中小型株投資の魅力
投資信託事情12月号の巻頭特集は「見直したい中小型株ファンドの健闘」、そしてDirect Reportという記事でも「中小型株投信ビッグ5」を取り上げていました。
-26%と57%というエントリーでも結果が出ているようにTOPIXや日経平均を見ていると日本株はダメだという気分になりますが、実は中小型株は頑張っています。
イボットソン分類による小型株ファンドの過去10年で運用成績の良いファンドは下記の5本でした。
1位 JF ザ・ジャパン(JPモルガン)
年率 12.59% リスク 23.06 63銘柄 運用管理費用1.785%
2位 インベスコ ジャパン・エンタープライズ・オープン(インベスコ)
年率 7.90% リスク 27.42 53銘柄 運用管理費用1.785%
3位 インベスコ店頭成長株オープン(インベスコ)
年率 7.25% リスク 27.32 53銘柄 運用管理費用1.05%
4位 JF E-フロンティア・オープン(JPモルガン)
年率 6.15% リスク 20.58 63銘柄 運用管理費用1.68%
5位 日本低位株ファンド(野村)
年率 5.88% リスク 22.20 197銘柄 運用管理費用0.966%
参考指標:
TOPIX配当込 年率-16.40% リスク 17.64
ラッセル野村小型 年率 11.47% リスク 17.66
ラッセル野村小型グロース 年率-35.30% リスク 19.49
ラッセル野村小型バリュー 年率 40.93% リスク 17.19
参考指標を見ると実はTOPIX配当込とほどんどリスクの変わらないラッセル野村小型のインデックスファンドが欲しくなりますよね。
そんな人にはラッセル野村コアインデックスに連動するETFもあります。
コアインデックスになってるのでちょっと違いますが。(→1312 ラッセル野村小型コア・インデックス連動型上場投資信託)
記事ではインベスコの得能さんとJPモルガンの運用担当者さんへのインタビューの内容も書かれており、なかなか面白かったです。
インベスコ
小型株から大型株へ成長を収益化するというのが投資哲学
新興市場から東証一部へ上場する3〜4年前の企業の成長率が最も高い時期にベット
時価総額100億円〜2,000億円の1,300社からスクリーニングして約700社をリサーチ
企業の適正株価=利益÷(金利+リスクプレミアムー永久成長率)×流動性のディスカウント
年間通すと約半数の銘柄が入れ替わる
4名のチーム制運用
JF ザ・ジャパン(JPモルガン)
中小型株運用で定評のあった旧ジャーディン・フレミングの日本株運用哲学と運用チームが引き継がれている
JF由来の常にマーケットに勝つという強いパッション
投資のベストアイディアを発掘して集中投資
投資アイディア
2007/12-2008/06 世界的な景気低迷を予測し、外需から内需へのシフト
2008/09-2009/03 景気低迷の影響を受けにくい企業
2008/06-2009/03 景気の底打ちと短期的な株価上昇
2009/06-2009/12 デフレに強い企業と環境関連
2009/12-2010/06 ボックス相場、次世代の成長エリア
2010/06-2010/12 成長力と競争力の高い新しい市場、製品、サービスに注目
JPモルガンの2ファンドは運用スタイルを時代に合わせて変更している一方、インベスコはほぼラッセル野村小型グロースに近い運用スタイルで来ています。(インベスコ店頭成長株オープンは2003年までは大型グロースにも多いときで60%程影響を受けていましたが2004年以降は小型グロース)
日本低位株ファンドはラッセル野村小型バリューを中心に小型グロースを2006年〜2009年までブレンドしていました。
最近の中小型株ファンドだとDIAM新興市場日本株ファンドが個人的には好みで検証用ポートフォリオで積立もしてます。
投資スタイルをグラフで表すのは投資スタイルがどのように変遷しているのか一目でわかるのでいいですね。
投信まとなびでも見られるようになると嬉しいです。