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"いい投資"探検日誌 from 新所沢の過去ログ#1(2003年7月〜2012年3月までの記事)

アセットアロケーションいろいろ:J.C.ボーグル氏が考える資産配分モデル

今回はインデックスファンドの生みの親、ヴァンガードのJ.C.ボーグル氏の推奨する資産配分モデルを紹介します。

ボーグル氏の基本モデルは年齢と投資目標(資産形成段階か、資産分配段階か)によって構成されるマトリックスになっています。

<J.C.ボーグル氏の提唱する基本資産配分モデル>

1.年齢が「若年齢」、投資目標が「蓄積」の場合

株式80:債券20

年齢がまだ若く、蓄積(資産形成)段階にある場合、資産を取り崩して使う分配の段階までには十分な時間があると推測されるのでより高いリターンを求めて株式に80%を割当、残りは債券に投資する

2.年齢が「若年齢」、投資目標が「分配」の場合

株式60:債券40

資産を取り崩す分配の段階にあるのであれば比較的リターンを確定させた(低リスク)資金源に頼って投資が生み出した資金を引き出す事になるので株式への投資は多くても60%程度にするべき。

3.年齢が「高年齢」、投資目標が「蓄積」の場合

株式70:債券30

高年齢だとしても、投資目標が蓄積の場合は株式への比率は高くする必要がある。

4.年齢が「高年齢」、投資目標が「分配」の場合

株式50:債券50

高年齢で且つ、資金を取り崩す段階に入ったのであればリスクを抑える為に株式への投資を50%に抑える

あくまでも、上記であげたのは基本的なモデルであり、退職後に向けて25歳くらいの投資を初めたばかりの人であれば100%株でも良い。ただし、良い時も悪い時も愚直に規則正しい投資を続けられる事が前提。

逆に既に資産分配局面にあってかなりの資産を持っているリスク許容度の低い投資家なら株式への投資は30%程度まで抑えても良い。

<リバランスについて>

資産配分を調整するリバランスは必要。ただ、一気に資産構成を変えるのは15%が限度。それ以上一気にポジションを動かすのは不確実性が避けられない世界ではやってはいけない。

<補足>

ボーグル氏は「コストの低い」「インデックスファンド」を「長期に渡って」投資することを推奨している人です。そのため、株式への投資比率が高めに出ていますが、アメリカで良く言われる「100-年齢がその人の株式ポジション比率」という考え方をもう少し細分化したものと言えるでしょう。

また、ボーグル氏は外国株(この場合米国以外の株)への投資について大幅に組み入れる必要は全くないと言っています。

これは短期的には外国株が米国内株を上回るパフォーマンスを出す事があっても、長期的には米国内への投資だけで同じもしくはそれ以上のリターンをたたき出す事が過去の実績からわかっており、短期的な変動を抑える為に長期リターンを犠牲にするものではないという考えから来ています。

また、外国株へ投資する場合のコストが国内株へ投資するよりも高いのが長期リターンに及ぼす影響もあるのでしょうけど。

20世紀はアメリカの時代でしたからこのような考え方もできたでしょうが、個人的には今後どうなるかわからないので外国株への投資はある程度必要だと思います。

出典:J.C.ボーグル著

インデックス・ファンドの時代 アメリカにおける資産運用の新潮流