藤野英人さんの新著「もしドラえもんの「ひみつ道具」が実現したら」を読み終えました。
スリッパの法則のように一風変わった本を書かれる藤野さんですが、今回の本も発売直後に重版が決まるなど話題になっているようです。
縁あっていただいた物だったのですが、藤野さんのドラえもんデザインのサインが入ってました。ありがとうございます。
副題にタケコプターで読み解く経済入門とある通り、ひみつ道具を企業が開発したら世の中はどのように変わるか?また、開発するとしたらどの企業が関係するか?という著者の妄想が書かれています。
なので、読んだ人によっては違った感想を持つこともあるでしょうし、納得するかもしれません。
でも、著者はあくまでもひみつ道具という例を使って世の中の経済について分かりやすく説明するというのが目的だと思いますので、こうはならないなと思っても、自分なりに想像してもらえれば狙い通りです。
書いてある事を読むだけでも勉強になりますが、せっかくなので自分なりにひみつ道具が実現したら世の中がどう変わるか考えながら読むことをオススメします。
タケコプターのようにうまくまとまっているひみつ道具の解説もあれば、多少無理したなと感じられる荒削りなひみつ道具もありますが、これまで漠然とあればいいなと思っていたひみつ道具を真面目に考察してみるというのは面白いです。
また、世の中に新製品が登場した時に、それによって世の中がどう変わるか?を判断して株を買ったりするアナリスト、ファンドマネージャー的考え方の勉強にもなります。
色々新製品が出ては消えていますが、世の中にアンテナを張るというのはこういった事を逐一考えることなんだろうなと「気付き」を生む訓練にもなりますね。
10個のひみつ道具で様々な業種が登場し、今流行のものから政策提言まで幅広く解説されています。
経済の入門書としてはドラえもんのひみつ道具というたぶん誰でも知っている例を持ち出したことにより敷居をぐっと低くすることに成功していると思います。
この本の狙いは読んだ人の心のドアを開けることにあると書いてあります。
ひみつ道具が登場することで、既存の産業に対して激変が起こります。
でも、それに近いことが毎日着実に身の回りで起きているはずです。
イノベーションに対して身構えてしまうのではなく、好奇心を持って対峙してどうなるのか考えてみよう。
そうすると自分の世界がもっともっと広がるはずです。