています。
アメリカやヨーロッパでは自分で使うタオルは自分が好きなものを買って来て使うのが主流だそうですが、日本ではタオルは贈答用がほとんどで、自分で買うという習慣があまりありません。
そんな中でも池内タオルは日本でも真摯なものづくりの姿勢から熱狂的なファンがついています。
そうしたファンが民事再生になった時に送って来た手紙が「タオルを何枚買えば、池内タオルは存続できますか?」というもの。
民事再生の際にメインバンクも「池内はともなく、その周りにいる熱狂的なファンのために応援するよ」と言ってくれたというくらいです。
池内タオルがなぜファンから愛されるのか?その理由は次の言葉で表されています。
小さな企業がものを売ろうとするときには、メーカーとしての生きざまが問われるのではないかと思うのです。きっぱりとした方針を打ち出せるか否かが顧客の支持を得られるかどうかの分かれ目になるのではないでしょうか?
そして、顔の見える対応。
ユーザーがある商品やある企業のファンになるか否かーそれは、どれだけ作り手の顔が見えるかということが、重要な要素だと思っています。
そうして集まったファンは商品を買い、周りの友人にセールスをしてくれるだけでなく、相性の良い商品の提案までしてくれるそうです。
しっかりしたコンセプトの商品をぶれずに、真摯に作り続けることでファンが生まれ、更には海外にも積極的に進出することで自分たちの商品の居場所を確保しています。
触って気持ちのいいタオルが結果として風力発電の電力で織られたオーガニックな商品だった。
そして、そのタオルを長く使い続けられること。それが池内タオルの目標です。
こういう小さいけれどもピリリとスパイスの効いた尖った会社は応援したくなります。
実際、ここのタオルは本当にふわふわで気持ちがいいですし。
池内タオルでは昨年からタンザニアのオーガニックコットンを使ったコットンヌーボーというプロジェクトを始めていて、今年で二年目を迎えようとしています。
一口5万円からのファンドで集めた資金で、タンザニアからコットンを買い付けてタオルにするというファンの参加型のプロジェクト。
今年も11月17日(木)にプレビューが予定されています。
12月8日(木)のテレビ東京系カンブリア宮殿でも紹介される予定だそうで、更に多くの人に知ってもらえる事になると思います。
また、大和証券とミュージックセキュリティーズの共催で開催されているソーシャルビジネスカレッジの第七回目の講師が池内社長で、『「愛媛県から世界へ』というテーマで話されます。
【開催概要】
テーマ: 「愛媛県から世界へ−今治とタンザニアをビジネスで結ぶ『風で織るタオル』」
講 師: 池内タオル株式会社 代表取締役 池内 計司氏
日 時: 2011年12月15日(木)18時開場、18時30分開始、20時30分終了
場 所: グラントウキョウ ノースタワー 17階 大和スカイホール
(東京都千代田区丸の内一丁目9番1号)
参加費: 無料
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