11月20日の日経新聞「マネー入門」のコーナーでマネックスビーンズ証券の内藤忍氏が資産配分について書いていました。
日本株 30%
日本債券10%
外国株式20%
外国債券20%
その他 20%
このように配分すると過去35年間では年平均リターンが6.9% 最低リターンが12.7%となるそうです。
年平均7%のリターンだと10年ちょっとで倍になる計算です。
株と債券その他の比率は50:50。日本円と外貨の比率は60:40になっています。
内藤氏は円安になった場合に円の購買力が下がり、輸入品の物価が上がるので外貨を持たないリスクを避けるべきという考えの持ち主ですからこのように外貨を多めに持つ事を推奨しています。
この円安に備えて外貨投資が必要という理論は割とよく見ますが、実際に円安になった時に本当に物価が上がっているかというとそうでもないというのが事実です。
外貨商品を売りたい販売会社のセールストークによく使われる理論ですから注意が必要です。
ただ、ポートフォリオの安定性を増やすという意味では外貨商品は効果的です。
内藤氏は他にも資産配分が崩れた場合、1年に1回程度リバランスが必要とも言っています。あまり頻繁にリバランスをすると売却時の税金など余分なコストがかかるのでできれば新規資金を足りない資産に振り分けることでリバランスを済ませるのが理想です。
また、景気循環についても触れていて景気を「不況期」「回復期」「好況期」「後退期」の4つのサイクルに分けています。
不況期には債券とキャッシュ
回復期には株
好況期には株と不動産
後退期には債券とキャッシュ
を持つのが望ましいとしていますが、今が景気のどの時期にあたるかなんてなかなかわからないものです。
それを基本ポートフォリオ+リバランスを行う事である程度景気のサイクルにうまく乗る事が可能になります。
実際、好況期のような株高の時には株を売って債券を買うリバランスを行う事になるでしょうし、不況期には株がどんどん安くなるため債券を売って株を買うリバランスを行う事になります。
株が上がっている今のような時に上がっている株をわざわざ売って債券を買うのはもったいないと思ってしまいがちですが、リバランスは基本資産配分に戻すという機械的な動きですので個人の考えを排除でき、平均的なリターンを望む事ができるようになります。
ちなみにさわかみファンドの場合は景気サイクルにうまく乗って株と債券、キャッシュへの投資配分を機動的に決めるアプローチをとっています。