日経ヴェリタス12月18日号に『カリスマ投資家の挫折』という記事がありました。
2011年はアメリカでカリスマ投資家と呼ばれていた人たちが苦杯をなめた年だったという記事なのですが、その原因として興味深いことが書かれていました。
株価は企業固有の材料によって動くというアクティブ運用の前提が揺らいでいるというものです。
米国株式市場の時価総額上位750銘柄について相関比率を調べた所2011年9月時点で68%だったそうです。(1926年からの平均値は26%)
もはや市場は個別の材料に反応しなくなっているというもので、ETFの普及がさらに拍車をかけているとも書かれていました。
割安な株が見つかったら適正な価格まで株価が上昇するというのが効率的な市場なのですが、ETFなどのパッシブ運用が存在を増す事で割安な銘柄はそのまま放置されることになり、バリュー投資家のこれまでの勝ちパターンが効かなくなっているのです。
アメリカではETFが投信市場全体の10%を占める様になり、年金基金などもインデックス投資を積極的に採用しています。
インデックス投資(パッシブ運用)が普及すればするほど、アクティブ投資は極端な値付けから利益を上げる可能性があると言われていましたが、実際にはインデックス投資が普及すればするほど個別銘柄の要因が株価に反映されなくなり、アクティブ投資家にとっては難しい局面になってしまうようです。
今後はパッシブ運用が主体となる世界の中で、新しいアクティブ投資手法を考える必要があるのかもしれませんね。