Site.M from 新所沢

"いい投資"探検日誌 from 新所沢の過去ログ#1(2003年7月〜2012年3月までの記事)

やっぱりあぶない個人向け国債

以前、やっぱりあぶない投資信託という本の感想を書きましたが(リンクはこちら)、この間本屋に行ったらそのシリーズで「やっぱりあぶない個人向け国債」という本が出ていました。

これがまた、ひどい本でした。

IMFネバダ・レポートなんかの話を持ち出したり、日本の財政状況を説明して国家破綻の危険性があるので国債は安全な投資先ではないと言っています。

確かに、日本の借金はかなり危険な領域に達していますが、個人向け国債は割と良心的な商品だと僕は思っています。逆に言うとそこまで良心的な商品に設計してまで(=国にとっては不利な条件で)国は国債を売りたいという意図もあるんでしょうけど

金利上昇局面についていけないというのは固定金利の5年物に限った話ですし、だいたい国債を返せなくなっているような状況では国債をたんまり買っている銀行や郵貯銀行が無事であるとは思えません。

なので、個人向け国債なんか買わないでペイオフの範囲内の普通預金にしておきなさいという結論はいまいちです。(実際、戦後 国債は紙切れになりましたが預金にしたって預金封鎖で新円への交換が行われてかなり価値は失ってます)

やっぱりあぶない=元本割れの危険性がある というとらえ方なら納得できますが、不必要に不安を煽る週刊誌や国家破綻本と同類だと僕は思いました。

国の借金が普通じゃないレベルに達しているのでなんとかしなければならないという所は同意しますし、ろくな使い方をしない国に国債という形で協力したくないとは思っていますが、投資商品として冷静に見ると、元本は保証されてて(今後は1年以内の換金でも元本割れしなくなります)、金利も高い、10年物だったら変動金利なので金利上昇にも追随できるとまさにいいことずくめです。

最初の方でも言いましたが、国はそこまでして国民に国債を買って欲しいと思っているのですから、なんか裏があるんじゃないか?と疑いたくもなりますが、個人向け国債は買ってもいいと金融商品だと思います。