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"いい投資"探検日誌 from 新所沢の過去ログ#1(2003年7月〜2012年3月までの記事)

「長期投資のための日本経済10年予測」セミナー その1

2月20日に大阪で開催された浪花おふくろ投信レオス・キャピタルワークスの合同セミナーに行ってきました。

「長期投資のための日本経済10年予測」という題のセミナーで、浪花おふくろ投信のファンドマネージャーの久保田さんとレオス・キャピタルワークスファンドマネージャー藤野さんがそれぞれ話した後、質疑応答という内容でした。

まずは浪花おふくろ投信のファンドマネージャー久保田さんの話から

・アクティブ投資を普通の人が行うのは難しい

・90年代に入ってからの20年、日本経済は横ばいを続けているが、その前は経済も成長し、株価も上がっていた

・海外に目を向けると日本の50〜60年代に相当する経済圏があり、そちらはこれからも成長が期待できる

・ただし、経済が成長している途中の国では経済の規模は小さいため40%以上株価が下がることがある(日本も過去に経験あり)が、そこで振り落とされないようにする必要がある

日本株にとってのマイナス要因は主に2つ「不良債権処理」「円高」

不良債権処理は日本経済にとってマイナス2%の足かせだったが、処理が終了して身軽になることが想定される

・円高のマイナスの影響として「輸出しにくくなる」「円高を前提に海外で生産しようとする」「輸入品、輸出品ともに値段が下がりデフレになる」というものがあるが、今回の円高はドルに対してだけで、他通貨を含めた実効レートではさほど円高という事でもない

・今後世界はエネルギーを使わない技術が求められるようになる。その時に省エネ効率が世界一の日本の技術が必要になると考えている。今回のトヨタがダメになったのも原油価格上昇によるハイブリッド車への急激な需要が原因。

・過去にアメリカも現在の日本と同じような停滞ムードだった時期があった(60-70年代)が、冷戦の終了により軍事支出が民間に向いたのと、インターネットの普及によりアメリカは復活した

・日本の国債は日本人(銀行)が買い支えているが、2012年に団塊世代が65歳を迎えるようになるといよいよ預金の引き出しが始まる。それまでにリスクをとった運用にシフトを取る必要がある

・経済を予測して大丈夫という事はない。当たらない予測を前提に長期投資することが大事。リスクを怖がって縮こまっていてはいけない

日本以外の国に成長を求めても良いが、日本にとっても不良債権という足かせがとれて再び成長する、目はあるというようなお話でした。