インデックス投資交流会の三次会で吊られた男さんに薦められたのが縁で神永 正博 さんの『不透明な時代を見抜く「統計思考力」』を読みました。
今は、この流れで『まぐれ 投資家はなぜ運を実力と勘違いするのか』を読んでます。
それにしてもこの本、予想以上に面白かったです。
投資に関係するところではそもそも株式のリターンは正規分布なのか?べき分布じゃないのか?ってところやアセットアロケーション構築で出てくる相関係数についても
相関係数というのはデータ同士の関係がどれだけ「まっすぐか」を表している
のであって、相関係数が0であっても無関係という訳ではないという事。
そういえば高専で統計すこしかじった気がしますが、ちゃんと理解してなかったもんなぁ。
マスコミや本が知らない人に説明するためにいかに事実をデフォルメして伝えているかがわかりました。
わかりやすさを考えるとデフォルメするのはもちろんいい事なんですが、それを受け取った側がそれが真実と信じ込んでしまって本当の意味を知らないってのは恐ろしいですね。
吊られた男さんのブログで投資対象に平均・分散は無いかもしれない。ではどうする? (吊られた男の場合)という深いエントリーがありましたが、僕も同意見です。
『まぐれ』を読んでますます非確実性について深く考えるようになったんですけど、個人的には
・通常の年においては株は1年で50%程度の損失を出す可能性がある
・ひどい年には1年で80%くらいの損失はありえる
・それ以上損したくない金額については個人向け国債やMMFで運用
という事で自分が本当に許容できるリスク値に近い値で運用できるのではないかと。
ちなみに、あくまでもここで書いているのは1年で見た時の事であって四半期毎だともっと変動幅は広がります。
って考えると一般家庭が本気で投資をするのであればやっぱり2年分くらいの生活防衛資金はあった方がいいのかもしれません。
もちろん若いうちから小額積立を無理の無い範囲で行うのは勉強という意味でも意義深いとは思いますが、自分が許容できるリスクについてよく考えた方がいいと思います。
特に、初めて経験する下げ相場では平常時に思っていた以上に損失による精神的ダメージは大きいものです。
ちなみに、この本にはバイオガソリンについても書かれていて、ナショナルジオグラフィックでちょうど食糧問題について書かれていた事もあり、タイムリーに考えさせられました。