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"いい投資"探検日誌 from 新所沢の過去ログ#1(2003年7月〜2012年3月までの記事)

金融庁の個人投資家ヒアリングに行って来ました

先日、金融庁個人投資家の意見交換会が開催され、お声がけいただいたので参加してきました。

アジェンダとしては

 ・日本の個人投資家像について

 ・日本版ISA

 ・金融商品に係る損益通算の拡大

の三点でした。

自分の他には水瀬ケンイチさん、イーノ・ジュンイチさんの2名が参加されていたので、日本の個人投資家像として多数派のサンプルだったとは思いませんが、じっくり時間をかけて資産形成を目指している投資家が存在するという事を知ってもらう事はできたと思います。

日本の個人投資家像については、コツコツがご縁でお会いした方に何がきっかけで投資について興味を持ったのか?お聞きして会社が401kを導入したことをあげる方がいらしたので、そういった層も若年層には増えつつあるという事を話しました。

日本版ISAについては制度が3年で終ってしまうのは販売会社にとってもシステムの負担が重くのしかかる上に個人にとってもあまりにも短い時限措置であり、せめて10年間の継続、できれば永続して欲しいという事をお話しました。

他にも使い勝手という点で改善して欲しい部分、イギリスのように預金性のある商品(MMFなど)についてもISAに組み入れる事ができるようになると401kの補助的な使い方もできるのではないか?と思います。

金融商品に係る損益通算範囲の拡大については商品によって課税の仕組みが異なるわかりにくい形からシンプルな形への移行がいいというのと、範囲拡大よりも損失繰越期間の方が嬉しいという話をしました。

今回は金融庁の中でも税制に関わる部門の方との意見交換会でしたが、金融庁が自分たちのような小粒な投資家の意見も聞いてくれたというのは凄いことだと感じました。

実際にはどの程度意見が反映されるのかわかりませんし、この先は政府税調や財務省との調整もあるのですが、それでも大きな一歩です。

機会があれば税制に関する部門だけではなく、他の部門でも個人投資家の意見を聞いてくれる場を設けてくれるようになるといいなと思います。

ココロジカルがJF ザ・ジャパンへ統合されました

JPモルガン・アセット・マネジメントが2007年5月に運用を開始した「JPMジャパン・ファンド(愛称:ココロジカル)」が投資先マザーファンドをJF ザ・ジャパン マザーファンドに変更する事に伴い、「JF ザ・ジャパン(3ヶ月決算型)」に生まれ変わりました。

投信統合、始まりの一歩。マザーファンドの変更で。(Quick Money Life)

JF ザ・ジャパン(3ヶ月決算型)

JPMジャパン・ファンド(ココロジカル)

行動ファイナンスを応用して銘柄選択をするという運用を売りにしていたココロジカルですが、残念ながらパフォーマンスはパッとせず純資産額も当初募集時の半分くらいになっていました。

そして、新たなマザーファンドは今をときめくJF ザ・ジャパンです。大型〜中小型株までくまなく金メダル企業を探しだすというボトムアップ運用の典型的なファンドという事でこれまでとは全く違う運用方針になります。 純資産額の小さなファンドをいつまでも運用するのが運用会社にとって負担になっているのはわかりますが、ここまで大胆に運用方針を変えることがいい事なのかは疑問が残ります。(受益者にとってはパフォーマンスが改善されるとは思いますが)

個人的には運用を止めたいなら償還するのが良かったと思いますが・・・。 投資信託の統合については「受託銀行が異なるから」、「受益者に書面で確認する必要があり、コストと手間がかかる」というような理由で実際に行われることがこれまでありませんでした。(受益者に確認するのが寝た子を起こすことにつながるからというのが本音のようですが)

今回が投資信託統合の初めてのケースに当たるわけですが、運用方針の異なるファンドを統合するという異色な形での実現となりました。 これを機に似たような運用方針の小さなファンドがゴロゴロしている状況が投信統合という新しい流れに向いて欲しいです。  ※Quick Mony Lifeのグラフを転載

瑞泉寺梅鑑賞会&ミステリー鍋の会に行って来ました。

えるさん主催の「瑞泉寺梅鑑賞会&ミステリー鍋の会」に行って来ました。 鎌倉宮瑞泉寺〜報国禅寺と散歩した後に鎌倉投信本社にてミステリー鍋パーティ。 鎌倉宮 瑞泉寺 今年は寒いので残念ながら梅はまだまばらで・・・民家の梅の方が見事でした。 とはいえ、岩を削って作ったという庭園は見事です。 さすが禅宗という力強さを感じました。 続きを読む

マイクロファイナンスファンド(ベトナムONE)へ出資

ミュージックセキュリティーズベトナムマイクロファイナンス機関TYMへ出資するファンドベトナムONE」の募集を開始しています。 昨年末に開催されたLiving in Peaceのマイクロファイナンスフォーラム2011でTYMの方のお話を聞いてこのファンドが設定されるのを待っていましたので、早速1口出資しました。
Video streaming by Ustream マイクロファイナンスフォーラム2011でTYMのNguyenさんが話されています。(2:27:00くらいから) 女性のためのマイクロファイナンス機関 TYMはもともと政府の貧困削減のための組織Vietnam Women’s Union(VWU)によって設立され、2010年8月にベトナムで初のマイクロファイナンス機関として認定されました。 顧客の100%が女性で、主要顧客は必要最低限のものだけを購入できる収入水準で生活している女性です。 センターミーティングという借り手を集める集会を定期的に開催することで返済率99.1%という高い返済率を実現しており、借り手からお金を借りたいという需要はまだまだあるのですが、残念ながら規模が大きくないこともあり資金調達に苦労をしています。 ただお金を貸すだけではなく、トレーニングなどを通じて貧困脱出の手助けも行なっています。 資金調達を阻む原因の一つが為替ベトナムではインフレと経常赤字を原因とした通貨安政策が行われており、ここ5年間は一貫して円高傾向にあります。 そのような中で海外から資金を調達するにはマイクロファイナンス機関が為替リスクを負ってドル建てで資金調達するなどの方法がありますが、中小のマイクロファイナンス機関ではそのようなリスクを負うこと自体が経営上のリスクとなり、難しいのが現実です。 今回のミュージックセキュリティーズのファンドではベトナム・ドン建てでの投資になります。 これは日本の投資家がベトナム・ドンの為替リスクを引き受けるという事で、TYMのようなマイクロファイナンス機関にとってはとてもありがたい仕組みです。 その分、日本の投資家には損をする可能性があるのですがマイクロファイナンス機関への投資で儲けようというのではなく、応援したい、半ば寄付の気持ちで参加できる人にとってはいいのではないでしょうか? 続きを読む

日経平均を捨てて、この日本株を買いなさい。(藤野英人)

藤野英人さんから『日経平均を捨てて、この日本株を買いなさい。』を献本いただきました。 ありがとうございます。 この本の内容はダイヤモンドオンラインでも藤野さんが連載記事を書かれています。 (→こちら) タイトルでは日経平均となっていますが、インデックス投資家の多くは日本株のインデックスとしてはTOPIXを利用しているかと思います。 じゃあ問題ないかというとそういう訳ではなく、大きいだけでオワコンな大型株ではなく、小さくてもキラリと光る「ロックな会社」に投資しましょうという内容です。 ロックな会社というのはどんな会社なのかというとこんな風に定義されていました。  強いメッセージ性がある  一体感がある  旧弊に立ち向かう革新性とエネルギーがある 熱いですね。 この本にはひふみ投信で投資された超成長株がいくつか紹介されているので、ひふみ投信ホルダーはどんな理由で組み入れられたのかという観点で読んでみても面白いと思います。 藤野さんは目先の利益を追うのではなく、社会性と利益を好循環させることで「清く、豊かに」というのが企業の目指す姿だと言っています。 清いだけで貧しければ持続性がないですし、続けるためにはしっかりと利益をあげることが大切です。 続きを読む