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"いい投資"探検日誌 from 新所沢の過去ログ#1(2003年7月〜2012年3月までの記事)

さわかみファンド 運用報告書を読む2

[前回]:http://ch.kitaguni.tv/u/1173/%A4%AA%A4%AB%A4%CD%A4%CE%A4%CF%A4%CA%A4%B7/%C5%EA%BB%F1%BF%AE%C2%F7/0000267107.html に引き続き「さわかみファンド」の運用報告書をまとめていきます。

!4 少ない運用コスト

1万口当たりの運用コストは信託報酬が137円、売買委託手数料が2円で合計139円と0.096%しかかかっていません。

売買高回転率も0.22と1年に2割程度しか株式ポートフォリオが変わっていない事になります。

アクティブファンドという名前に相反しますが、このような腰を据えた投資というのは自分の投資スタイルとも合っていて居心地のいいファンドです。

!4 今年も分配金なし

設定来一度もさわかみファンドは分配してません。

長期的に見たら分配金を出す事にメリットはありませんからね。きっと、これからも分配金は出さないでしょう。

分配金いくら出ましたという(意味のない)煽り広告が乱れ飛ぶ時代にこういうファンドは貴重です。

!4 今後の運用方針

昨年の運用報告書では年に数回発生する暴落時に目一杯買いとの方針でしたが、今年の運用報告書では運用方針の大局は「買い」だが、暴騰している企業については少しずつ売りと書かれています。

さわかみファンドは景気サイクルによって主な投資対象を「株」→「債券」→「株」と切り替える時間軸を基準にしたアセットアロケーションを採用しているので徐々に景気の天井が近づいていると感じているんでしょうね。

!4 これからの心配事

わずか6年で純資産が1,000億に達してしまったので意外と早く1兆円ファンドになってしまうのではないかと危惧されます。

あまり資産規模が大きくなると市場の中で動きが鈍くなってしまいます。

将来的にはETFの購入もアリというような事を言っていましたが、海外へ投資する事になるじゃないでしょうか?

一応、グローバル型のファンドですし。

!4 海外市場への投資はあるのか?

以前澤上篤人氏は海外に投資する際は直接ではなくファンドに投資すると言っていました。

澤上龍氏とのダブルファンドマネージャ制度に移行した今となっては、実際にどのような手を打つのかわかりませんが購入者向けレポートを読んでいると中国に調査しに出かけたりしているので中国株に投資するのかもしれません。

中国株への投資に関しては中国でうまくビジネスをやっていける日本企業を選別するための調査という認識でいますけど。

市場規模でいけばアメリカというのが順当な線でしょうけど、時間軸ポートフォリオという現時点で一番割安な市場に集中投資というかなり高度なアセットアロケーションを実施しているさわかみファンドの事ですから、一体どこに投資するのか注目してみたいと思います。

個人的にはセコイヤファンドのようにバークシャーハザウェイ株への投資でいいんじゃないか?って思いますけど。

!5 まとめ

長期投資を目標に腰の据わった運用方針を愚直に貫いている数少ないファンドだと思います。

販売手数料がかからず、分配金も出ないのもいい点です。

問題はさわかみファンドの持ち味である時間軸アセットアロケーションがうまくいくかどうか?なんですが、いまのところ、うまく運用されていると思います。

ITバブルを乗り越え、その後の下落にも耐えた実績がありますし。

現時点で現金を20%(200億円)もっていますから、次の相場下落時が楽しみです。