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"いい投資"探検日誌 from 新所沢の過去ログ#1(2003年7月〜2012年3月までの記事)

第5回草快塾『 ORではなくAND 』参加レポート

1月12日(木)に第5回草快塾に参加してきました。

今回のお題は『 ORではなくAND 〜インデックス投資とアクティブ投資〜 』でした。

インデックス投資とアクティブ投資について草食投資隊のお三方が話すという、始まる前から楽しみな回でした。

Twitter中継もしたので、概要はそちらを見ていただくとして、印象に残った点を

藤野さん(レオス・キャピタルワークス):

明治大学でセゾン投信の中野さんに話をしてもらった。

学生にセゾン投信について調べてもらって発表してもらうという内容だったが、学生達の投資に対する印象は「投資は悪いもので、こっそりやらないといけない」というものだった事に衝撃を受けた。

日本の大手運用会社では時価総額順に企業を並べてそれぞれの投資比率をベンチマークであるTOPIXと比較して決定していく。

なぜか?TOPIXから離れることがリスクだから。

モダンポートフォリオ理論による運用だとこうなるが、そもそもベンチマークが腐っていたら?という観点が欠けている。

2001年9月から2011年9月の10年間でTOPIXは-26%だったが2001年9月に上場していた会社の60%弱は株価が上昇していた。

経団連の会社はほとんど株価が下がっている。経団連会長は孫さんを生意気だと言ったが、自分の会社は株価が半分になっている。

孫さんは創業経営者で株価を何倍にもした。

リーマンショック後の3年間で50%以上株価が上昇した大企業に共通するのは強いリーダーシップ。

欧米の経営者は利益を出すことに対して真面目に取り組んでいる。成功することによるインセンティブがあるため。

日本の経営者は不祥事などで失敗しないことに真面目に取り組んでいる。ガバナンスを間違っている。

どちらが利益をあげられるか?

渋澤さん(コモンズ投信):

もともと肉食系投資ばかりしてきた。ヘッジファンドに行ってグローバルマクロファンド日本株式を扱う際に先物を使った。

理由は流動性。100億円を現物で売買するのは大変だが先物だと楽なのと手数料が安い。

手数料が安いと回転売買ができる。

インデックス運用は福袋のようなもの。自分がいらないものも入っている。

日本の長期投資にはアクティブの集中投資が良いのでは?

コモンズもひふみも海外株を買えるが、海外の成長を取り込むには海外展開を積極的に展開している日本企業でもよい。

TOPIX採用銘柄の海外売上比率は20%だが、コモンズ30ファンドでは40%。

コモンズ30ファンドTOPIXやコア30と比較してみて欲しい。

値動きが全然違う。30銘柄だといいというわけでもない。

アクティブはドキドキという意見が会場から出たが、値動き幅はインデックスよりも少ない。

リスクの少ないアクティブ投資もある。

中野さん(セゾン投信):

最初に投資の世界に入った時は社会的意義など考えず肉食投資をしていた。続けていくうちに自分の中で長期投資についての気づきが生まれ、セゾン投信を立ち上げた。よくインデックス投資の代表と言われるが、資産運用においてアクティブ投資が原点。アクティブなくしてパッシブ運用(インデックス投資)はない。両方を理解して欲しい。

アクティブ投資の延長線上にパッシブ投資がある。生活者にとって合理的な選択肢の一つとして全世界にまるごと投資するインデックス型のファンドを提供している。

感想:

グループディスカッションで同じグループになった参加者の方がインデックス投資有利という考えの方が多かったので(むしろアクティブって何がいいの?って意見もあったくらい)、最近の個人投資家向けの本などでインデックスばっかり推してるからこうなったのかな?と思いつつもリターン以外にリスクという面でアクティブの違いを話したりしました。

自分はインデックスもアクティブも両方買っていますが、いきなりインデックスだけに目が向いてしまうのもどうかと思っていて、両方を知った上で自分にとって良いと思った方を選択して欲しいなと思いました。

それにしてもリスクって言葉には色んな意味がありますね。

普通の人にとっては金融商品のリスクって「マイナスになる、損する」ことだと思うけれども、金融業界ではリスクといえば「ぶれ幅、変動率」という不確実性。ウォーレン・バフェットなんかは「理解していないこと」だと言うし、運用している人にとっては「ベンチマークから離れること」もリスク。

なぜ巷ではアクティブはインデックスに勝てないと言われているのか?という質問の答えも秀逸でした。

 日本のアクティブはベンチマークに縛られているのがそもそも良くない。ベンチマークに対してどうこうという運用をずっと続けるとコストで負けてしまう。長期投資のために商品設計されたファンドを選ぶのが大切。将来にどれだけ大きな果実を作るための運用とベンチマークに対してちょっと超えたいというファンドはそもそも違う。

次回の草快塾はいよいよ最終回。

2月には草食投資隊プラスと題してモーニングスターの朝倉さんが話しをされるそうです。

昨年末の金融審議会に投資信託業界への提言を出されて業界で話題になっているのですが、話している内容は草食投資隊が常々思っていることで、いつも同じ話をしていると言われたので今度は人を変えて同じ話をw

2月9日 19時〜21時

 草食隊プラス:ゲスト モーニングスター 朝倉智也氏