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"いい投資"探検日誌 from 新所沢の過去ログ#1(2003年7月〜2012年3月までの記事)

中部電力の前会長が買い集めた古美術の損害負担について

少し前の話になりますが、中部電力の前会長が会長職時代に会社のお金で古美術品を買い集めていて、あまりにも度が過ぎたために副社長が内部告発、鑑定してみた結果購入価格の1/5以下の価値だったと判明したという事件がありました。

なんでも鑑定団なんかを見ていてもこの手の買い手の思い入れとは裏腹な鑑定金額というのはよくある話なのですが、さすが中部電力はかける金額が違います。

購入金額が5億8000万円です。で、鑑定結果は1億2000万円程度。約4億6000万円の損失です。

会社のお金でニセモノつかまされるなよって誰でも突っ込みを入れたくなるでしょう。この前会長の知り合いの古美術品商にしてみれば大のお得意様(カモ)だったのでしょう。この他にも個人的に500点2億円弱の買い物もしてたそうですし。

まあ、好きが講じて個人的に損をする分には構いませんが勝手に会社の文化事業としてニセモノを購入するってのはどうでしょう?大きな会社って何故か文化事業という名の下に本業とは全く関係のない所へ無駄金を費やして周辺の人から功労者と持ち上げられるのがお好きなようで美術品を買ったりするのにやっきになるケースがあります。

今回の場合は前会長がごり押しで購入していたため前会長の太田氏個人に責任があるとして会社は9割を損害賠償請求しました。太田氏もそれを受け入れる方針ですが、問題は太田氏には4億もの資産がないということです。で、頼りにしているのは会社からの退職金。

7月に問題が発覚してから会長を辞任して、処分が決まった9月末まで顧問という形で中部電力に残っていました。会社としては今回の事件以外の功労もあるのでという事で退職金を出す方針なのですが、普通の社員だったらこんな事をしでかしたら退職金なんて出ないと思うんですけど。そこが、会長にまで上り詰めた功労と一般社員の違いなのでしょうか?

一応、役員の退職金については来年の株主総会で承認を得る必要があるのですが、株主は許してくれるんでしょうか?

株式会社は株主のものです。何故か経営陣は会社を自分のものと思いがちで、従業員は従業員のものと勘違いしがちですけど。

そういう意味でも株主の事なんか全く考えずに自分の欲しい物を会社のお金で買い集めたと今回の事件に憤りを感じます。