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"いい投資"探検日誌 from 新所沢の過去ログ#1(2003年7月〜2012年3月までの記事)

投信の罠

今週号の週刊ダイヤモンドの特集記事が「投信の罠」という事で一体どんな事が書いてあるんだろうと読んでみました。

投信を買うときに考えるべき大事な事として「コスト」をあげて販売手数料や信託報酬(主にこちら)について記事にしています。

通常、こういう雑誌で投資信託を扱うと去年1年間で儲かったランキングだとかこれからは○○のテーマが狙い目なんていうくだらない記事が多いのですが、今回のこの特集は珍しくまともです。

商品名も実名で批判していますし、一体どうしちゃったんでしょう>週刊ダイヤモンド

記事の中でグローバルソブリンファンドがやり玉にあがっていて、運用会社よりも販売会社に信託報酬の割合が向いていて、とにかく販売会社の取り分を多くすることで信託報酬を高める最近の潮流を作った戦犯といった扱いになっています。

個人的にはその手法を持ち出したのはフィデリティ投信のような気がするのですが、グロソブがあれだけの巨大ファンドに育ち、販売会社に有利な投信が続々と銀行などで売られるようになった事を考えるとグロソブにも罪の一端はあるのでしょう。

今回の記事で面白かったのはグロソブを運用している国際投信に信託報酬を下げる気はないのか?という質問をしていて、国際投信が答えているところです。

国際投信曰く運用の説明会を全国で開くための経費もかかるので信託報酬を下げる気はないとのこと。そして、今後はもっと説明会を開いていきたいと回答されていました。

かたや信託報酬は運用コストなのだから下げた方がいいというダイヤモンド誌に対して、購入者への説明のためのコストに使うので下げる気はないという国際投信。

どちらも正しいんでしょうけどベクトルが違う方向向いちゃってますよね。

僕なら説明会なんていらないからコストの安い投信を選びますけど。

他にも毎月分配型投信やファンド・オブ・ファンズ、元本確保型など様々な投信をバッタバッタとなで斬っていきます。

勢い的には「金融広告を読め」に近いものがあります。

しまいには各業界から1社ずつ選んだ7銘柄ポートフォリオを組めばETFよりも安いコストでほぼ同等の成績を出せるとまで言っています。まぁ、これは実現するのにコストは安くすむけどかなりの資金を必要とするのであまり現実的ではないと思いますが・・・

あと、この手の話でよく出てくるインデックスに勝てるアクティブファンドは少ないという話は個人的にはだから何だ?という気がします。

スポーツの世界なら勝ち負けの差で勝負を決めていいと思うのですが、お金の世界では勝ち負けよりも得失点差(運用成績)が大事ですよね?

極論すれば1勝9敗でもプラスならそれで勝ちだと思うんです。(ここら辺に考え方の個人差はあると思いますが)

馬券でも例えば全通りの馬券を買えば勝率は100%になりますが、ほとんどの場合収支はマイナスになります。それよりも必ず的中しないまでも回収率が100%を超える手法の方が優れていると思うんです。

その的中率と回収率のほどよいバランスを目指してみなさん切磋琢磨していると思うのですが、株の世界も同じだと思いますがどうでしょう?

記事中では運用会社はぬるま湯体質で定時に帰るのがほとんどの会社もあるなんて書かれていたり(親しい人に運用会社の人がいますが、書かれているような楽な商売じゃないみたいですけど)、運用会社の人が証券会社から接待を受ける様子など盲目的な批判記事すぎるかな?という気もしますが、信託報酬が徐々に上がっていたり、毎月分配型投信だのろくな商品を作らない業界へのささやかな抵抗にはなるかもしれませんね。

あまりにも批判記事すぎて夕刊紙っぽい雰囲気が醸し出されていたのが残念です。

よくわからずに銀行や郵便局で投信を買ってしまった人には一度ちゃんと読んで欲しい特集ですね。よくわからないで買ったような人には興味がわかない記事でしょうけど。