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"いい投資"探検日誌 from 新所沢の過去ログ#1(2003年7月〜2012年3月までの記事)

資産倍増プロジェクトについてる〜さ〜!さんと意見交換しました

昨日の夜にる〜さ〜!さんことカブドットコム証券の臼田琢美さんとTwitter上で資産倍増プロジェクトについて意見交換する事ができました。 せっかくなのでログとして残しておきます。 自分が違和感を感じていた専用ファンド(スマイル・ジャパン)が長く投資家に愛される商品を選んだと言っている人がいる一方で、運用期間が5年しかない点など聞いてみましたが、「震災復興支援や日本株応援ファンドとして設計されたので無期限ってありえない。要望があれば延長するのだから問題ない」という回答でした。
『日本応援株ファンドが10年とか無期限っておかしくないですかね?ピント外れのまま運用を続ける無駄というのもありますし、まずは5年で設定して状況に応じて延長、ってベストな選択だと思います。』
る〜さ〜!さんも個人的には無期限が好きですが、とは言われているのですが、自分の感覚では5年で償還予定のファンドには手を出しにくいなぁというのが正直な思いです。 マニアとしてはマザーファンドの存在から見てしまうので、このファンドが日本応援ファンドだという事を意識していなかったのですが、震災復興支援ファンドだとして10年、日本応援ファンドだとしても無期限で問題ないと個人的には思ってますし、むしろそういう気概を持った運用をして欲しいです。 また、寄付金が最初の2年間しかない点についても震災復興には最初が肝心なので、料率をあげて最初の2年に集中したというインタビュー記事を紹介いただきました。(→こちら) 信託報酬から寄付に回るというのは、投資家にとって特別の負担なく寄付も実行されるのでいい面がありますよね。 寄付金ありきで信託報酬料率が上乗せされて設定されたわけでもなさそうなので、この点は評価していいと思います。 三菱UFJ投信特設サイトを作ったりと力を入れてますし、竹川美奈子さんによるインタビュー記事で
「スマイル・ジャパン」の販売用資料の1ページ目には、「はじめに」と題した、ファンドに賭ける思いがつづられているが、これは定期的に開催しているブロガーミーティング(情報交換会)で個人投資家の方から寄せられた意見を受け、同社の株式運用部長が書いたものだとか。
と書かれているように、このファンドへの想いの強さを感じます。
「投資家の皆さんからの要望が多ければ、延長することも考えられます。そのためも、皆さんに応援していただける投信を目指します」
この要望が多ければってのはどうするんだろうな?という疑問が残ります。 資産が減らずに増え続けていればなのか? マザーファンドの過去の運用実績も安定してTOPIXを超えているし、ちょっとは買ってもいいかもって気分にはなりましたが、5年で償還ってのがどうしても引っかかっちゃいます。 自分もる〜さ〜!さんにツイートしてますが、同じマザーファンドで運用されている優良日本株ファンドホルダーにとっては突然お金が流入して、出て行くリスクってのは運用成績にとってマイナスだと思うんですよね。(時に出て行く時に) あと、これはる〜さ〜!さんとは関係ないところでネット証券のHPでの専用ファンドの紹介を見ていると  低コスト=ノーロード という事のようですね。 ネット投信投資家(特にブロガー)に多い「低コスト=低信託報酬、ノーロードは当たり前」というのとはそもそも認識が異なっているわけで、これはそういう物だと認識するしかありません。 ネット証券としては資産倍増プロジェクトでシェアを伸ばしたいと言っているけれども、どんな投資家が対象なのか?がはっきりしていないために、特設サイトで竹川美奈子さんやカン・チュンドさんのインタビューを掲載して、お二人が推奨するようなファンドが専用ファンドとして登場するのかも!?と期待していたら、全然そうじゃなかったというのに落胆しているのであって、多様性多様性でいいと思いますが、そのへんをハッキリしてもらえるといいのかなと思います。 あと、資産倍増プロジェクトという名前の通り、専用ファンドは本当に資産を倍増させるようなファンドを選んでいた事が、こちらのインタビュー記事でわかりました。(→こちら新興国中小型ファンドは低ボラティリティ戦略とママルチファクターモデルを組み合わせることによって18の新興国の200〜300銘柄程度に分散投資され、バックテストの結果では年間平均収益率が20%にもなったとか。信託期間が10年間という事について
「このファンドは『資産倍増プロジェクト』で採用されたものですが、過去のバックテストでは年間の平均収益率が約20%となっていて、計算上は4〜5年で資産倍増が可能でした。ただ、投資家のみなさまは必ずしも当初から投資するわけではないため、10年という信託期間を設定しました。10年あれば、多くの投資家の方々のニーズに応えられるのではないかと考えています。また、将来投資家の方々のニーズがあれば、信託期間を延長するということも選択肢の1つとしてはあり得ます。したがって、有期限であることが、投資家の方にとってデメリットになるとは考えていません」(吉田主任)
こんなに大見得をきっています。 公募投信でここまでリターンについて強気な発言は聞いたことがなかったのでびっくりしました。 この調子だと、日本の新興市場株(レアル建)のファンドについても10年あれば資産倍増されるくらいの期待リターンがあるという事で選ばれたのかもしれません。 あくまでも「資産倍増プロジェクト」であり、地道に資産を積み上げていこうという人向けの地味なファンドは第一弾では見送られたという感じ? これは、これでニーズはあると思うのでそういう人にとってはいいかもしれません。 通貨選択型がノーロードで買えるとしたら、確かにそれは低コストと言えますし。 地道な資産形成を目指す投資家にとっては日本応援ファンド以外はあまり魅力的に映らないかもしれませんが、市場にはそういうところにもニーズがあるし、金額ベースではそっちの方が圧倒的に多いのも事実です。 自分にとっては残念な第一弾ファンドでしたが、市場が大きくなればいろんなファンドが生まれる可能性がある。今はその過渡期という中の人の言葉を信じてみるしかないですね。
目指しているものは初めから言っているとおり、もっとネット投信を普及させて、もっと良いファンドを増やして、もっと投信を多くの人に活用して欲しいということです。一足飛びには理想は実現できませんし、段階や順序があります。どー考えても利害一致してると思うんですが・・・
る〜さ〜!さんもこういってますし。資産積み上げ型の地道な投資家にとってもいいファンドが設定される日を待ちたいと思います。願わくば全体的な方向性もそちらへ向かいますように・・・ 投信って株と違っていろんな特徴を持たせられるので短期売買で儲けようって商品も当然作れるんですが、それって本質的に違うよなって考えてるので。 個人的にはネット証券4社でしか販売しないのに、既存よりも低コストなインデックスファンドはしばらくは登場しないと思ってます。 出ても、きっと既に持ってるファンド売って乗り換えるだけでネット証券の中でお金が動くのが大半でしょ? まだあまり市場規模が大きくないのにレッドオーシャンに持っていくことも運用会社としてもないだろうし。 資産規模が増えるにつれて信託報酬が下がるSTAMのようなファンドが個人的には理想型です。 ファンドも長い目で育てていきたいので。 バリューインデックスとか、今まで出してもらえなかったインデックスファンドを、ある程度市場シェアを持って発言力を持ったネット証券主導で出してもらえたりすると嬉しいです。 他の要望としては、既にあれだけ多くの投資信託を取り扱っているので、あの中から魅力的な商品を発掘して紹介しなおすような動きも欲しいです。すっかり埋没してしまっていて、売上ランキングで売れ筋ファンドを更に売れるように誘導しているだけにも思えるので。 最後になりましたが、ラジオNIKKEI夕焼けマーケッツ 投資って楽しいねっ!という番組に6/29(水)にカブドットコム証券執行役営業本部長の臼田琢美さんとマネックス証券マーケティング部長豊嶋斉さんがゲスト出演して個人投資家にとってこのプロジェクトのメリットはどこにあるのか?といったお話をされるそうです。(→こちら) ブログでは当日質問してみたい事をコメント欄で受け付けていますので、聞いてみたい事がある方は書きこんでみるといいと思います。