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"いい投資"探検日誌 from 新所沢の過去ログ#1(2003年7月〜2012年3月までの記事)

J-REIT 17本の予想分配金利回りが10%超え

10月5日の日経ヴェリタス記事によるとJ-REITの予想分配金利回りが急上昇しているそうです。

最大なのはニューシティ・レジデンスで19.3%。これが10万4100円で買えちゃいます。

ただ、この高利回りには訳があって、ニューシティ・レジデンスの場合は9月末に返済期限の借入金125億円の借り換えが困難になったため、既存の不動産を売却して現金を用意。結果として09年2月期は大幅減益が見込まれて株価下落→予想分配金利回りが高いとなっています。

そして、とりあえず9月末を乗り切ったのも束の間、今度は10月末に豊島区の32階建てマンション取得資金276億円を用意する必要があって、借りる事ができなかった場合はまた既存不動産を売って現金を用意しなくてはなりません。

折しも不動産不況。今、不動産を手放すと損をすることにもなりかねず、今後は不動産売却損にも気をつけなければいけないとか。

東証に上々していREIT42本のうち17本が予想分配金利回り10%超ですが、これから先分配金が下がるという事も十分考えられるので単純に予想分配金利回りに目がくらんで投資すると痛い目に合いそうです。

そもそも、REITって法人税を免除してもらうために毎年利益の90%以上を投資家に配当しないといけない仕組みなんですよね。

これは、不動産市況が好況な時は利益を内部留保して新たな不動産購入につなげたいところが、利益は配当しないといけないのでなかなかできず(増資して一口当たりの価値を希薄化しないといけない)、逆に不況になって借金の借り換えができない場合には昔儲けた時の蓄えがないので不動産売却損を計上しながらも現金を作る必要がでてきます。

REITは手軽に不動産に分散投資できるというメリットがありますが、そもそもの仕組み上のデメリットも意識しておく必要があります。