日経ヴェリタスに「直販投信 見て聞いて納得」という記事がありました。
2月9日に自分も参加したレオス・キャピタルワークスのセミナーの場面から記事は始まります。
ひふみ投信に関しては設定来の運用成績をTOPIXと比較したグラフや組入上位銘柄の紹介、信託報酬の割引制度などについても書かれていました。
キャッシュが40%もあればTOPIXに勝って当たり前と思うかもしれませんが、ひふみ投信がキャッシュポジションを40%近くまで引き上げたのは1月から。
それまではフルインベストメントに近い状態でした。
もう1社はコモンズ投信。
30年後も光り輝いているであろう厳選30銘柄への投資を理念にしたコモンズ30ファンドの紹介です。
エーザイ、コマツ、資生堂、トヨタ自動車、任天堂などを組み入れているそうです。
エーザイは役員選任理由を明確にした200ページにも及ぶ株主招集通知を作っているんですね。知りませんでした。
そして、先駆者さかわみに「挑戦状」という事でさわかみ投信も登場。
いきなり、かいたくファンドがさわかみファンドの組み入れを見送ったところから記事は始まります。
また、さわかみファンドの問題点としてインデックスとの差が少なくなって来ているというのをグラフ付きで紹介。
過去3年くらいからTOPIXにリターンが近似しています。
ただ、それでもTOPIXに勝っているだけに全くのダメファンドとは呼べないところ。
澤上社長の話として銘柄数が多い事に関しては
「運用効率だけを考えれば残高200億円くらいがベスト。それぐらいで募集をやめてしまえば組み入れ銘柄数はもっと少なくてもいい」
「それでは多くの一般生活者に資産運用の機会を提供するという本来の理念は実現できない」
と語っており、10年後に2兆円の資産規模を想定して銘柄数を増やしたり調査体制を強化しているそうで、元ファンド保有者としてはだったら200億円で募集停止にして欲しかったというのが正直な感想です。
インデックス的な運用成果になっているという批判には
「現象面だけをとらえた見方」と反論していますが、投資家としては結果的にインデックス並みのリターンしか出せないなら信託報酬が高いファンドをわざわざ買う必要もない訳で、投資対象がTOPIXとは違うのはわかっているけど、値動きが一緒じゃ意味ないんだけどってのが批判側の言い分です。
海外経済の回復などで株価が上昇する局面では運用成果が市場平均とは違ってくるというのが澤上社長や浪花おふくろ投信、ユニオン投信の運用部長の見方だそうですが、実際のところどうなんでしょうね?
最後に、独立系直販への課題として「安心感」の獲得をあげています。
さわかみ投信を除いて経営基盤が弱いのが弱点なのは確か。
さわかみ投信も最初は澤上社長の持出しによる追加出資が続いていましたが、そのうちにファンド仲間が増えて一気に黒字転換しました。
投資家側を向いた理念が素晴らしいだけに長期投資資金が継続的に入ってくるという特徴を生かして、なんとか経営も軌道に乗ってほしい。
そんな想いで僕は独立系直販投信を応援しています。