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"いい投資"探検日誌 from 新所沢の過去ログ#1(2003年7月〜2012年3月までの記事)

日本のバリューファンドといえばコレ フィデリティ日本バリュー

フィデリティ投信が運用するフィデリティ・日本バリュー・ファンドの月次レポートを読み込んでみます。 販売会社が6社(フィデリティ証券、エース証券、SMBC日興証券SBI証券コスモ証券丸三証券)しかないこともあり、純資産残高は少ないのですが、しっかりとした長期の運用実績のあるファンドです。 ベンチマークはRussell/Nomura Total Market Valueインデックス(配当金込)です。 外資系投信会社の良いところはベンチマークを適切に設定するところです。日系の投信会社だとバリューファンドをうたっているのにベンチマークTOPIXだったりしてがっかりしてしまいます。 月次運用報告書(2011年7月末):こちら 第9期運用報告書(2011年5月末):こちら 交付目論見書:こちら ◆7月末の状況◆ 純資産総額    :17億20百万円 株式比率     :98.7% 投資信託投資証券:0.3% 現金比率     :1.0% 銘柄数      :82 標準偏差     :15.64 シャープレシオ  :0.32 モーニングスター社によるファンド分析はこちら バリューインデックスファンドを求める声が一部個人投資家にありますが、個人的な思いとしては日本のバリューインデックスだったらこのファンドがあるからなくてもいっかと思ってます。そのくらいこのファンドは個人的には評価しています。 コストは高くて販売会社も少ないのは難点ですが、フィデリティの古くからあるファンドの伝統として、分配金を出していません。 分配力をうたうフィデリティ投信にもこういった良心を感じるファンドがまだ残っています。 もちろん、インデックスファンドの方が継続的にインデックスに忠実にトレースしていくのでしょうけれども、このファンドも既に2002年2月からの長いトラックレコードがあるので、今後も継続的にバリューインデックスに近い、そして超過する値動きを期待できるのではないでしょうか? そして、フィデリティの古くからあるファンドの特徴として無分配を貫いているという点も長期投資向きと言えます。 ◆組入上位銘柄◆ 1.  三菱UFJフィナンシャルグループ 2.  三井住友フィナンシャルグループ 3.  トヨタ自動車 4.  富士フィルムホールディングス 5.  アステラス製薬 6.  住友電気工業 7.  三井物産 8.  KDDI 9.  三井住友トラストホールディングス 10.  本田技研工業 上位10銘柄で41.3%を占めており、割と集中投資っぽいところを感じます。 ボトムアップ・アプローチが売りのフィデリティらしく、銘柄選択のポイントとして以下の3点を挙げています。  ・バリュエーションが割安で投資価値の高い銘柄を厳選  ・主としてPER及びPBRを基準に目標価格を設定  ・バランスシートやキャッシュ・フロー、投資効率なども加味して   バリュエーションを調整 こういった運用が功を奏してベンチマークを上回る成績を残しています。 2011年05月時点での第9期運用報告書はこちら ◆コスト比較◆  *2011年7月末時点での純資産総額に応じた配分 信託報酬は年率1.5%と日本のアクティブファンドとしては標準的というか高めな水準です。 ただ、バリュー投資を行っている事によるTOPIXへの優位性+ボトムアップアプローチによるアクティブ運用により、TOPIXのインデックスファンドを超過する結果を残しています。  青:フィデリティ・日本バリュー・ファンド  赤:eMAXIS TOPIX インデックス リターンは不確定要素ですが、コストは確実にかかるものです。ですのでコストは重要な要素ではありますが、アクティブファンドをコストだけ見てばっさり切り捨ててしまうにはもったいないなというのが自分の考えです。(インデックスファンドもコストだけ見て運用成果を見ないのはどうかと思いますが) もちろんコストは安いにこしたことはないのですが。 申込手数料  3.15%(税抜3.00%)を上限として販売会社がそれぞれ定める料率とします。 信託報酬  年率1.575%(税込) 信託財産留保額  なし  信託期間  2002年2月28日〜無期限 決算日  毎年4月30日 【関連HP】  フィデリティ投信  フィデリティ・日本バリュー・ファンド