フィデリティ証券のコンテンツにフィナンシャルプランナー深野康彦のファンドChoiceというのがあって、特別企画としてあなたのポートフォリオにFP深野が公開アドバイスというのがあります。(こちら)
そういえば以前、そんな相談募集メールがフィデリティから来ていたのですが当然スルー。
公開からしばらくたってほとぼりも冷めた所でFP深野さんの公開アドバイスにちょっとツッコミを。
相談者は31歳で世帯年収が350万円、金融資産が350万円。立派です。
運用目的:住宅資金、生活資金補助
運用期間:長期(10年以上)
リスク許容度:ある程度なら仕方がない
運用方針:投資資産の値上がり益を追求
そんな彼の現行ポートフォリオはこんな感じ。
リスクはあんまり取りたく無いけどリターンは欲しいっていうダダっ子さんなところも、最初はそんなものなのでツッコミません。
・円預金:100万円(46%)
・投資信託:14万円(6%)
・外貨預金ユーロ:15万円(7%)
・外貨預金NZドル:50万円(23%)
・ミニ株:30万円(14%)
350万円あると言っている割に全部足して219万円なのはこの他に生活用の普通預金があるんでしょう、きっと。
さて、ここからFP深野氏によるアドバイスが始まります・・・
(投信ブロガーの諸氏であれば色々言いたいことが山積みかと思います)
1.リスク許容度よりもリスクを取りすぎている
2.預貯金を増やしましょう
3.将来への不安から投信積立を始めたのは正しいが、リスク資産が多すぎ
4.外貨資産のNZドルやトルコリラは金利目的で買ったと思われるがリスク許容度から考えると他の王道通過への乗り換えを薦めたいが、現在は為替差損もあるので保有し続けるしかない
1〜3は問題ありませんが4.で深野さんはああ言ってますが、損切り覚悟で外貨預金とトルコリラ債券は全売却が筋でしょうね。
投資初心者にありがちな高金利につられて王道から外れたところに集中投資するのは危険です。バシっと言ってあげた方が後々良いと思うのですが。
あと、外貨預金は手数料がもったいないのでせめて外貨MMFにするとかアドバイスしてあげればいいのに(フィデリティで取扱ないから言えない大人の事情なんでしょうけど)
ミニ株も好きで始めたのであればまあ良いですが、初心者へ個別株投資は自分の過去を振り返ってみてもお薦めできません。
自分もミニ株+投信信託デビューですが個別株って値動きが投資信託とは違って大きいのであまりリスクを取りたく無い人が持つものではありません。
そして、ここから投信積立のポートフォリオへの見直しが始まります。
・さわかみファンド 7万円
深野氏は
・さわかみファンド 7万円(そのまま)
・朝日Nvestグローバルバリュー株オープンorトヨタアセット・バンガード海外株式ファンド 2万円
1本追加するなら年金積立インデックスファンド海外債券(ヘッジなし)or PRU海外債券マーケット・パフォーマー
への改善を薦めています。
さて、こっからツッコミどころ
・さわかみファンドは国際株式か?あれは純粋な国内ファンドです。
・リスク許容度に応じた資産配分の見直しはしてあげないのね
・BRICsへの投資は続けるんだ(リスク許容度的にNGだと思います)
・散々外貨預金とか外債とか持っていて塩漬け指示してるのに、この上外債ファンドを薦めますか・・・
さわかみとセゾンのホールド指示はフィデリティ証券のサイトで他社商品の売却を薦められないからでしょう。(大人の事情)
でも、僕にはそういうバックヤードが無いので言わせてもらうと
・今持っている投信は全解約
・今持っている外貨預金、外債は全解約
・ミニ株も全売却
・円預金は保持
・売却資金の投資先はフィデリティ証券用に考えるなら164万円(75%)をMRFに
・残りの25%はSTAMグローバル株式インデックスオープン&STAM TOPIXインデックスオープンに乗り換え。比率は半分半分の27.5万円ずつ 以後積み立ても半分半分で継続
しばらく使わないお金があるなら一部は個人向け国債10年物にしておくと吉
フィデリティ証券じゃなかったらMMFをお薦めしますけどね。(MMF比率をもう少し増やしてセゾングローバルバランスファンド1本にするのもアリです)
特に、資金目的に住宅資金とあるのであればせめてその分は元本割れリスクのない商品での運用がお薦め。きっと頭金で使おうと思っているお金でしょうから。
m@の考える今回のケースでのお薦めポートフォリオ
リスク許容度的に安全資産を75%は持っていた方がいいんじゃないかな?と勝手に思いました。どの程度の許容度かわかんないので75%くらいなかと。
せっかくコストの安いインデックスファンドを売っている証券会社なんだからそれを利用しないと。
カン・チュンドさんも言っていましたが、販売側の立場についたFPのアドバイスはこんな感じで色んなしがらみによって良いアドバイスを提供できません。
(今回のケースではフィデリティ証券の広告コラムであるというしがらみ)
販売サイドではない独立系FPからアドバイスを個別にもらわないといいアドバイスをもらうのは難しいでしょう。(雑誌の企画の場合も広告主や人気商品を扱ってほしいっ思惑があるでしょうし)
今回のケースの人はさわかみやセゾンのファンドを持っているのに、理念までは理解しきれていなかったようで、持っている商品がバラバラでした。
自分はFPじゃないし、他人のお金の使い方についてアドバイスするつもりはありませんが、僕ならこうするのになって思いを書いてみました。
投信ブロガーがお題に対して自分なりの資産配分を書いてみるってトラックバック企画とかやると、それぞれの考えがわかって面白いかも。
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