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"いい投資"探検日誌 from 新所沢の過去ログ#1(2003年7月〜2012年3月までの記事)

フリーランチ投資家になろう

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!5 お金が勝手に稼いでくれる「フリーランチ投資家になろう」 岡崎良介 ダイヤモンド社 1400円

岡崎良介さんという元ファンドマネージャーが書いた長期投資の本。

タイミングに頼らず、リスクを抑える事で年10%の利回り(7年で2倍)の投資を目指すという巷にあふれるデイトレードなどのギャンブル本の対極に位置する本です。

基本的日本株は1ヶ月に1回、全体の見直しを3ヶ月に1回行うという非常にゆったりとしたペースでの投資で、これならサラリーマンでもできるんじゃないかと。

ファンドマネージャーが書いた本という事で、基本的投資信託への投資を勧めているという点も素人に無理に株式投資を勧めないという意味で好感が持てます。(ファンドマネージャは個人的に好き勝手に株などを売買できない)

リターン/ブレ幅=安定度 として安定度の高い商品に資産を振り向けるという考え方はなかなかいいなと思いました。

年間リターン10%でブレ幅5%(上下に5%の変動がある)のAという商品と年間リターン15%でブレ幅10%のBという商品を比較した場合、Aは安定度10/5=2でBは15/10=1.5になります。

素人は年間15%のリターンに手を出しがちだけれども、プロは安定度が高いAに投資するのでフリーランチ投資家を目指すならそうするべきだと。

こうやってリスクを抑えていく事で長期的に安定したリターンを確保するという考え方です。

投資対象として外国債券は7年、外国株式は9年保有でリターンが最大化すると言っていますが、あくまでも過去20年間での話。ちょっとここら辺の数字の信頼性が疑われます。

日本株はリターンが低くて変動幅が大きいので投資ではなく、トレーディング(投機)向きとあります。これは自分の実感と同じ。

効率的市場仮説を持ち出してインデックスファンド推奨派の人もいますが、日本においては市場は効率的だなんて思えません。

著者はできれば日本株30%+外国債券70%の割合での投資が本来であればオススメなんだけれども、日本株への投資はリスクが大きいので代わりに「外国株30%+外国債券70%」という投資を推奨してます。(共にインデックスファンドへの投資)

ただ、なんで外国株30%/外国債券70%なのかっていう説明がないんですよね。そこがちょっと残念。

ちなみにこの日本株30%+外国債券70%という割合は以前エントリーした

[ボーナス付き毎月分配型投信]:http://ch.kitaguni.tv/u/1173/%A4%AA%A4%AB%A4%CD%A4%CE%A4%CF%A4%CA%A4%B7/0000147511.html

にピタリと当てはまります。

でも、毎月分配型投信では複利効果が薄れてしまうのでダメです。(惜しいね)

投資を始めたいと思っていても、実際に株などを売買するのはどうか?と思っている人や、401Kでファンドへの投資割合を決めるのに困っている人にはオススメの1冊。