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"いい投資"探検日誌 from 新所沢の過去ログ#1(2003年7月〜2012年3月までの記事)

回避されたリスクは評価されない

大雪山で起きた遭難事故でもそうなのですが、引き返す勇気というのは大切です。 ですが、厄介なのは回避に成功したリスクに対して人は感謝してくれない事にあります。 今回の金融危機についても起きてしまって、そこから復活させた人が今後出てくればその人は称賛されることになるのでしょうが、そもそも金融危機を未然に防いだ人がいた場合、金融危機が起きていないので人は感謝してくれません。 遭難するかもしれないから引き返そうとした場合、確かに遭難は発生しなかったのですが逆に遭難が発生したかどうかは(起こらなかったので)わからないので、ツアー客に代わりの航空券を手配したりと色々コストが発生した事について責められる結果になります。 遭難事故が発生してしまうとリスクが明確化したので引き返すべきだったと確信を持てるんですけどね。 朝日新聞の記事で最近の運用教育はリスク回避型の内容になっているとありましたが、本当にその通りで、初心者って自分が思っている程には損失に耐えられないものなので、最大2σの損失を見込んでおけばOKなんて単純なものじゃありません。 インデックスファンドのような効率的な投資を目指す人はリターンから考えがちですが、結果的にリターンを多少犠牲にしてでもリスクは回避した方が結果的に投資を長続きできて長期投資に成功する気がします。 儲けを逃しても増える額が減るだけで済みますが、損失ってのは精神的にもダメージを受けますからね。