マネックス・ビーンズ証券では今年を「オルタナティブ投資元年」と位置づけて個人投資家にヘッジファンドなどのオルタナティブ投資商品への門戸を開こうとしています。
昨年、先行発売されたパイロットファンドがありましたが、この7月に正式な第一弾ファンド [「アジア ファンド・オブ・ファンズ連動型投信(愛称:アジア フォーカス)」]:http://www.monex.co.jp/AboutUs/00000000/guest/G800/new/news5071.htm が発売されます。
このアジアフォーカス、初回募集時には1口50万円という価格になっており、日本とアジア・環太平洋諸国(シンガポール、インド、中国、タイ、マレーシア、オーストラリアなど)を投資対象としたヘッジファンドに投資します。
また、期待リターンは年率10%前半程度ということです。
!2 年に10%も儲かるの!全力で買い!
と思った方、ちょっと待ってください。
この商品はオルタナティブ(代替)投資商品と言われていますが、これに対する言葉に「伝統的投資商品」というのがあります。これは、株と債券を意味します。
通常、資産運用の世界では「国内株」「外国株」「国内債券」「外国債券」この4つの資産にバランスを考えて投資します。
株と債券は逆の動きをすることが多いので株が不調の時は債券が補い、債券が不調の時は株が補うというように、もちつもたれつ なかなかいい関係を保ってきました。
そこに不動産や貴金属、商品などの株や債券とは全く違った値動きをする資産を投資対象に加えるのが流行ってきています。(最近では年金基金も少しずつ投資対象に組み入れているようです)
値動きが違う資産をもつと、お互いに打ち消し合ってまろやかなスープのような値動きがゆるやかな資産運用が可能になるからです。
これらの不動産や商品、ヘッジファンドなどを伝統的投資に対してオルタナティブ投資と呼んでいます。
ヘッジファンドが伝統的投資商品と違う点に「絶対的リターン」を追求するというのがあります。
株や債券では市場全体がマイナスの時に運用成績がマイナスになっても「市場平均」に買っていればOKと考えます。
対してヘッジファンドは市場が下がろうが絶対値でプラスのリターンを出す事を目指します。
ユーザ本意といえばそうなのですが、その分読みが外れるとそりゃもーひどい事になります。
資産家の憧れスイスのプライベートバンクに資産運用を依頼しても彼らは伝統的投資商品を扱ってますので市場が悪い時は下がって当たり前というスタンスです。
それでも、富豪の資産を何世代も守ってこれたという実績があります。
!3 あくまでもオルタナティブ投資商品はその名の通りオルタナティブ(代替の)投資商品であり、メインの投資対象ではありません。
基本の投資対象は株や債券、そこにちょっとしたスパイスとして5〜10%加えるのがオルタナティブ投資商品の性格です。
!2 無理にオルタナティブ投資商品に手を出す必要はありません。
あくまでも資産の10%以下、ですからこのアジアフォーカスは500万円以上運用している人向けの商品という事になりますね。
100万円しか投資資金がないのに100万円全部ぶっこむなんてのはお勧めできません。