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"いい投資"探検日誌 from 新所沢の過去ログ#1(2003年7月〜2012年3月までの記事)

ライブドア株をリーマンBが空売り?

ライブドアニッポン放送株の取得資金として発行した転換社債(MSCB)の全額引き受け元のリーマンブラザーズが、ライブドア株空売りしている気配があります。

そもそも、今回発行した転換社債は価格が下がれば下がるほど株式に転換する価格が下がるので、空売りの標的になりやすいものでした。

単純に考えるとリーマン社がライブドア株400円で株式に転換すれば800億/400=2億株を取得することになりますが、200円まで株価が下がると倍の4億株の株を取得することができます。空売りの買戻しには転換して得た株を割り当てればいいので、200円まで下がるのであれば4億株も空売りができてぼろ儲けできるという仕組みです。

10日にリーマン社が空売りと見られる株式の売却した10日を境にライブドア株は下がりつづけていて、17日現在で9日の469円から比較して約24%も下がってます。

仮に450円で4億株を空売り200円で株に転換して買い戻しすると、250*4億株で1,000億の利益が出ることになります。(実際はそこまで単純じゃないですけど)

CBの株式への転換価額は下限157円になっているのでまだまだ下がると思いますよ。自分は信用取引をしませんが、これは相乗りするにはかなりおいしい話です(もう遅いかもしれないけど)。 [以前にも書きましたけど。]:http://ch.kitaguni.tv/u/1173/%bb%a8%b5%ad/0000181276.html

逆に、既存のライブドア株主にとっては凄く悪い話。フジ・サンケイグループにライブドアが経営参加できるとかできないの次元の話ではなく、会社の価値を理不尽にも下げられてしまう可能性が高いです。(もっとも、もともと割高だと思ってましたので適正価格に近づいているという見方もできるかも)

そもそも、時価総額(2400億)の33%にも相当する800億の社債を発行する時点で一発勝負に出てるなという気配が漂います。こういう買収合戦は勝算がちゃんとある状態でやるのが株主に対する努めであり、自分の博打好きを満足させるためにやるものではありません。

800億もお金を出してくれた味方だと思っていた会社に裏切られている(かもしれない)のですから「敵は本能寺にあり」という所でしょうか?

自分はライブドアがどうなっても別に構わないのですが、マスコミが面白がって取り上げたことで他の企業もこういう博打的買収に手を出してこないかが心配です。

楽天もメディア産業への参入を疑われていますが、三木谷社長は元銀行員ですからこんな無茶な買収は仕掛けないと思います。ライブドアなんかと一緒にしないで欲しいと思っている事でしょう。

もともと、日本の株式市場は企業間の持合が多くて市場として不健全と言われてましたが、持合がせっかく減ってきたと思ったら代わりに馬鹿が荒らしまわる市場になってしまったというのでは困りますから。

でも、今回の件やヤフー掲示板を見てるとまだまだ日本は効率的市場と呼べないですね。もっとも、いつでも効率的な市場なんて存在しませんが・・・。(資本主義でも共産主義でも結局は8:2の法則、8割の富は2割の人が、残り2割の富を8割の人が分け合うが適用されるみたいですね)