「マネー・ボール」というアメリカ大リーグ オークランド・アスレチックスのGMビリー・ビーンについて書いた本を読みました。
このアスレチックスというチームは資金力が乏しいのにも関わらず(2002年の選手年棒総額はヤンキースの1/3)毎年プレーオフに進出しているというまさに奇跡のチームです。(今年、薮投手が入団したチームです)
ビリー・ビーンは既存の野球の常識に囚われず、新しい視点で野球に向き合い、チームを作り、そして成功しています。
一番驚いたのは、ビリー・ビーンが参考にしたとされる「野球抄」という本に書かれている野球の得点公式です。
!2 得点数=(安打数+四球数)*塁打数/(打数+四球数)
こんな単純な公式でおおよそのチームの得点数を割り出す事ができるのです。
数式を見るとわかりますが、ヒット(安打数)とフォアボール(四球数)は同じ価値を持ちます。
そして、長打力(2塁打以上の塁打)は何にも増して重要だということもわかります。
一般的に打率がいい打者は高く評価されますが、四球も加えた出塁率は見逃されがちです。
!2 野球とは27個のアウトを取られる前にいかに相手チームより多く得点するかを競うゲーム
と、野球の本質を見抜き、出塁率にこだわります。
!3 四球でもヒットでもとにかくアウトにさえならなければ無限に点が入る
のが野球なのです。
なので、
!3 犠打なんてのはまさに無駄な事(犠牲の打撃とはよく言ったものです)
という考えを持ちます。
確かに、27個しかアウトを持っていないのにみすみす1個のアウトを捨てるのはもったいない気がします。
そうして、ドラフトでは他球団が見向きもしない新人選手を出塁率がいいという理由で獲得し、成功をおさめます。
また、出塁率という他球団が重視しない項目で選手を選ぶので、他のマイナーリーグ球団から優れた選手を引き抜くのにも長けているのです。
彼の出塁率以外のこだわりについてはまた次回。