野村證券のCMで退職間近のサラリーマンが退職金をどうしようか悩んでいて「俺もそういう歳になったんだなあ」とつぶやいて投資信託を始めるというのがあります。
CMに突っ込みを入れるのもどうかと思うのですが、このCMで紹介されている商品は「ファンド・オブ・ファンド」という複数の投資信託を組み合わせてリスクの度合いを購入者が選べるというもの。
例えば株20%債券80%のものから株100%のものまでいくつかラインアップされています。
今の日本の現状を考えるとお金に余裕ができるのが退職金をもらった高年齢層に偏っているので60歳近いいままで預金一筋だった人に投資信託を始めてもらおうと考えるのは販売会社として自然な事です。
でも、投資信託は長期にわたってお金を増やしていくのを目指す商品であるという事を考えると、退職金をもらうような年齢の人は投資信託の購入を始めるのが遅すぎという感じがします。
退職金は年金とともに、生活費として使わなければいけないお金になる上に、退職者には他に収入がなくなるので元本確保に対するニーズは高いはずだからです。
既に十分な金融資産をもっていて退職金の使い道はまったくの白紙というケースであれば人生80年の時代ですから残り運用期間が20年と考えると投資信託にある程度まわすのもいいかもしれません。
でも、生活費として使う目的なのであれば国が元本保証している個人向け国債を買っておくのが無難かなあと。
そんな事をふと思いました。