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"いい投資"探検日誌 from 新所沢の過去ログ#1(2003年7月〜2012年3月までの記事)

さわかみファンドの投資スタンス

6月1日に日本青年館で行われたかいたく投信/楽知ん投信共催の長期投資セミナーに参加してきました。

参加してみてわかった事が色々あったのですが、とりあえずは最近東洋経済のページで掲載された澤上社長のインタビュー記事が話題にもなっていることですし、さわかみファンドの投資スタンスについて書いてみたいと思います。

セミナーの質疑応答でさわかみファンドは組み入れ銘柄も増えてインデックスと同じような値動きをしているが?という質問への回答で

TOPIXベンチマークにしている訳ではなく、銘柄選択をした結果のリターンがインデックスにたまたま近いだけ

・相場下落時には玉石混交といっても玉も石も一緒に下落する

・相場回復期には玉から先に値上がりするので、今は玉を仕込みなおしている最中

・相場が十分に上昇した頃には石でも値上がりするようになるので、そんな時はETFを買う場合もありうる

と言っていました。

また、この質問とは別の話の中で現在のところ日本株にしか投資していない理由について

・為替は難しい。運用の世界で中途半端に為替を組み込むと生き残れない。

・10年で2倍を目指しているので、それであれば日本株のみで十分やっていける。わざわざ外国資産を組み入れる必要はない

・10年で2倍になるような世の中で必要とされている会社を安い時に仕込む。

・その時々でTOPIXやら日経平均といったインデックスと比較されてもそもそも意識して運用していないから意味がない

・もし日本株が割高になって海外資産の方が十分に割安な局面になれば、一時的に海外資産に投資することはありえる

・ずーっと外国株を組み入れるのであれば為替リスクは相殺できるが、さわかみファンドの目指す10年で2倍というリターンを実現するには今のところ海外資産は必要ない

というような事を話していました。

10年で2倍。つまり複利で7.2%のリターンが目標なのでTOPIXと比較して勝とうが負けようがそれさえ達成できれば問題ないというスタンスです。

10年先を見据えて投資しているから目先の利益に目がくらんで無理な運用をしないですむし、更には購入者が運用者と同じ方向を向いているので相場下落時でも解約するのではなく、どんどん追加資金が入ってくる。まさに運用する側からしたら自分の目指す運用を思う存分にできる環境にあるというのもメリットです。

TOPIXETFと比較してどっちが高リターンか?

そんな事は澤上社長は考えていないと思います。

勝てれば勝った方がいいだろうけれども、それよりもいい会社を安い時に仕込んでおけば自然と運用成績ついてくるというのがさわかみファンドなのだと思いました。

実際、相場下落時にねばり、上昇局面で置いて行かれるという特徴を持っていますのでボラリティの低いマイルドな運用がなされていると感じます。

TOPIXよりも値動きがマイルドなのでインデックスファンドより初心者でも保有し続けやすいんじゃないでしょうか?(リターンではかなわないかもしれませんけど)

バンガードのボーグル氏のいうように超長期でリターンを最大化するのであればインデックスファンドに投資するのが一番なのかもしれません。(僕も外国株はインデックスファンドに投資していますし)

実際、澤上社長も東洋経済のインタビューで

『超』長期的な財産づくりという観点からすれば、インデックス・ファンドETFに投資して、保有しっ放しというのも悪くないでしょう。なぜかというと、インデックスに採用されている会社の中には、勢いよく伸びている会社もあり、また衰退していく会社もありますが、長くみていれたら全体的には緩やかに右肩上がりするだろうと思うからです。まして手数料が安いということであれば、インデックス・ファンドも良い選択だと思います。

と話していて、インデックスファンドへの投資を認めています。