2月20日の合同セミナーの続きです。
今回はレオス・キャピタルワークスの藤野さんのお話。
前回記事:
藤野さん(レオス・キャピタルワークス)
・昨年末にUAEのアブダビに行って世界最大のSWFに日本株への投資をお願いしてきた
・CIOのジャン・ポールさんは日本の事を隅々まで良く知っていた。そのジャン・ポールさん曰く「日本は素晴らしい。技術力があり、教育水準が高く、四季があり、豊富な水もある。お金も腐るほどあるが(腐っちゃったけど)、成長する意思を感じないのが残念。何故日本人が一番悲観するのか?」「草食男子が増えているのは問題。自国の女性を口説けない男が世界で稼げるとは思えない」
・世界に出て行く会社があれば、日本にも投資する
・アブダビは100年後に石油がなくなることを前提に代替エネルギーに大胆に集中投資してるが、日本はその分野で力を持った会社が多い
・アブダビは成長の意思に賭けている。投資をすることで未来を誘導したい。
・日本の歴史は海と山の価値観がスイングしている
・古事記に出てくる海彦と山彦の話があるが、これは漁師のウミヒコが猟師のヤマヒコに屈服する話。
西(海):東(山)
平家:源氏
薩長:江戸
室町:鎌倉
西が政権を取ると対外開放的な政策を取り、貨幣経済が活発化する (キーワード:海、自由、変化)
東が政権を取ると閉鎖的な政策を取り、安定志向になる (キーワード:道路、平等、安定)
※訂正:キーワードが東と西で逆になっていたのを訂正しました。(2.26)
例えば、源氏は馬、陸上交通(いざ鎌倉)、主従、土地(御恩と奉公)に対して平家は宋(中国)との貿易や倭寇など海を使った交易が盛んだった。
隋や唐の時代の中国は強かったので、日本は国を代表する知能を送り込んで学んでいた。
二度に一回沈んでしまう船に国を代表する知識人を乗せて送り込むリスクテイカーの素地が元々の日本人にはあった。
その後、中国が乱れたために菅原道真が遣唐使を廃止、結果として国風文化が生まれた。(外→中への転換)
室町時代も歴史の勉強では流してしまいがちだが、実は長く続いていてその理由は交易により儲かっていたから。
ペリーが来るまで、日本は中国が強いと学びに行ったり交易を行い、中国が乱れると国を閉じるという二面性を持った国だった。
戦後、中国が乱れていたため日本は山側の勢力が強くなり、道路が大好きな自民党政治が続いていた。
中国が強くなって来た今後は日本の西側に頑張って欲しい。変化の時。
中国と上下関係を感じる人がいるが、商人的に考えて稼げるところから稼げば良いというフラットな思考が大事。
黒船が来てから明治維新まで、実は20年かかっている。
徐々に日本に変化の時が来ているのではないか?
今後有望な会社として世界に出て商売をしている商社や小松製作所などがあげられる。
企業訪問をしていると実は需要が増えて工場がフル稼働していたりする。それは世界の需要が増えているから。
世界は次の成長に向かっているので、日本はもうダメとか思ってはいけない。
iPhoneも部品の40%くらいは日本製で、日本の高い技術は世界から必要とされている。
藤野さんの東と西、海と山という観点からの話はまさに大阪で話すのにうってつけの話だよなあっていうのと、歴史好きとしては聞いていてワクワクするような内容でした。
歴史の大きな流れが閉鎖的な時代と開放的な時代が交互に来ているというのも話を聞いてみると納得だし、今の日本に漂っている閉塞感を打破するには確かに関西の元気さが必要だと思います。
低い位置での平等を目指して足を引っ張るという風潮を感じますが、変えていかないと!
アブダビに行った時の話も面白かったですし、藤野さんの話を聞いていると日本株もいいよなって思えてくるんですよね。
自分が住んでいる国だからこそ日本企業には元気になって欲しいし、日本という国も元気であって欲しい、そう思います。
という事で、次回は質疑応答編です。