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"いい投資"探検日誌 from 新所沢の過去ログ#1(2003年7月〜2012年3月までの記事)

かいたくファンド5月レポート 2本の日本株ファンドを調査中

かいたくファンド(かいたく投信)の5月分ファンドレポートが公開されました。

レポートの内容を見ると、現在のところ組み入れは

キャピタル・グローバル・エクイティ 19.5%

コムジェスト・エマージング 9.7%

短期金融資産 70.8%

とまだまだファンドの組み入れ途中といったとことです。

日本株(さわかみ)とヨーロッパ株(コムジェスト・ヨーロッパ)は先進国市場が弱気相場の中にあり、まだ割高だという判断で投資を見送っているそうです。

先日のセミナーでもさわかみファンドの組み入れを当面見送っていることについて

・今は日本株が割高だと判断しているので購入を見送っている

さわかみファンドは公募ファンドなのでコストも高く、それ故に購入にはより厳しい目で判断している

・長期視点のお金が集まったいいファンドだと思っているので相場が割安になれば購入する

と話していましたが、レポートの中で森本社長が改めてこの件についてコメントしています。

また、ブルームバーグにもこの件について記事が出ていて、さわかみファンド以外の日本株ファンドという事で2本のファンドを精査中とありました。

かいたく投信:さわかみファンド当面組み入れず、運用成果を徹底追求(Bloomberg)

立ち位置を。(投信会社をつくろう!森本新兒の挑戦記)

FOFと言っても新興国株式ファンドでよく見られるメインの投信と債券の投信をちょっとだけ組み入れたような特定の比率で組み入れを維持するファンドと、相場状況を見て組み入れ状況を随時変更していくファンドがありますが、かいたく投信を始めとするおらが町ファンドは後者のファンド

ファンドマネージャーの判断で割高だと思えば組み入れを見送ったり基本投資比率と比較して投資比率を低く抑えたり自由な運用をしてきます。

また、ベンチマークを設定しているファンドではありませんので、ベンチマークとなるインデックスを横目に見ながらあまり乖離しないように肩身の狭い運用をするのではなく、長期的な視点に立って本当に自分たちのやりたい自由な運用をして結果も当然出して行くんだという強い決意を先日のセミナーで感じました。

実際、組み入れ先のコムジェスト社内ではベンチマークという言葉はNGワードだそうです。

インデックスなんて気にせず自分たちがいいと思った銘柄は断固買いに行く。

個別株投資もしていた自分としてはそういう考えは好きですね。

(ちなみにコムジェストの運用哲学はこちらのレポートで読む事ができます)

最近不調ですがAvest-Eのハリス・アソシエイツなんかもそういった運用をしていますし、単なるインデックス投資でも結果は出るのですが、個人的にはそういった運用会社の哲学に共感できるところがあれば僕はそういう運用会社を応援したいと思っています。(Avest-Eはオンラインセミナーでハリス社が言っていたこの規模までは大丈夫と言っていた資産規模を超えてしまったので売ってしまいましたが)

森本社長のブログを見ていると日本には公募投信を出していない小規模ながらも腕のある投信会社があるようですので、そういったファンドを組み入れてくれると嬉しいです。

かいたくファンドですが、口座数は設定時点での158から310口座(5月末)へと順調に増えています。

30代、40代が全体の6割を占めるという年代構成や64%の人が積立購入をしているという現実がこのファンドの設定した理由、若年層の長期資産形成のためというメッセージがちゃんと届いていることを表しています。

もちろんまだまだ規模は小さいですが、さわかみファンドのように小さく生まれて大きく育つ

そんなファンドになって欲しいです。

ちなみにセミナーで森本社長が話されていましたが、かいたく投信が将来利益を出せるようになったら利益の5%程度は国境なき医師団などのようなNGO/NPOへの寄付という形で社会還元していくそうです。

実際、先日のセミナーでも投信会社なのでセミナーでお金は取れないけれども、勉強になったなとか楽しかったなと感じたら寄付という形で協力してくださいという事であしなが育英会への募金を呼びかけていました。

大山チャリティーウォークや、今度行われるコムジェストCEOを招いた「運用祭り ここから始まる。〜世界の運用野郎とじっくりと語る夕べ〜」でも中国四川地震へのチャリティーをするようです。

インデックスファンドを組み合わせて投資するのもいいですが、世の中の人がみんな資産運用について勉強してアセットアロケーションを考えて投資するだけの労力をかけたいと考えている訳でもありません。

そういうのは専門家にまかせて、自分は他に自分のやりたい事をする。そういう選択肢として直販系投信会社は設立されています。

評論家やインデックスブロガーにはあまり評判の良くない独立系直販系投信ですけど、確かにそういった人はわざわざ直販系の投信を買う必要がないだけの知識を持っています。

だからと言って投資もしていないし、設立直後で結果も出していないのに批判だけするのはやめて欲しいというのが澤上社長の先日のインタビュー記事の真意ではないでしょうか?