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"いい投資"探検日誌 from 新所沢の過去ログ#1(2003年7月〜2012年3月までの記事)

直販ファンドが日本を元気にする!!@大阪 (1)

4月11日(日)に大阪で行われた独立系直販投信会社8社が集った「直販ファンドが日本を元気にする!!」に行ってきました。

東京からは直販ガールことmakiko8さんも参加。

最初は講談師の旭堂南海さんの「坂本龍馬」。

講談を聞くのは初めてでしたが、楽しかったです。

演目が坂本龍馬というのも、大河ドラマ龍馬伝をやっている今、旬でしたしね。

続いてさわかみ投信澤上社長の開会宣言。

自分にとっては2回目の澤上節だったのですが、やっぱり話がうまいです。澤上さんの話は聞くと元気が出ますね。

年金ですら不安に思う世の中で、長期投資をしている人が成果を出し始めるとみんな真似をし始める、そうすれば一気に流れは変わるという事で、直販投信は最終的には30社くらいを目指しているそうです。

また、お金は高齢者が持っているという話になりがちですが、澤上さんが40%は現役層が持っているのだから、そちらを長期投資に振り向けるのが大事という話をしていました。実際、高齢者が投資にお金をたくさん振り向けるよりも若年層こそ資産形成として投資をした方がいいのでここは共感しました。(とはいえ、若年層へのお金の流れは作る必要があるとも感じています)

その後は8社11ファンドの担当者がそれぞれ5分の持ち時間を正座してプレゼンするコーナー。

これは講談のセットがあることからレオスの藤野さんのアイデアで当日決まったそうです。

長期投資家は長期答弁家でもあるので、正座させることで長く話さないようにするという意味もあるそうw

ありがとうの岡さんが直販投信は思いを込めて運用しているのである意味SRIファンドだと言ったり、セゾン投信の中野さんが会社設立までに3回左遷されたとか、ユニオン投信は非営利団体が母体なので利益が出たら積極的に社会貢献活動に使いたいとかこれまで話を聞いたことがなかったファンドについても、少ない情報ながらも知ることができました。

クローバー・アセットの3ファンドについては話を聞いているとやっぱりそれぞれ目指すところは違っているのがよくわかりました。

浪花おふくろは家計簿診断などライフプランの策定から投信を一ツールとして提供しているし、かいたくは割とドライに世界の経済成長の波に乗ろうとしているのが感じ取れます。楽知んはこれまたちょっと違って子供たちに大人たちが楽しそうに投資しているところを見せてカッコいいお金の使い方をしたいというもの。

かいたくファンド保有者はそれ以外に日本株に投資する必要はないかもという発言もありましたが、ここは少し補足するとかいたくファンド自体が約40%日本株に投資しているという事実があります。決して日本は駄目だから日本株は買う必要がないという短絡的な発言ではなかったと思います。

悪い意味で日本を応援したくないという発言もインデックスファンドのようにいい企業も悪い企業も一緒くたに買うようなことはしないという意味合いと受け取りました。

レオス藤野さんの話はいつものことながら面白いのですが、今回もまたひふみ投信ってどんなの?っていうのにはこれといって触れなかった気が・・・。

コモンズ渋澤さんの話は今まで聞く機会が無かったのですが30年投資にかける想いが伝わりました。2月に口座開設して積立もしているので、そのうちセミナーにも行きたいと考えています。

鎌倉投信鎌田さんの話はいい会社ってなんだろう?というのとファンドと投資家の付き合い方についてが伝わりました。

参加8社の中でも運用哲学が異彩を放っているのでエッジのきいた運用をしてくれそうです。

後半部分は後日アップします。

前半部分のTwitter中継をまとめました。(一部修正しています)

さわかみ投信:澤上さん

直販ファンドが日本を変える、10年たてば本当に変わる。年金ですら大丈夫だと思えない。政治がしっかりしてくれればいいが、個人が自分でできる事をすれば良い。

歴史の転換点というのはこんなもの。今は明治維新以来三回目の転換期かもしれない。みんな何をすればいいかわかっていないだけ。わかっている人がちょっとずつやっている。モデルが出てくれば一気に変わる。こっから3年したら長期投資している人がニコニコしだす。

長期投資をしている人がニコニコしだすと世の中が変わる。日本には803兆円という預金がある。経済の1.5倍のお金が眠っていては経済が動くはずがない。そのうちの5%が間違えて経済に向いたらどうなるか?経済は6%くらい成長する。

ありがとう投信も立ち上がった。なぜ立ち上がったか?我々生活者が立ち上がるしか無いから。その有力な方法論として長期投資を広げようというのがおらが町構想。

自分たちが儲けるのが目的ではない。自分たちだけ儲けても日本経済全体が元気にならなければ意味がない。今は10社だが、30社くらいにしたい。

世界最大の眠れる預貯金マネーを起こす。よく高齢者がお金を持っていると言われるが60歳以上のマネーは60%。現役層も40%持っている。現役層のお金こそ動かすべき。

一般の生活者が自分たちで考えて立ち上げて政治経済を活性化するというのが成功すれば世界初。これが成功すれば新興国の将来モデルになれるし、欧州など成熟経済件からも見習われるモデルになれる。

ありがとう投信:岡さん

ありがとうファンドはずっと持っていても安心できるファンドを目指している。

今日はSRIについて話したい。アメリカで1920年頃から出てきて90年代に人気化し、現在は20%くらいのシェア。日本では日興エコファンドなどで一般化したがまだ全体の1%程度。

直販ファンドは全てSRIファンドに分類はされていないが、想いをのせて運用しているのである意味SRIファンドといえるのではないか?

アメリカでSRIファンドが流行ったのは成績が良かったから。成績のよいファンドがSRIファンドだったから、結果として流行した。

日本は残念ながらSRIファンドの成績が良くない。

今日東京の地下鉄の広告に5年後のトップランナーはもう走り出しているというのがあったが、まさに自分たち

セゾン投信:中野さん

全社で集まるこのような試みを心待ちにしていた。1年前にもさわかみさんに相談したが、そんな事している暇があったら一人でも多くお客さんに話してこいと言われたけれども、今年は「いいな!」と言われたので実現したw

セゾン投信は直販ファンドの三男坊。ちょっと違うのはセゾングループの資本によってできた会社。運用の世界にいて感じたのは既存の仕組みでは長期投資をするのは難しいということ。

セゾンという大会社の中で既存の仕組みを変えようとしていたので3回左遷されながらなんとかセゾン投信を設立できた。それはセゾンの林野さんから生活者のお金で日本の社会を元気にするという事への共感が得られて実現したこと。

セゾン投信は一般の生活者に向けてファンドを作っている。新しいマーケットを作る。

浪花おふくろファンド担当:石津さん

今日はふくろう(のぬいぐるみ)を持ってきた。これは浪花おふくろ2周年をお祝いして投資家の方からいただいたもの。

社会社労士として年金に関する事をしていたが、年金は大変だと言う事がわかったのでFPになってライフプラン診断をするようになった。そこからファンドを立ち上げることになった。

先日のセミナーでもお祝いの言葉やプレゼントをいただいて、共に盛り上げて行こうと改めて思った。大阪で身近なファンドとしてやっていきたい。4月に合併したが3社とも根っこが一緒なので頑張っていきたい。

かいたくファンド担当:上原さん

浪花おふくろは近畿圏が中心だが、かいたくは首都圏中心ではなく地方の方とコミュニケーションをとりつつやるのを目指している。

現在は東京中心になってしまっているが、大阪の人もウェルカムです。

かいたくファンドは悪い意味で日本の企業を応援するファンドにはなりたくない。

極端な話をするとかいたくのお客様はかいたく以外は日本株への投資をしなくてもいい。

新しい日本が生まれるように願ってはいるが、日本が変わらないのであれば他の国の頑張っている人を応援したい。

ただ、日本が復活することを願っているが、皆さんからお預かりしたお金は世界中に投資していく。

将来はアジアが世界の中心になり、東京がロンドンのような金融センターになればいいと考えている。

らくちんファンド担当:西生さん

投資の世界で24年やってきて24kg体重が増えた。

らくちんファンドは楽知ん研究所という学校の先生達が作った投信。

投資で儲かっちゃった先生たちがそのお金を自分たちで使うのではなく、投信会社を作った。

なぜ投信会社を作ったのか?楽知んは子どもたちに科学の実験を通じて楽しさを教えている。

投資でも大人が楽しくやっている姿を見せたい。子供たちを元気にするためにやっているのがらくちんファンド

らくちんファンドは学校の先生以外も購入することができます。学校の先生達による投資は全体の28%程度。皆さんもらくちんファンドを買えるので是非よろしくお願いします。

世の中が変わるときはファンドが重要な力になる。

レオス・キャピタルワークス:藤野さん

今日は二つの話をしたい。一つは堂島の米相場、もう一つはアブダビ

江戸時代に堂島の米相場を米飛脚で各地に伝えていた。商人は米相場の情報をどこよりも早く情報を得て利益を手にするために米美脚よりも早い情報伝達手段として手旗信号機を作った。

旗振山と呼ばれるのが全国各地、九州北部まである。手旗信号機を使って堂島から和歌山まで3分で伝えたという記録もある。

ただ、幕府は米飛脚に天下りがあったので、手旗信号機を禁止した。

それに商人は対抗して色々な手を使った。例えば伝書鳩。しかし、幕府はハヤブサを使って伝書鳩に対抗したりとイタチごっこが続いた。

我々直販投信は規制されている訳ではないが、金融庁から完全に理解されているわけでもない。

もちろんやましいことはしていない。

アブダビ投資庁の方に会いに行った。フランス人の投資責任者が言うには日本にはお金もあるが足りないものがある。

それは「成長の意思」。

日本の問題はスショクメールが増えている事。

何言っているのかと思えば草食男子のことだった。自国の女性も口説けないやつが世界で戦えるのか?というのが彼の言い分。

日本にも世界に通用するいい会社がたくさんあるのでそういった会社に投資するのがひふみ投信。

ユニオン投信:田子さん

ユニオン投信はセイコーエプソン労働組合が母体になって設立した投信会社。

グローバルな時代に労使が戦っても不毛なのでそういう活動はやめてライフプランの見直しなど可処分所得を増やす支援をしてきた。

その中で自分たちの想いが入ったファンドが作れないか?というところから始まった。

我々は非営利団体が作っているファンドなので(まだ儲けは出ていないが)、将来儲けたら社会貢献活動をしたい。儲けてはいけないと委員長にも言われている。

母子家庭に洗濯機を贈るなどの活動を考えている。他には松本の地場産業の箸づくりや箸袋づくりでニートの人たちに就業の場を与える活動。カンボジアでも足漕ぎのミシンを贈って作ってもらっている。ファンドで利益が出たらそういった活動へ振り向けたい。お金だけでなく心豊かな気持ちになれる。

コモンズ投信:渋澤さん

日本で生まれたがアメリカで育ったので今日が人生7回目の正座。

我々がなぜここにいるか?何年か前のある時親同士が出会ったから。その前の世代を考えると2世代前で4人の出会いが必要。10世代前で1024人、20世代前だと100万人を超える。それは600年くらい前の話。

では1000年前だとどうなるか?計算すると86億人になるが、そういうのはありえない。(現在の人口よりも多い)

我々一人一人は出会った人によって変わるし、今日ここに集まったことで将来の誰かに影響を与えている。

自分だけではなく、次世代の事を考えた投資をするのが大切かもしれない。その人達の笑顔のために。

それが30年後に投資するということ。30銘柄に絞っているのは日本に対して平均的に投資したいと思わないから。30社くらいはいい会社でいてくれるのではないか?30銘柄くらいであれば顔を突き合わせて運用ができるのではないかと考えている。

日本全国から投資されているが鳥取県だけまだ残っている。鳥取県のお知り合いがいれば是非。

鎌倉投信:鎌田さん

(一人だけ作業着と司会者に言われて)これは作業着じゃなくてスタッフジャンパーです。

「いい会社を増やしましょう」というキーワードが胸のところに書かれています。

結い2101というのは次の100年に向けて意思を込めた投資をしたいというのが由来。

鎌倉は幕府ができたり、日本最初のナショナルトラストができたり、エッジのきいた会社もある。

鎌倉投信が関わる会社というのはイキイキとしている会社。なぜか?経済の波に飲み込まれないことをしている会社だから。

それは大きい会社である必要もなくて上場企業である必要もない。そういう会社を全国から探している。

単なる長期投資で良いのか?明治以降の産業機構を何らか変える企業に投資しないと日本は元気にならないのではないか?

意思のあるお金が数%動くと日本はガラっと変わる。社会形成+心の形成(それに関わることによる学びや気付き)。

鎌倉投信の信託報酬は投資家からすると決して安いものではないが、どこに投資していて、それが世の中にどう役立つのかわかるようにする必要があって、それは直販しかできない。〇〇さんが作ったなど生産者の顔が見える野菜の直販のようなもの。

こういう場というのは世界でも例の無いこと。ここに投資先の企業の方が来たりするともっとよくなるのではないか?

ファンドというのはfan+and。ファンと一緒になって育てていくもの。