特定非営利活動法人Living in Peaceの代表 慎 泰俊さんが書かれた『働きながら、社会を変える。』を読みました。
1.仕事をしながら社会を変えよう
2.日本の「子どもの貧困」
3.児童養護施設に住み込みをしてみた
4.現場から見えてきたこと
5.五人の子どもの物語
6.背景にあるものは何か
7.虐待を受けた子どもの特徴
8.施設はどう運営されているのか
9.ハードな仕事をこなす職員たち
10.施設内虐待の悲劇を防げ
11.僕たちにできること
12.実践・パートタイムの社会貢献
日本に存在している子どもの貧困に対しての取り組みが書かれていますが、本の始めにどういういきさつで今の活動をするようになったのかが書かれていたので追体験をするような感じで問題を意識することができました。
貧困問題も色々な世代でありますが、子どもの貧困は社会に出る時にハンデとなってしまう面もどうにかしたい問題です。
DVの問題って暴力を受ける親側の問題しか認識してなかったけど、子どもも被害者なんですよね。
日本は生活水準という意味では恵まれた国かもしれないけど、育児放棄や虐待などで本当は愛されて育って欲しい子どもが悲しい現実に晒されている現状も認識しました。
そして、こうした貧困問題は繰り返される傾向があるので、時間はかかるかもしれないけれどもどこかで止めないとますます荒んだ世の中になってしまいます。
自分が生活する国だからこそ、幸せな人がたくさんいる国であって欲しいし、そういう国を次世代に伝えたいです。
そんな中、LIPが行っている児童養護施設向けの支援プログラム。存在は知っていましたが、こんなに大きな力を生み出す仕組みだとは知りませんでした。
・4億円あれば施設をより家庭に近い環境で生活できる施設が新築できます
・そのうち2.8億円は補助金が出るので自己資金は1.2億円必要です
・1.2億円についても20年間無利子で借りられるので毎月50万円の寄付金があれば賄えます
さらに、新しい施設を作ると
・四人の児童指導員/保育士を雇用するだけの措置費2,000万円が毎年補助されます
今は少ない人数で子どもと向き合っているため、施設で働く大人にとっても心身ともに負担がかかっています。
そういった現実も、実際に慎さんが泊まり込みで体験した事が書かれています。
チャンスメーカープログラムはとてもレバレッジのきいた仕組みです。
これがうまく回るようになれば、全国の児童養護施設で環境が改善されて少しでも多くの子どもの心が救われることにつながるかもしれません。
この本を読んでLIPのチャンスメーカープログラムに自分も参加することにしました。
また、LIPはパートタイムのNPOという事で、本職を持っている人がその能力を他の分野でも生かそうとする形にも興味を持ちました。
パートタイムでも社会に対して価値を創造する活動は出来るんだという事をLIPは証明してくれていると思います。
社会貢献活動はいい事をしていても金銭的な面で持続性に疑問符がつく活動も多い中で、パートタイムNPOというのは1つの解決策になりえるのではないか?(もちろんパートタイムでも金銭的な面での厳しさはあると思いますが)と感じました。